武産通信

東山三十六峰 月を賞で 雪を楽しみ 花に酔う

時事俳句

2011年08月14日 | Weblog
                   戦争が廊下の奥に立つてゐた     渡辺白泉

                   いつせいに柱の燃ゆる都かな     三橋敏雄

                   広島や卵食う時口ひらく     西東三鬼

 昭和18年、大陸戦線での合気道門人のあまりの「殺傷技術の高さ」に感動した陸軍幹部が合気道の植芝盛平開祖のもとを訪れた。
 剣道、柔道を廃し、今後軍事教練では合気道を必修にする計画への協力を申し出たのである。
 開祖(植芝盛平)は激怒して、「それは日本人全員を鬼にするということである」と一喝して、そのまま東京を去って、岩間に隠遁してしまわれた。
 この開祖の怒りに共感できた人が当時の日本の武徳会関係者のうちにどれほどいただろうか。 (中略)
 学校体育における武道はどうあるべきかについて明治維新以降もっとも真剣に考えたのは、私の知る限りでは、講道館柔道の開祖である嘉納治五郎先生である。
 嘉納先生が大正末年から昭和のはじめにかけて書かれた「学校体育における武道の堕落」を慨嘆する胸痛む文を読んだことのある人は中教審(中央教育審議会)の中に果たして一人でもいるのであろうか。 (内田樹「武道の必修化は必要なのか?」)
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