JTDの小窓

川崎市幸区下平間の鍼灸・手技療法『潤天堂』院長のあれこれなつぶやき

思い出した時に行う「リポジショニング」

2013-05-28 | 臨床・治療
肩こりや腰痛が主訴で来院され、治療で寛解しても、ある程度の期間を経てまた同じような症状が現れてきてしまうことがあります。その都度治療してもよいのですが、あることに気をつけることで再発を防げたり、出にくくすることができます。だいたいからだに起こる不調の原因は、日常の生活の中に隠されていることが多くあります。広い範囲で言えば「食事・睡眠・ストレスを溜めすぎない」なども大事なことですが、ここでは「気がついたときに姿勢を正す」ことをおすすめします。以前から「ぱなし」の姿勢はよくないと言われていました。「立ちっぱなしの仕事」や「座りっぱなしの仕事」に従事している人は特に腰を痛めやすかったり肩が凝ったりすることが多かったのですが、最近では特に携帯電話やスマートフォンの操作、長時間のパソコン作業などで背中を丸めた猫背の姿勢の方が大変多く見受けられるようになりました。ひどい場合、通常はカーブを描いているはずの頚椎がまっすぐになってしまい、重い頭を支える首への負担が増大して肩こり、頭痛、めまいなど不定愁訴を誘発していることもあります。ずっと良い姿勢を保っていることは不可能ですし、それもまたあまり良いことではありません。ときおりハッと気づいたときに姿勢を正す、これを日常の動作の中に入れるだけで症状の出方が変わってくると思います。

座り仕事が多い人は、とにかく(1)椅子には深く座り、(2)背中から腰を「ぐいっ」と前に入れ(おへそを前に出すイメージ)、(3)肩甲骨を引き寄せるようにして胸を張り、(4)アゴをひく 

この動作を「ハッ!」と思い出す度におこなってみてください。

立ち仕事が多い人も、思い出した時に「胸を張ってアゴを引く」をおこなってください。胸を張ってアゴをひくと、腰も骨盤も自然と良い角度ではおさまってきます(※ただし、場合によっては腰を反らす姿勢をとると足に痛みやシビレを伴う方がいらっしゃいます。そのような場合はこのポジショニングは行わず、まず医師の診察を受けるようにしてください)。また、立ち仕事の中でも「あまり場所を移動せず、同位置で作業する」ような方の場合は(1)体重を片方だけにかけ続けない(→できるだけ左右均等に体重を移しかえる)(3)爪先立ちや踵立ちをときどき行い、ふくらはぎやすねの筋肉を刺激する。それだけでも足の筋肉の疲労度は変わってきますし、末梢からの血流改善につながりむくみの予防にもなります。

以前は「コリを起こしやすい方の根本的な治療は、凝りにくくなるように筋肉の質をよくしたり、代謝を良くして血流のよいからだづくりをしていかないと治らないのではないか」と思っていましたが(※もちろんそのような方もいらっしゃいますが)、「ときおり姿勢を正す」ことだけで症状を出にくくできることがわかってきました。ぜひ毎日の生活の中に取り入れてみてください。







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