竹取翁と万葉集のお勉強

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万葉集 集歌1769から集歌1773まで

2021年05月05日 | 新訓 万葉集巻九
万葉集 集歌1769から集歌1773まで

集歌一七六九 
原文 如是耳志 戀思度者 霊剋 命毛吾波 惜雲奈師
訓読 かくのみし恋ひしわたればたまきはる命も吾(あれ)は惜しけくもなし
私訳 このように貴女に恋心を持ち続けたならば、霊魂が宿る心臓が止まっても私は惜しくもありません。

大神大夫任長門守時、集三輪河邊宴謌二首
標訓 大神大夫の長門守に任(ま)けらし時に、三輪河の邊(ほとり)に集ひて宴(うたげ)せる謌二首
集歌一七七〇 
原文 三諸乃 神能於婆勢流 泊瀬河 水尾之不断者 吾忘礼米也
訓読 三諸(みもろ)の神のお座(ば)せる泊瀬川水脈(みを)し絶えずは吾(われ)忘れめや
私訳 三諸の神々がいらっしゃる泊瀬川の水の流れが絶えないように、思い出を絶って、私が貴方を忘れるでしょうか。

集歌一七七一 
原文 於久礼居而 吾波也将戀 春霞 多奈妣久山乎 君之越去者
訓読 後(おく)れ居(ゐ)て吾(われ)はや恋ひむ春霞たなびく山を君し越え去(ゐ)なば
私訳 大和の国に残されて居て、私は貴方のことを慕うでしょう。春の霞が棚引く山を貴方が越えて去って行ったらならば。
左注 右二首、古集中出
注訓 右の二首は、古き集(しふ)の中(うち)に出(い)づ。

大神大夫任筑紫國時、阿倍大夫作謌一首
標訓 大神大夫の筑紫國に任(ま)けらし時に、阿倍大夫の作れる謌一首
集歌一七七二 
原文 於久礼居而 吾者哉将戀 稲見野乃 秋芽子見都津 去奈武子故尓
訓読 後(おく)れ居(ゐ)て吾(あれ)はや恋ひむ稲見野(いなみの)の秋萩見つつ去(ゐ)なむ子故に
私訳 大和の国に残されて居て、私はあの人のことを慕うでしょう。稲見野の秋萩を眺めながら去って行くあの人のために。

獻弓削皇子謌一首
標訓 弓削皇子に献(たてまつ)れる歌一首
集歌一七七三 
原文 神南備 神依板尓 為杉乃 念母不過 戀之茂尓
訓読 神南備(かむなび)し神依(より)板(いた)にする杉の想ひも過ぎず恋ししげきに
私訳 神南備の神が依る板にする杉の、過ぎる想いも過ぎるとは思わないほどです。この恋心の激しさに。

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