よろず戯言

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リアル・スティール

2011-12-15 22:44:57 | 映画

先日の休みに、ヒュー・ジャックマン主演のディズニー映画、

リアル・スティール”を観てきた。

 

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洋画を観るのは、今年3月に観た、

レイチェル・マクアダムス主演の、“恋とニュースのつくり方”以来。

あらためて自分は本当に洋画を観ないなあ。

 

けっこう前から、予告編が流れていた。

「この冬、感動が止まらない!」

「この冬、父子の絆が奇跡を起こす!」

えらく大仰なキャッチフレーズと、

著名人らが「泣けます!」だの「感動します!」だの、

試写会の客が涙ぐんでコメントするテレビCM。

まさに“全米が泣いた!!”みたいなありきたりで大仰な宣伝。

 

だが、それらに惹かれたワケでなく、純粋に面白そうだと思った。

トランスフォーマー”を代表に、これまでもロボットものの映画はいくつかあったが、

CG技術を駆使した、良くも悪くも全開なハリウッド臭が自分を敬遠させてきた。

この“リアル・スティール”からは、それが漂ってこなかった。

なんとなく現実味を帯びた、文字通り“リアル”さを感じられ、

ロボットではなく、ヒトが主人公だったところもマル。

 

02

 

舞台は西暦2020年、そんな遠くない近未来のアメリカ。

元ボクサーだった、チャーリー(ヒュー・ジャックマン)は、

ロボット・ボクシングのトレーナーとして、

あちこちのイベントを転々としながらギャラを稼ぎ、細々と生活をしていた。

 

この時代、ボクシングをやるのは生身の人間ではなく、高性能のロボットになっていた。

人々がより激しくエキサイトなショーを求めていった結果、

ふつうのボクシングは廃れ、日本で始まったロボット同士の激しいボクシングが、

アメリカのみならず、世界中で最高の娯楽になっていた。

 

04 

 

ある日、田舎街のイベントで猛牛相手のショーで破れ、

手持ちのロボットを大破して失ってしまう。

同時にそのファイトマネーを上乗せした賭けにも破れ、

借金を踏み倒して、イベント会場から逃げる。

 

自分の元居たボクシングジムに居候し、そこの家賃も滞納を重ね、

さらには支払うアテもないのに、新しいロボットを購入してしまう。

借金まみれの、どん底でロクでもない生活を続けるチャーリーのもとへ、

さらに追い打ちをかける出来事が起こる。

 

10年前に別れた妻が急死し、

11歳になるひとり息子、マックス(ダコタ・ゴヨ)の親権問題が発生する。

今さら子どもの面倒なんて、まっぴらごめんだと考えていたチャーリー。

幸い義理の姉がマックスを引き取る申し出をしてくれたが、

彼女の夫が資産家だというのに目を付けて、親権を譲る代わりに大金を要求する。

 

07

 

ただし、その“親権売却”は、資産家の義理の兄との内密な取引。

義理の姉に悟られぬよう、夫妻がイタリア旅行に行く2ヶ月間だけ、

マックスの面倒をみるということになる。

 

そんな腐りきったチャーリーの思惑を見透かしていたマックス。

到底うち解けることもなく衝突する。

大金をはたいて購入した新しいロボットも、いきなり大破して失ってしまう。

マックスの“親権代金”を、そのロボット購入資金に充てていたため、

また文無しになったチャーリー。

古いロボットのパーツを盗むため、スクラップ置き場へ侵入する。

そこてマックスが見つけた、捨てられ土中に埋もれていた、

一台の旧式ロボット(アトム)が彼らの運命を変える。

 

06

 

マックスの得意なコンピューターゲームと、

大好きなボクシング・ロボットのプログラムの知識、

元ボクサーだった、チャーリーのボクシングの技術、

そして父子のよく似た、強情な性格と、

なによりも強い相手にも果敢に立ち向かおうとする不屈の精神。

 

人生を諦めていた元ボクサーの父親。

最愛の母を亡くし、父親にも見放されようとしていた少年。

スクラップ場に捨てられていたアトム。

世間から見放された存在の3人(2人と1体?)に、いつしか強い絆が生まれ、奇跡を起こす。

 

01

 

すごく面白かった。

ヒューマンドラマとして、ロボットアクションとして、きちんと両立できている。

テーマが絞れていて、ストーリーが解りやすくていい。

子どもが観ても、じゅうぶん楽しめる内容。

 

ロボットアクションは、それがメインでないことを裏付ける。

戦いにマシンガンとかミサイルとかレーザー砲とか、そんな銃器は使わず、

だからといって、ソードやハンマー、ノコギリなど、刃物を使うわけでもない。

拳と拳、ちゃんと人と同じボクシングをやっている。

変形も合体も飛行もハデな爆発もない。

 

難をあげるならば、“日本”をイメージしたディテールがすこぶる悪い。

ロボット・ボクシングは日本が発祥という設定になっている。

で、そのロボット技術者のなかで、カリスマ的存在、タク・マシドという登場人物が居て、

ロボット・ボクシング界の絶対王者として、チャーリー達の前に立ちはだかるのだが、

まず俳優がどうみても、日本人でない(韓国系らしい)。

名前がおかしい。

 

タクが過去に作った名機で、“ノイジー・ボーイ”という機体が登場する。

戦国時代の武将よろしく、頭は兜をモチーフにしなようなデザイン。

胸にデカデカと、“超悪男子”とマーキングされている・・・。

そんな日本語使うヤツいねえよ!

パンツェッタ・ジローラモかよ!

  

ふつうなら“極悪少年”とか、そんなだろう?

“男子”とか、どうみても中国人に訳させただろう。

で、そんなのボディにデカデカとマーキングしない。

胸の片隅や肩に、“殺”とか“悪”とか“戦”とか、一文字二文字だ!

百式やバウを見習え!

さらには腕に“贖罪”とか、“苦痛”とかいう単語が電光掲示される。

意味解んねえ!!

  

マックスがラストの試合で来ているTシャツ、

でっかくカタカナで“ロボット”と・・・・。

  

舞妓さんが歌舞伎を舞っていた、“SAYURI”や、

日本人の花嫁衣装が、文金高島田ではなく、

チマチョゴリ(っぽい何か)だった、“幸せになるための27のドレス”、

アメリカ製の映画には、過去にも日本を誤解する描写が多々あり、

日本で公開するのなら、きちんと日本人スタッフを入れて、

こういうディテールはもっとしっかりして欲しいところ。

 

あと、大仰なキャッチフレーズは、やっぱり大仰だった。

感動しないこともないけれど、そこまでは・・・。

  

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前売特典でもらった、クマみたいなよく解らない人形。

いらないな・・・。

 



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