よろず戯言

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丸山公園の桜

2013-03-31 23:07:12 | 日記・エッセイ・コラム

今年は桜の開花が早かった。

昨日休みだったので、最寄りの桜の名所、田川市の丸山公園へ向かった。

同じく桜の名所として全国的に有名な、札幌の円山公園と字が異なるが読みは同じ。

 

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ソメイヨシノ

 

既に満開は過ぎ、早くも葉桜になってしまっているものもあったが、

枝にはまだたくさんの花をつけていて、風で花びらが舞い散って、

それはそれはきれいな光景だった。

晴天なんだろうが、黄砂混じりのなんともいえない空模様と、

相変わらずマナーのない筑豊民が居たのが残念なところ。

 

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丸山公園の桜並木のメインストリート。

敷地内にある十二祖神社の参道の一部だろうか?

 

ひとりデジカメを片手に園内を散策する。

それほど広くもない園内。

駐車場から少し坂道を登ると、公園が広がる。

桜並木の参道と、その下にある桜の林。

 

公園には遊具がいくつか設置されていて、子ども達がワーキャー騒いで遊んでいる。

周りには保護者たちが、カメラ片手に笑いながら、子ども達を見守っている。

ジイちゃんバアちゃん達も、ギャルママ達も、みんな幸せそうに、

はしゃぐ子どもらと一緒に笑っている。

丸山公園名物、“巨大なカメのすべり台”はやっぱり一番人気で、

たくさんの子どもが群がっていた。

 

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遠目に見ると、そんな群がっているように見えないな・・・。

 

公園をさらに進むと、ちょっと狭めのグラウンドになる。

とはいえ、ここで球技等が行われるわけではない。

昔は園内で動物が飼育されていて、クジャクやキジが居た檻や、

コイやアヒルの池、 シカの居た柵に、モルモットやウサギ小屋なんかもあった。

それらが全て撤去されて、少しだけ広いグラウンドのようになっているだけ。

 

桜のシーズンには、このグラウンドを囲むように出店が並ぶ。

焼きとうもろこし,たこ焼き,いか焼き,わた飴,べっこう飴,りんご飴,etc,・・・。

食べ物以外にもお面や射的,ヨーヨー釣りにブロマイド,etc,・・・。

いつも思うのだけど、祭りに来てブロマイドとか誰が買うん!?

 

 

 

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ソメイヨシノ

 

ひとり、ぐるっと出店を物色しながら歩いていた。

そのさなか、楽しそうにはしゃぐ子ども達や、幸せそうな親子連れを眺めていると、

昨年まで二人の子どもを連れて、ここへ来ていたときの思い出が、

ふつふつとよみがえってきた――。

 

初めてここへ連れてきたとき。

上の娘はまだ5歳だった。

娘を肩車し、下の息子はその小さな手を引っ張って、桜並木のなかを歩いた。

自分が子どもの頃に遊んだ、服にひっつく雑草(ヤエムグラ)を取っては、

子どもらに投げてひっつけて、大はしゃぎで追いかけっこした。

以後、丸山公園に来ると、必ずこのヤエムグラひっつけ合戦が勃発した。

 

 

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一昨年くらいだったか、娘が帰り際に焼きとうもろこしをねだった。

1本500円もしたが買ってあげた。

帰りの車内で娘がひとくち食べて、「つめたい~。」

芯がカチコチに凍っていて、表面が熱せられただけの代物だった。

確かに出店の焼きとうもろこしって、冷凍の焼きとうもろこしを湯煎で解凍し、

それを網に乗せて、タレ付けながら二度焼きしているんだよな。

店員がちゃんと解凍されてないものをよこしやがったんだ。

あれは戻って文句言って交換させるべきだった。

 

去年は猿回しが来ていた。

子ども達は動物が大好きで、猿回しに真剣に見入る。

そのさなか、娘が自分の袖を引いてこう言った。

「ねえねえ、おサルさんより、あのおいちゃんのほうが、サルににちょう。」

いや、確かに大将もサル顔ではあったが、サルよりサルに似てるって・・・。

娘のひとことに大ウケした。

 

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昨年来ていた、猿回し。

確かにこの大将、サルに似てはいるが・・・。

 

 

で、このとき同時に、息子がある病気を発症した。

チック症”。

・・・・・。 

豚まんを食べさせていると、途中からそれが飲み込めなくなった。

「ジュースがほしい・・・。」というので、買ってあげると、

それを1本飲み干しても、飲み込むことができなかった。

お姉ちゃんのジュースをわけてもらってもダメだった。

ワケが解らない自分は、息子がまた甘えて、

途中で食べたくなくなった豚まんを、残そうと思ってそんなことをしているのだと思った。

その後、ツバが止まらなくなった。

唾液すら嚥下できなくなったのだ・・・。

 

ただごとではないと思い、急いで元妻の家へ連れ帰った。

その日は日曜だったので、翌日、元妻が病院へ連れていった。

蓄膿症でかかりつけの耳鼻・口腔科の医者に診てもらったが、首をかしげるばかり。

その後大きな病院をふたつほどはしごしたが、やはり同じ。

最後に行った病院で、医者から「チック症」という言葉が出た。

急いでそれを調べてみた。

子どもに起こる心の病気のひとつ・・・。

発症の要因に心当たりがあった、あの日、息子をずっと叱りっぱなしだった。

息子に申し訳ない気持でいっぱいになり、父親失格だとひどく落胆した。

 

Photo

台風にやられたのか雷にやられたのか?

幹が大きく割れてしまっているが、わきの枝がたくましく伸びて、

その先に、きちんと花を付けていた。

 

あれから一年経った。

今年は子どもらと一緒じゃない。

もうこれから先、来年,再来年と子どもらと一緒に、

ここで桜をみて、ヤエムグラを投げ合って、出店で食べ物を買って・・・。

それが叶わなくなってしまった。

 

この日、元妻は二人の子どもと共に遠くへ引越してしまった。

再度おとずれた、子どもらとの二度目の別れだ。

いつかまた、こんな日が来ることは解っていたけれど、

二人がもっと大きくなってからだと思っていた。

 

自分はサービス業なため、土日祝日が関係ない。

たまたま休みとそれが重なったときと、夏休みなど長期休暇のときのみ、

子ども達と会って遊ぶことができた。

どんなに仕事が辛くても、その日だけを楽しみに頑張っていた。

カレンダーを見て、その月の休みで土日になる日があればワクワクした。

だが、それももう叶わなくなってしまった。

 

 

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こんなにえぐられていても、きちんと花をつけていた。

桜の・・いや植物の生命力はとてつもなくたくましい。

  

公園を抜けて、神社の境内へと歩を進める。

人気は無いが、神社の方にも桜はたくさん植えられている。

無人の小さな神社で参拝して、境内を散策する。

途中、台風にやられたのか、雷にやられたのか、

大きく幹がえぐられた桜の木が目に入る。

主幹がやられても、脇の枝が力強く伸びて、その枝にたくさんの花を咲かせていた。

植物のこのたくましさ、力強さが、人にも・・・自分にもあればと思った。

 

はらはらと舞い散る桜の花びら。

足下には、たくさんの花びらが堆積している。

厳しい冬に耐え、春の訪れをめいっぱいに表現し、

そして、はかなく散った無数の花びら達。

人の人生もはかないものだと思ってしまえば、あるいは楽なのかもしれない。

だが、それができないのが、情のある人間。

人間たる由縁なのだと思う。

 

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散り積もった花びら。

 

少し・・いやかなり感傷的になって境内をめぐり、

また賑やかな公園の方へと戻ってきた。

そして駐車場の方へと戻る。

途中、桜の林のなかを歩いた。

その入口に大きな立て看板があった。

 

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桜の下ではバーベキューをしないで下さい。

(バーベキューの火が原因で多くの桜が枯れています。)

公園内での火気の使用は条例で禁止されています。

 

そらそうだろう。

大体、公園とかの公共施設でなんでバーベキューとかやるんだよ!

いくら桜は薫製に使われるからって、自身がいぶされちゃ、そりゃ枯れるだろう。

・・・と、思って看板を読んでいたら・・向こう側!

 

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これが筑豊クオリティ。

 

堂々とコンロ持ち出して、バーベキューやってるクソ共。

看板の字が読めないのだろう。

いや、田川の人間なんて、ほとんどこんなクソばっかだ。

社会的ルールや人間としてのモラルの欠片もない。

条例はおろか、法律もクソくらえな人間ばかり。

若い頃の自分なら、間違いなく この連中に怒鳴り込んでいるだろうが、

さすがに、もう諦めというか、ムダというか・・・。

 

 

子ども達・・・

田川を出て正解かもしれないな。

向こうで立派な人間に育って欲しい。

 

Photo_2

 

帰宅して部屋で着替えていると、ズボンの裾から一枚の花びらが出てきた。

花びらを手のひらに乗せて、また ふたりの子どもを思う。

今度はいつ会えるかな?

夏休みには実家へ戻って来るかな?

 

 


YouTube: ふくい舞 / いくたびの櫻 (ドラマVer.)

いくたびの櫻/ふくい舞

“福井舞”から、“ふくい舞”へと改名しての第一弾シングル。

それまでの彼女の曲になかった、ゆったりとしたバラードナンバー。

津川雅彦さんのPV見ちゃうと、別のイメージになってしまうが、

この歌だけを聴いていると、色々重ね合わせて じんわり来てしまう。

この曲のCDは、ジャケットに桜の香りが仕込まれているという凝りようだった。

久々にCDを出して匂ってみた・・・二年経っているが、まだ香りがする!

 

 

 



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