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猿沢ノ池不思議ノ横笛ーモーツァルト先生に捧ぐ

2015年01月13日 | なごみ
第4回万葉オペラ・ラボ公演 オペラ『魔笛』翻案

 猿沢ノ池不思議ノ横笛ーモーツァルト先生に捧ぐ



が、なら百年会館で行なわれ、行ってきました。

『魔笛』については、数年前、地元で合唱で参加させて頂いたことがあるので、数あるオペラの演目の中でも、私にとっては唯一知っているオペラであり、身近にあるものだけに、先生からご案内頂いてから、あのオペラをどう万葉調に仕上げられるのか、その演出と脚本に興味をそそられた。

その翻案台本及びセリフ監修者は、わが奈良大学文学部教授、上野誠先生。

大阪芸術大学管弦楽団による生オーケストラでの上演だ。

更に、音楽アドバイザーには三原剛氏、演出アドバイザーに、浜畑賢吉氏、衣裳は、山口千代子先生とそうそうたる顔ぶれである。

さて、万葉オペラのキャスト、その配役の名称が面白かった。

まずは、ザラストロ=天照らすざくろの宮の大君
    タミーノ=垂水皇子(たるみのみこ)
    パミーナ=春海姫(はるみひめ)
    夜の女王=月読女神(つきよみのめがみ)
    パパゲーノ=鳥飼部の春花(とりかいべのはるはな)
                  などなど


原作から遠ざからずも、万葉を彷彿させる呼称と、万葉衣裳がなかなかぴったり。視覚的にそしてサウンド的にも楽しめるとは、期待がふくらむ。
いよいよ開演。
オーケストラの生演奏、序曲からはじまった。
すると、大蛇ならぬ龍が会場内をうごめく。

なんでも、猿沢池近辺商店街の弁財天夏祭りの大蛇。
風土とのコラボは、民俗学的見地からも万葉集を研究された上野先生ならではの発想だったのだろうかと想像する。

日本語上演による万葉オペラ、言の葉をつむぎながらの進行が非常に印象的で、中でも舎人役たちが動作をする時に発する音は、オペラでありながらも、1300年前の万葉時代、飛鳥の宮にいざなわれたような不思議な感覚にとらわれたのも、きっと上野マジックであり先生のこだわりでまさに万葉オペラを実感できた。

歌唱については、垂水皇子を演じられた万葉オペララボ スタジオ研究生の中島康博氏の滑舌良くピッチのぴったり合った歌唱が、とても心地良く、心に残った響きとなった。
夜の女王こと、月読女神さまのアリアは、やはり魔笛中、一番の大場面、聞き応え十分であった。それにしても人間ってあんな高音がでるのね。
大阪芸大のオーケストラもすばらしくやはり生演奏はいい。

いいことづくめではじまった奈良での新年初の舞台観賞は、想像以上のスケールで不思議な万葉オペラをもって1300年前にいざなわれた私であった。

幕間、終演後と上野先生ともお逢いでき、言葉を交わせたのもラッキーでした。
素晴らしい舞台をありがとうございました。





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