(有)花沢不動産

趣味の話など

とある賃貸物件の変遷(という名目の昔話)

2018-04-10 | Weblog
実家は長らく賃貸暮らしで、私自身も就職前までそこで過ごしましたが、
そのマンションの名前をネットでたまたま検索したところ、偶然にもかつて
住んでいた部屋そのものの物件情報がヒットしました。今や築45年以上
にもなろうかという古い物件ですが、いまだに入居者の出入りがあるようで
何よりです。(少し前はネット古書店の拠点になっていたのには驚きました)

ネットが既に普及していた10年前でも難しかったと思いますが、今や不動産
屋さんでなくても、全国の物件情報に容易かつ、現地写真付きでアクセス
できるようになりました。

当該マンションは1972年築で、当家が住んでいたのは1974年(ヨンパチ
豪雪のさなかに入居)から1994年の20年間。ほぼ新築直後の入居で、
退去までの間、大規模なリフォームはなされませんでした。(せいぜい
ガス釜・浴槽の交換、浴室戸のアルミサッシ化ぐらい)
いかにも団地チックな既に陳腐化した造りで、私が就職して家を出る頃
には、水はチョロチョロしか出ず、雨漏れはするなど、老朽化が激しく
散々でしたが、現在の物件情報の写真を見る限り、きれいな今風の設備
になっていて、また住んでもいいかなとちょっとだけ思わせます。

当時から明らかに変わっていたのは以下の通りです。
(本来なら画像の流用はダメだと思いますが、業界の商習慣からか?
同一ソースの情報があちこちに転用され公開されていることもあって、
物件の特定がされない範囲で載せます。古くからの私の知り合いなら
分かってしまうかも(笑))

(1)間取り:3DK(6畳+6畳+3畳+DK)→2LDK(6畳+6畳+LDK)
 昔の団地チックな6畳和室続きの2DKの間取りを、間仕切壁・ふすま
 を撤去しフローリングの12畳の1LDKにした物件はよく見かけます。
 (「1LDKにリフォーム済」をウリにしている賃貸物件がこのパターン
 ですね)
 
 当物件は3畳和室とDKを統合しLDKとして、かつての3畳和室の押入れ
 の位置にキッチンを移設しています。
 (左:現在の間取り、右:当時の間取り)



(2)トイレ:配置変更、和式→洋式化(便座ヒータ付)



 学校も含めて物心がついた時から和式しか知らなかったので、今時の
 小学生が学校の和式でできないというのが信じられないです。

(3)洗面台:配置変更、ユニット式に交換



 恐らく3点給湯で温水も出て朝シャン可、大きな洗面台は女性にも
 おすすめ、というヤツですね。
 元は陶器の小さなボウルが壁面から突き出ており、排水管のS字
 トラップも空中にむき出しで、蛇口から出てくるのは当然水だけでした。

(4)浴室:配置変更、バランス釜→給湯式(追い炊き機能付)に交換



 今では信じられないことに、風呂で温水を使おうと思ったら浴槽に
 水を張って釜で加温するしか方法がなく、シャワーはむしろ贅沢な
 設備でした(笑) 逆に今時の給湯設備で「追い炊き可」の意味が、
 それがちょっと高機能ということも含めて、はじめ理解できません
 でした。その辺り、思想がすっかり変わってしまってします。

 また、当時の浴室内は床と壁面の下半分がタイル貼り、壁面の上半分
 がコンクリートへの塗装でしたが、後者はしょっちゅうカビが生えて
 掃除が大変だったようです。

(5)室内洗濯機置場(パン)追加



 かつて和式便所だったところ(換気扇代わりの小窓があるのが名残)
 で、和式便所の床には30cmぐらいの大きな段差がありましたが、それ
 もあっさりなくなって室内洗濯機置場になっています。
 トイレの段差は、幼少時の私にとってはちょっとした恐怖だったのと、
 ごついコンクリートで撤去は困難そうで、洋式化は無理だろうと思い
 込んでいました。

 昔は洗濯機の置き方というのは「各自工夫」だったようで、屋外の
 ベランダに置く家もあれば、浴室内に置く家もあったり、当家では
 浴室に隣接した廊下突き当りにスノコを介して置いていました。
 幸い当家で大事故はありませんでしたが、室内置きは漏水のリスク
 があるので、無監視運転は厳禁です。
 洗濯機への給水は専用の蛇口がないので、洗面台か浴室の蛇口に
 ホースを付けたり外したりしていたと思います。洗濯機側にも、残り湯
 専用ポンプなどという気の利いたものはなかったので、残り湯を使う
 場合はバケツで汲んでました。

リフォームで設備の更新は当たり前かもしれませんが、上記(1)のキッチン
移設といい、浴室・トイレ・洗面所の壁を含む配置変更といい、水回りが
関係する間取りの変更も大胆に施工していて驚きました。

一方で、天袋の付いた押入れが各部屋にあって有り余るほどの収納と
いった、古き良き時代の名残りもあります。(今時の物件では、2DKでも
収納は1箇所1畳分だけといったものが少なくありません)



実家は当物件の老朽化に音を上げて、地下鉄終点駅近くの分譲に引越し
ましたが、私が就職後ということもあり、よその家のようでいま一つ馴染め
ないところがありました。私が幼少期の殆どを過ごしたという点で、この
ボロ賃貸には大変思い入れがあれます。

嗚呼、わが母校(ばれるかな?)

コメント
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