JTDの小窓

川崎市幸区下平間の鍼灸・手技療法『潤天堂』院長のあれこれなつぶやき

当院で行う 『+(ぷらす)整体』

2013-05-01 | 臨床・治療
「整体」というと、「鍼」「灸」や「あんまマッサージ指圧」を業とする先生方からすると、あまり受け入れられないネーミングかもしれません。鍼や灸、あんまマッサージ指圧は国家資格であるのに対し、整体やカイロプラクテイックは国家資格ではなく、団体の独自資格(認定資格)であるという理由があるからです。

私は鍼灸とマッサージの免許をとって数年臨床経験を積んでいるとき、もっと脊柱(頚椎・胸椎・腰椎)のことや環椎後頭関節(後頭骨と第1頚椎で構成される関節)のこと、骨盤(腸骨・仙骨)やそこに連結する仙腸関節などの勉強をしたくて、当時新宿にあった整体やカイロプラクティックを教えてくれる学校にしばらく通っていました。鍼灸の学校で学んだことよりも、さらに詳しく関節の構造や機能のことなどが、実技を通すことでより実践的に学べ、目からウロコで大変面白く勉強になりました。当時思ったことですが、実は最初「みんな解剖学のことや生理学のこととか、基礎医学的なことってちゃんと勉強やってるのかなぁ」と懐疑的な目でみてしまっていました。でも、生徒さんたちは皆真面目でとても勉強熱心でした。「国家資格という安易な自信の上にあぐらをかいて勉強していない鍼灸師がいるとしたら、治療技術面でも経営面でも負けてしまうよ?」と思ったものです。立場上、整体やカイロを両手をあげて推奨するわけではありませんが、「ここから学ぶべきことは多くある」というのが私個人の考えでもあります。

当院で行う「整体」はストレッチを主体としたものです。ポキポキと骨を鳴らすことを目的としたものではありません。「筋肉を緩めるため」にも「関節を調整する」にも、どちらにしても人体各部の関節の構造を把握し、施術に必要な関節をピックアップしていき、そこに付着する筋肉を効率よく柔らかくする手段として「ストレッチ」を入れていきます(基本的には最初に指圧やマッサージを行い、その後にストレッチを加えていきます)。「関節がかたい」といってもその関節をやみくもにグイグイ押したりひっぱったりして柔らかくしようとするのはよくありません。関節には、その関節を動かそうとする筋肉が必ず付着しているので、この筋肉を上手に動かすことによって効率よく関節に影響を与えることができます(例えば仙腸関節のロッキングを緩める際、仙腸関節のみ刺激するよりは股関節のストレッチを入れてあげると、より効果的に仙腸関節に影響を与えられます)。なお、ここで行うストレッチは『ゆっくりと時間をかけて少しずつ伸ばしていくようなストレッチ』を行なっていきます。ストレッチはゆっくりじっくりやったほうが気持ちがいいし、ちゃんと伸びてくれるんです。

ストレッチは「痛み」だけを感じて行うのはよくありません。「痛み」だけを感じてしまうと筋肉は防衛反応で縮こまろうとしてしまいます。そこになおさら「引っ張ろうとする力」をかけてしまうと筋肉を傷めてしまうからです。一番良い感覚は「痛きもちいい」。痛いけど気持ちいいという感覚で行なうのがもっとも効果的です。パーソナルトレーナーの伊藤和磨先生は、ご自分の患者さんに「このストレッチをやってください」とは言わず、「こうすると気持ちいいから試してみて!」と言ってストレッチ法をお勧めされるそうです。なるほど。「家でもストレッチしてください」というと、患者さんは「面倒くさい・・」と思うかもしれませんが、「こうすると気持ちいいよ。だからやってみて」と伝えれば、積極的な気持ちで取り組めるかもしれませんよね。大変いいことをききました。私が今後このように言って勧めたら「伊藤先生の受け売りだな」とご理解ください。


「整体」は指圧マッサージ90分コース・120分コースからで受け付けております。






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