竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌1288から集歌1292まで

2020年12月22日 | 新訓 万葉集
集歌一二八八 
原文 水門 葦末葉 誰手折 吾背子 振手見 我手折
訓読 水(みづ)し門(と)し葦し末葉(うらは)し誰(たれ)し手折(たおれ)し わが背子(せこ)し振る手し見むとわれそ手折し
私訳 湊に生える葦の末葉を誰が手折ったのでしょうか。私の愛しい貴方が振る手を見たいと私が手折りました。

集歌一二八九 
原文 垣越 犬召越 鳥獦為公 青山 等茂山邊 馬安君
訓読 垣越し犬召し越し鳥狩(とかり)する君 青山しと茂(も)す山辺(やまへ)し馬息(やす)め君
私訳 垣根越しに犬を呼び寄せて鳥狩をする貴方、青き山のこのように茂る山辺に馬を休ます貴方。

集歌一二九〇 
原文 海底 奥玉藻之 名乗曽花 妹与吾 此何有跡 莫語之花
訓読 海(わた)し底沖つ玉藻し名告藻(なのりそ)し花 妹とわれ此処にしありと莫告藻(なのりそ)し花
私訳 人目に付かない海の底の沖の美しい玉藻の名告藻の花、恋人と私とここにいるとお互いに名乗る莫告藻の花。

集歌一二九一 
原文 此岡 莫苅小人 然苅 有乍 君来座 御馬草為
訓読 この岡し草刈る小人(わらは)然(しか)な刈りそね 在りつつも君し来まして御(み)馬(ま)草(くさ)にせむ
私訳 この岡で草刈るこどもよ、そんなに草を刈るな、 このままにしているとあの人が遣っていらっしゃって御馬の草にするでしょう。

集歌一二九二 
原文 江林 次宍也物 求吉 白栲 袖纏上 宍待我背
訓読 江(え)林(はやし)し宿(やど)る猪鹿(しし)やも求めし吉しし白栲(しろたえ)し袖纏き上げて猪鹿待つわが背
私訳 入り江近くの林に棲む猪や鹿を獲るのに良いのだろうか、白栲の袖を纏き上げて猪や鹿を待つ愛しい貴方。
コメント
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