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金メダル男

2016-11-16 01:33:54 | 映画

先日の休みに映画を観に行った。

知念侑李内村光良主演のコメディ、"金メダル男"だ。

お笑いタレント、ウッチャンナンチャンの内村光良が、原作,脚本,監督、そして主演をつとめた話題作。

原作は小説、"東京オリンピック生まれの男"。

その小説も、元は内村光良の一人舞台の演目が原作となる。

主人公の若い頃を、Hey!Sey!JUMPの知念侑李が演じ、

中年になった姿を、内村光良が演じる。

キャッチコピーは、"ザセツの数は、一等賞!"

 

 

ビートたけし(北野武)に始まり、松本人志,板尾創路,品川祐,劇団ひとり,etc・・・。

今やお笑い芸人が映画を作るのは珍しくない時代だけど、

ウッチャンはそれらお笑い芸人たちと一緒くたにしてはいけない。

元々、映画監督になりたくて、その専門学校へと進んだ。

そこで相方となる、南原清隆と出会い、お笑いの道へと進んだのだが、

ウッチャンのなかでは映画への情熱が消えているわけではなく、

コントのキャラクターなどでも、映画に触発されたキャラクターが多く見られた。

 

そんな彼が念願叶って映画監督デビューしたのが10年前。

主要キャスティングがお笑い芸人ばかりだったのでスルー。

二作目はきちんと俳優さんを起用していたけれど、

ストーリーがお笑い芸人のサクセスストーリーだったので、やっぱりスルー。

そして、今回、三作目となる、"金メダル男"。

今回も、当初スルー予定だったのだが、予告編を観ると、これが凄く面白そう。

「お笑い芸人の作った映画だから・・・」そういった先入観でこれまで避けていたけれど、

ウッチャンに関しては、映画の専門学校へと行って、そのノウハウをしっかりと学んでいる。

他の芸人の作品と一緒くたにしないで観てみよう!

そう思い、鑑賞することに決めた。

 

 

 

長野県塩尻市。

ここで暮らす平凡な少年だった、秋田泉一(大西利空)。

運動会の かけっこで一等賞を獲って紙製の金メダルをもらう。

人生初の金メダルをゲットし、天にも昇る心地よさを味わった泉一。

それからというもの、あらゆることで一等賞を獲ることに没頭する。

絵画コンクール,書道コンクール,図画工作などで金賞大賞と次々と受賞。

さらには、火起こし大会,鱒のつかみどり大会,大声コンテストなど、

地域のイベントでも次々と優勝を重ね金メダルの数を増やしていく。

 

中学生になった泉一(知念侑李)。

"塩尻の金メダル男"と異名を持つ泉一の噂は広まっていて、

入学してすぐ、様々な部から勧誘を受ける。

泉一が選んだのは水泳部。

息継ぎなしで50mを泳ぎきるという"無呼吸泳法”で他の部員を圧倒し、

一年生ながら大会の選抜候補に選ばれる。

だが、選抜を決めるレースで隣のレーンの女子部員の水着姿に興奮した泉一は、

無呼吸泳法を崩してしまったうえに、大量に水を飲んで溺れてしまう。

こうして選抜から落ちてしまい、人生初の挫折を味わう。

 

剣道部へと移籍。

小手だけを執拗に狙って一本を獲るという戦法で地区大会に出場。

だが、対戦相手の美少女にまたもや興奮してしまい敗退。

女子に近づかないことを誓った泉一。

この後も、陸上部,テニス部,卓球部など転々とするも、まったく振るわず。

けっきょく中学三年間で一度も一等賞を獲ることはできず、

"金メダル男”は過去の栄光となってしまった。

 

高校へ進学した泉一は心機一転。

学力でトップを獲ろうと、一心不乱に勉強に勤しむ。

だが、最初の学力テストの結果は・・・105位。

その後も、順位はどんどん低下していくばかり。

低迷する泉一、家で寝そべって観ていたテレビ。

歌番組でアイドル歌手が歌っていた曲、"私のサンクチュアリ"が心に突き刺さる。

 

 

"私のサンクチュアリ"に触発され、自分にしかできないことをはじめる。

自分ひとりで、"表現部"を立ち上げ、中庭(サンクチュアリ=聖域)に部室を作り、

そこで様々な"表現”パフォーマンスを行う。

書道,絵画,俳句,創作ダンス,etc・・・。

周囲から白い目で見られるが、構わず自分の世界に浸る泉一。

その年の文化祭、"坂本竜馬の一生”と題したパフォーマンスで喝采を浴びる。

たちまち人気になった表現部。

多数の下級生が入部してきて、大所帯となったが、

三年になった泉一は部活を追い出されてしまう。

 

 

「東京で一番になる!」

そう思い立ち、高校を卒業して上京。

寿司店でアルバイトをしながら劇団へ入団。

その劇団で看板俳優になるものの、ある日突然、劇団は解散。

路頭に迷った泉一(内村光良)。

30代になってから「世界で一番になる!」と、

自転車で世界一周へと旅立つが、途中で自転車が盗難に遭い断念。

手漕ぎボートで太平洋横断へと旅立つが、途中で嵐に遭い遭難。

奇跡的に救出され、八ヶ月もの間、無人島で生活して生還したとして一躍有名人となる。

テレビに引っ張りだこで、講演会や営業の仕事が舞い込み忙しい日々が始まるのだが、

泉一の人生は、まだまだいばらの道が続くのだった・・・。

また栄光の金メダルを手にすることはできるのか?

 

 

 

期待はずれとまではいかないけれど、イマイチだった。

ひとつひとつのエピソードは面白いんだけど、全体のストーリーとしてはイマイチ。

中学~20代までの、知念侑李パートはけっこう面白い。

青春期の女子がらみの失敗は共感できるものがあるので楽しめる。

表現部のくだりは凄く面白いし、この映画の見どころかもしれない。

坂本竜馬の一生は、知念くんの身体能力の見せ場。

 

その知念くん、童顔で小柄なため、

中学生~20代までを演じていたが、何の違和感もなかった。

しかもウッチャン特有の顔芸をしっかりとマスターしていて、

秋田泉一、いや内村光良の若かりし頃を完璧に演じていた。

これはいいキャスティングだった。

 

一方で、泉一の両親を演じていた平泉成宮崎美子

いや、若い頃はちゃんと若い俳優さんを使いましょうよ。

この二人に20代の新婚夫婦を演じさせるなんて無理があるわ・・・。

終盤のお二人の実年齢も越えた、高齢になったシーンでは見事な演技を披露してくれたけど。

腰を曲げて手押し車を押す宮崎さんの姿が、すごく上手くて・・・。

かつてTシャツとジーパンを脱いで、ムチムチのビキニ姿を披露していた女優さんが・・・。

 

 

終盤に登場する、木村多江

ネタバレすると、泉一の妻となる女性役。

泉一の金メダル獲りに献身的に協力するのだが、

そこで滑稽な社交ダンスや夫婦漫才などを披露してくれる。

居酒屋で泥酔して管を巻く姿も必見。

実はコメディ初挑戦らしく、体当たりでの演技だったそう。

艶めかしい雰囲気の女優さんだけど、

この映画では可愛い姿が多数見られるので、ファンは必見。

 

 

多数登場する個性的なキャラクターにも注目したい。

ほんのワンシーンしかないのに、人気俳優が起用されている。

教師役で登場した、大泉洋長澤まさみ田中直樹のシーンは笑える。

校長先生役で一瞬だけ登場の竹中直人は、矢口史靖監督の映画でもお約束。

"私のサンクチュアリ"を歌うアイドル歌手を演じていた清野菜名ちゃんが気に入った。

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬで、鬼の邪子を演じていた子。

邪子とは180°異なる役柄に惚れた。

泉一を怪しい店に連れ込む謎の女性を演じていた山崎紘菜ちゃんも。

どっかで見た女優さんだよな~と思っていたら、

TOHOシネマズの幕間でナビゲーターやってる子だ!

こんな子に声かけられたら騙されて付いて行ってしまうわな。

 

 

ロリコンどもは上白石萌歌ちゃんのスク水姿と、大友花恋ちゃんの少女剣士姿に興奮するはず。

そうそう、エンドロールで上白石萌歌という名前が出て、

「どこで出てたっけ?」と思ったんだけど、上白石萌音ちゃんと見間違えていて、

この映画に出ていた萌歌ちゃんは萌音ちゃんの妹らしい。

それから、泉一の初めての友達役で出ていた、ささの友間くん。

メガネで映画オタクで暗そうなイメージなのに、バスケ少年という役。

後から知ったが、笹野高史さんの息子さんだった!

大人になって再会したときの姿を演じていたのは温水洋一さん。

どうせなら笹野さんでやればよかったんじゃ・・・と思ったが、笹野さんだとジイさん過ぎるか。

 

 

まあイマイチと言っときながら、そこそこ楽しめた映画。

この記事書いていたら、また観たくなってしまった。

ここ最近、次々と新しい映画が公開されていて、

客入りの悪い映画はどんどん上映回数を減らされている。

この金メダル男も公開から半月以上経ち、がくっと上映回数が落ちている。

興味ある方は上映終了になってしまう前に、早めに観に行くべし。

 

 



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