よろず戯言

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LIFE!

2014-04-12 01:09:37 | 映画

先日の休みに映画を観にいった。

ベン・スティラー監督・主演の、ヒューマンドラマ、“LIFE!”だ。

キャッチコピーは、「生きている間に、生まれ変わろう。

アメリカでの原題は“The Secret Life of Walter Mitty ”。

半世紀以上前に公開された映画、“虹をつかむ男”という作品のリメイクらしい。

 

Life_

 

ニューヨークで歴史ある写真誌、“LIFE”の制作会社で、

写真管理の業務に携わる、ウォルター(ベン・スティラー)。

勤続18年、黙々とただひたすらに真面目に業務に従事していた。

いつも変わらない日々。

刺激も変化もない。

 

Life02

  

若いときに父が急逝し、今は高齢の母と手のかかる妹を養うため、

抱いていた夢や やりたいことは、とうの過去に諦めて、

気付けばすっかり平凡な、実に冴えない初老の男になってしまっていた。

思いを寄せる女性に声をかけることすらできず、

どうしても内向的になってしまう。

 

Life04

 

そんなウォルターには妄想癖があった。

現実から一瞬トリップして、自身が派手なアクションをこなし、

あるときは街のヒーローに、あるときは氷山のクライマーに、

またあるときは悪と死闘を繰り広げる・・・。

現実離れした妄想によって、刺激のない鬱屈した現実から逃避していた。

 

Life03

 

そんなウォルターの勤め先が買収された。

それに伴いLIFEのオフィスも大規模な変革がなされる。 

瞬く間に廃刊が決定し、LIFEはウェブ上のサービスに移行されることになる。

LIFEの編集部は大規模なリストラ対象となり、

ウォルターの所属する写真管理部も廃止、リストラが決定してしまう。

 

Life05

 

だがLIFEの最終号の発行は決まっていた。

専属の冒険家カメラマン、オコンネル(ショーン・ペン)から、

「最終号の表紙に使ってくれ。」と、編集部に手紙が寄せられる。

その写真のネガは、写真管理部のウォルターへ、

彼への財布のプレゼントと共に直接送られていた。

買収し新たな責任者となったテッド(アダム・スコット)は、

ウォルターへ、そのネガの提出を迫る。

だがオコンネルが表紙に使ってくれといったネガを紛失してしまったウォルター。

 

Life

 

残ったネガに写されたものを手がかりに、オコンネルの足取りを追う。

オコンネルに直接会い、ネガの所在を確かめるべく、

アタッシュケースとジャケットを手に、オフィスを駆け出す。

わずかな手がかりでオコンネルの居た場所を突き止めた。

場所はグリーンランド――。

 

ウォルターの最後の仕事。

妄想ではない、だが妄想を超えた、

荒々しい地球の自然を体感し、いろんな人々と出会い、

世界じゅうを旅することになる最後の仕事は、

ウォルターの平凡だった日々を、人生を一変させるのだった。

 

Life06

 

 

すごい良かった。

叙事詩的でストーリーうんぬんよりも、

音楽や映像で、感覚、感性に直接 訴えかけてくる映画だ。

序盤は派手なアクションを絡めた妄想シーンがあるのだが、

中盤以降は妄想ではなく、現実の世界の出来事。

グリーンランドから始まり、果てはヒマラヤにまでたどり着く。

 

Life07

 

これを観て、奮起したいと思わないひとは居ない。

これを観て、自身の今の立場に疑問を抱かないひとは居ない。

これを観て、自分を変えたい!と思わないひとは居ない。

もし何も感じないのならば、現状に満足しているひとなのだろう。

今の日本に、そういったひとが果たしてどのくらい居るだろうか?

 

Life11

 

かくいう自分も、もう2年ほど前から今の仕事に嫌気がさしていた。

好きな仕事、好きな業種ではあるのだが、

上司がクソでパワハラがエグい、これ以上の自身の向上は望めない。

社会保険料は年額数千円ずつアップするのに、給与は一銭も上がらない。

勤め始めた頃と比べ、月収の手取りは3万円近くも減ってしまった。

体も至る所が不調を来しており、

心身共に、仕事を続けていく余裕がなくなっている。

1~2ヶ月ほどゆっくり休んで、旅でもしながら、

また自分のやりたかったことを真剣に考えて、再就職に臨もう!

 

Life08

 

そう考え、年末には辞めよう。

1月末には辞めよう。

年度末には辞めよう。

だが結局言い出せなくて、ダラダラと惰性で仕事を続けてきた。

それがだんだんと限界を迎え、とうとう心のダムが決壊しそうになってきた。

自分で判るのだ、おかしい・・・と、このままではヤバいと。

 

Life09

 

そしてこの映画を観て、ハッキリと辞意を伝えられるようになれば・・・そう思っていたのだが、

実は映画公開前に、ある事件が起き、そこでクソ上司に辞意を伝えることになる。

3月末に辞めることになった。

溜飲が下がり、気分がすっきりし、抱えこんでいた重いものもなんだか軽くなり、

3月末を迎えたが・・・30日、ものすごい慰留攻撃に遭い、

けっきょくそれに折れて、4月になり新年度になった今現在も、

この仕事を嫌々続けているという現状・・・。

映画のようにうまくはいかないか・・・。

 

Life10

  

映画の予告やあらすじでは、

妄想癖のある平凡な男が、あるきっかけで空想を超えた現実の世界を旅する―。

だが、ウォルターは実際には非常に多才な男であり、

仕事もそれなりのポジションで永年勤続、世界中を飛び回れるだけの貯蓄もある。

若い頃に培っていたようで、足も速くスケボーも上手く、スポーツ万能。

ステータス見る限り、ぜんぜん平凡ではない。

 

Life12

 

これを自分のような低所得者で何の才能もない、真に平凡な人間に当てはめたとき、

ウォルターのような人生を変えるような冒険が果たして可能だろうか?

何か一発奮起したくとも、富も才も運もない人間は、

やはり惰性で生きて行くしかない・・・。

そう考えてしまうと、この映画から勇気や希望をもらうはずが、

逆に現実を突きつけられ、絶望に打ちひしがれてしまう。

 

最近よく見かけるバナー広告に、

結婚斡旋業者のもで非常に頭にくるものがある。

「正直結婚したいんだが、俺のスペック需要ある?」ってキャッチフレーズで、

ワイシャツ姿のイケメン野郎が真剣な顔してやがんの。

年収650万円て・・・俺の倍以上あるじゃねえか!

で、そのツラで「需要ある?」だとかぬかしやがる。

 

脇にいたら、間違いなく殴ってるわ・・・。

離婚調停が成立して、落ち着いた頃に登録しようと思ったら、

年収低すぎて学歴なさすぎて登録できなかったわ! 

・・・いやもうさすがに今は結婚願望なんて潰えているけれど、

こういう些細な現実ひとつとっても、

もう自分は手遅れで、ウォルターのようにはいかないんだわ・・・と落胆してしまうのだった。

 

若人よ、早い段階で目標を定めて後悔のない人生を送れ。

生きている間に生まれ変わることができる人間は、ごく限られた人間だけだ・・・。

 

Life_

・毎日毎日同じ生活を繰り返していますか?

・仕事で大きな失敗をしたことがありますか?

・空想することはありますか?

・大切な誰かのために、夢を諦めたことがありますか?

・変わりたいと思っていますか?

3つ以上当てはまるひとは、この映画を観るべきだそうな。

自分は全部当てはまった・・・。

 

Life__2

劇中、LIFE誌とそのオフィスのスローガンとして登場する言葉。

TO SEE THE WORLD 世界を見よう

THINGS DANGEROUS TO COME TO 危険でも立ち向かおう

TO SEE BEHIND WALLS 壁の裏側をのぞこう

TO DRAW CLOSER もっと近づこう

TO FIND EACH OTHER お互いを知ろう

AND TO FEEL そして感じよう

THAT IS THE PURPOSE OF LIFE それが人生の目的だから

 

 

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YouTube: Jose Gonzalez 'Step Out' The Secret Life Of Walter Mitty Soundtrack

STEP OUT/Jose Gonzalez(ホセ・ゴンザレス)

劇中、ウォルターが決意し変わる場面で流れ出す印象的な曲。

予告編などにも使われており、メインテーマ曲のようだ。

オルタナティブっぽく、これが叙事的でたまらなくカッコイイ。

すぐにダウンロード購入してしまった

 

 

 


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