カオスの世紀

カオスとは「混沌」、そしてこの21世紀に生きる自分の混沌とした日常を気ままに書き綴っていきます。

遠い空の向こうに(ネタバレ注意)

2006-07-28 | 映画(洋画)
高校で天文部に入って間もない頃、夜空を横切る光を見た時、先輩にそれが人工衛星である事を教えられた。中学生の頃、同じような光を見て、てっきりUFOだと信じ込んでいたのだが、不思議と夢が壊されたという感じは無く、むしろ、摩訶不思議に感じていたものが、人間の叡知の賜物であり、それは正に宇宙を飛んでいるという事にわくわくする気持ちが沸いてきた事を思い出す。

スプートニクを夜空に見た、ホーマー・ヒッカムは衝撃を受けてロケット作りを志すようになる。周りからは好奇の目で見られるが、彼の情熱はそんな周りをも遂には巻き込んでいく。しかし、炭坑夫として、その後を継いでもらいたい父はそんな彼の情熱を理解しようとはしない。

元々スポーツ嫌いだった私は中学の頃から憧れた天文部に入ったわけだが、当初は好奇の目で見られて、親からもがっかりされた覚えがある。
でも、あの時代は宇宙に夢中だった。やがて、スペースシャトルの初飛行があり、徹夜でその帰還をテレビで観たり、文化祭ではスペースシャトルの模型を作成して展示したり、遂には宇宙飛行士の本を買って真剣に志した事もある。数学が苦手だったが、宇宙の事、特に宇宙開発の事なら高校でも一番の知識がある自信があった。

天文部の同期と自転車で重い機材を背負い、夜空ばかりを見上げていた。暴走族に絡まれそうになったり、警察に職務質問されたり、近くで幽霊騒ぎがあったり。それでも夜空を見上げるためなら何も苦にならなかった。

ホーマー・ヒッカムは幾多の苦難を乗り越えて、高校生の科学アカデミーで金賞を受賞する。そして、奨学金を得て、大学に行くことが約束される。炭坑夫になるか、フットボールで奨学金をもらって街を出るか、2者択一の人生しかないと言われた人生を、自らの意志で新しい道を切り開き、やがて、彼はNASAのエンジニアとして夢をかなえる。
彼は自分の故郷で最後に飛ばすロケットの発射ボタンを父に捧げる。カウントダウンゼロと共に遥か“遠い空の向こうに”ロケットは飛んでいく。そのどこまでも高く上がっていくロケットの航跡を街の全ての人が見上げている。

若い頃に見る夢は、年とともにとても輝かしく見える。時として、それは目を向ける事を拒むくらいにまばゆい輝きを持つ。この映画を見ながら、確かに素晴らしい作品なのに、どこかで後ろめたさを感じてしまった。“遠い空の向こうに”あの時の情熱も飛んでいってしまったのだろうか。もう一度古ぼけた天体望遠鏡を取り出して、永遠に周回軌道を回り続けるあの時の”夢”と言う名のロケットを見つけだしてみたい。

遠い空の向こうに

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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会社の後輩のお薦めで観賞してみました。 ホーマー・H・ヒッカムJr.というNAS