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ヒガンバナ

2012-10-12 00:53:29 | フラワー・園芸

初秋に田畑のあぜ道や土手沿いを真っ赤に彩る花、ヒガンバナ(Lycoris radiata

9月中旬の秋のお彼岸の前後に一斉に咲き誇って見頃になるため、

この名前(彼岸花)が付いた。

 

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ヒガンバナ

福岡県川崎町にて

 

ヒガンバナ科(旧分類ではユリ科)の多年草。

反り返った花びらを外側に付け、放射状に花を咲かせる。

花から大きく突き出た雄しべも、きれいに弧を描いて反り返る。

この独特の形状から、地方によっては、“キツネバナ”や、“カミソリバナ”などとも呼ばれる。

 

田畑のあぜ道に群生していることが多いのは、

ずっと昔に、害獣が田畑に入るのを防ぐのに植えられたという説がある。

というのも、このヒガンバナ、花から茎、球根に至るまで有毒で、

小動物はおろかヒトであっても、食べるとたちまち中毒を起こしてしまう。

この毒性を利用して、地中を掘り進むモグラや、

穴を掘って田畑に侵入するイノシシなどを防いだといわれている。

だが実際には、ほとんど効果はないらしい・・・。

 

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ヒガンバナ

川崎町にて

 

日本全国の田畑の周りを中心に、雑木林や墓地などに自生しているが、

中国から持ち込まれて帰化したものであり、日本に本来自生している種ではない。

また、前に記事に書いた、シャガと同様、“三倍体”といって、

日本に生えているヒガンバナは、全て同一個体であり種を結ばない。

 

ヒガンバナの毒性の成分(アルカロイド)はまた、薬効もある。

球根には、リコリン,セキサニンという毒成分が含まれるが、

その球根は石蒜(せきさん)と呼ばれ、古くから漢方で用いられている。

ゼネル薬品の看板商品、咳止め“リココデ”は、この成分を含んでいる。

 

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ヒガンバナ(クリームイエロー)

川崎町にて

 

通常は赤色だが、白やピンク、クリームイエローも見られる。

さらに園芸品種には、鮮やかな黄色もある。

切り花でおなじみの、ネリネや、グロリオサも、このヒガンバナの仲間。

どれも、独特な花姿をしていて面白い。 

 

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ヒガンバナ(黄色)

須恵町にて

 

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ネリネ

 

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グロリオサ(中央の赤い花)

 

 

もう福岡ではほとんど花が終わってしまい、

無惨にしおれた花が落ちて、茎だけが残っている状態。

9月の下旬頃が見頃で、自分の住んでいる川崎町の山村地域、安宅地区では、

本当に彼岸のさなかに、ヒガンバナのイベントがある。

“あたか棚田彼岸花まつり”

 

数年前から始まったこのイベント、

棚田の畦にいっせいに咲くヒガンバナを見てもらおうと、

地域住民が企画して、ウォーキングや模擬店、農家の方の野菜などの販売が行われる。

まあ田舎のささやかなイベントなのだが、これがわりと盛況らしく、

シャトルバスも満員、付近の駐車場は満杯の状態。

 

自分も一度行ってみたいと思っているのだが、今年もまた当日は仕事で行けない。

まあイベントはいいや・・・棚田に群生するヒガンバナだけでも拝もうと、

直近の休みだった、イベントの二日前に、その安宅地区へと出かけてみた。

 

同じ町内とは思えないほど遠かった・・・。

車で20分以上・・・どんどんと山奥に入っていき、しまいには車の離合も厳しくなる。

だが、きちんと看板が誘導してくれて、迷わずそこにたどり着くことができた。

町のあちこちに、きちんとした名所の看板が立ったのは、前町長のおかげだろう。

 

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自分の住んでいる町に、こんなのどかな場所があっただなんて。

 

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ちゃんと咲いていたら、あぜ道が真っ赤に染まる。

 

この里山の光景、なんてのどかなのだろう。

30年以上(10年ほど広島に居たが)住んでおきながら、

我が町にこんな場所があるなんて、全然知らなかった。

それにしても、もう添田町に近い。

中学校のとき、この辺りから通っていた友達も居たんだよなあ。

自転車通学だったけれど、大変だったろう・・・。

 

棚田を登って、いきなり目に入ったものにギョッとする。

「うわっ、ばあさんが倒れちょる!?」

 

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靴とかリアル過ぎんだろ! 

 

・・・かかしだった。

設置前で、寝かされていたかかし。

地域の人がイベントのために、色んなかかしを作成しており、それを棚田に並べる。

ボランティアの人達が、一体一体、せっせと設置していた。

 

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見物客も何人か居て、カメラを手に棚田を歩いていた。

ただ・・・残念なことに、肝心のヒガンバナが、まだまだ全然 咲いていなかった・・・。

これが満開になって咲き誇っていれば、

棚田の縁が真っ赤に染まり、上から見下ろしても、

下から見上げても、とても鮮やかで美しい光景を見ることができたはず。

この二日後がイベントだが、花、間に合うのか?  と心配したが、

イベント当日にここへ行った、お母んと妹曰く、満開だったとのこと。

それはよかった。

 

来年はヒガンバナが満開で、棚田が真っ赤に染まった状態を見に行きたい。

 

 

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まだほとんどが つぼみだった。 

 

 

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YouTube: オゾンのダンス

オゾンのダンス/たま

たまの2nd.シングル。

デビュー曲の“さよなら人類”に続き、相変わらず意味不明な歌詞の曲。

その歌詞中に、ヒガンバナの別名、曼珠沙華(まんじゅしゃか/まんじゅしゃげ)が登場する。

歌詞はアレだが、曲はカントリー調でノリがよくすごくいい。

 

 

  

 



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こちらではお久しぶりです。 (まりあーの)
2012-10-28 14:40:58
こちらではお久しぶりです。

彼岸花、いいですねえ。
関東では、埼玉県日高市の『巾着田』という場所にある彼岸花が有名です。

http://www.kinchakuda.com/
↑こちらが公式ホームページです。

ここは、秋になるとヒガンバナとコスモスが、春は春で、桜と菜の花が一斉に咲き乱れるのが非常に美しい場所です。
隣にある日和田山(低山)の頂上からは、その花のようすや、地名の由来になっている巾着のような地形(川に囲まれているので)が確認できます。
それにしても、クリームイエローのヒガンバナは巾着田にも一輪だけあったのを見てきましたが、それ以外の色もぜひカメラに収めたいものです。

花が咲く頃には葉がなくなる、不思議な植物ですよねぇ。
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まりあーのさん、こんばんは。 ()
2012-10-28 23:32:24
まりあーのさん、こんばんは。
お教えいただいた巾着田のサイト、拝見させていただきました。
開花時期をスライドさせたりと、観光地として工夫を凝らしているのですね。
あとそちらでは“彼岸花”よりも、“曼珠沙華”と呼ぶ方が一般的みたいですね。
 
クリームイエローや白は固まってるとこをたまに見かけます。
黄色やピンクは完全な園芸品種なので、田畑でなく民家の庭で見られると思います。
 
政府の減反制度により、コメが作れなくなった休耕田に、
コスモスや菜の花,ヒマワリ,ソバ,レンゲソウなどを植えるのが広まっています。
これらの花を植えれば、農家に補助金が出るんですね。
花を楽しませてもらえるのですが、こういう事情を知ると、「なんだかな~」って思ってしまいます。
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