霊界の門 ・見えないものの力

霊界や因縁から、現在の自分をみつめ、「見えないものの力」を味方にしましょう。

「真白き狂人」とルビー、そして蘭奢待   2

2012年05月23日 | 心霊現象
彼がタイ国に渡り、たくさんの「ルビー」を抱えて帰ってきたのは、それから間もなくしてからだった。
布袋に無造作に入れた「ルビー」は、宝石というよりは「赤い石ころ」でしかなかった。
「ほら、あげるよ」といって数個渡されても、ありがたくもなんともない。
まずは、「本物」かどうかが分からないと・・・ねぇ。
そこで、彼が私に聞く。鑑定出来る「人」か「店」を知らないか・・・と。
同じ石でも、これだけの数。そして大きいのは「栗の実」くらいはあった。
それを袋いっぱいに、じゃらじゃらと振ってみせた。
東京、池袋にあった宝石店「美宝堂」の店長がちょっとした私の知り合いだったことで、そこを紹介した。
店長は呼び出された喫茶店で、数の多さに目をむいた。
しかし、「タイ」ということを聞くと、諦め顔になって、こう言った。
「全部とはいいませんが、ニセ物だと覚悟されたほうがいいでしょう」だって。
話によれば、タイ程、まがい物、つまりニセ物をつかまされる所はないそうだ。
騙しやすい民族は「日本人」と、彼らはもう知っているらしい。
威勢のよかった彼は、急に黙り込んでしまった、が、とにかく全部の品を預かってもらい、鑑定に出した。

その中で一番大きな石。親指と人差し指で輪をつくったくらいの大きさの「ルビー」を、彼は
ある人からの紹介で、元宮家の○○家へ持ち込んだ。
相手に鑑定させ、本物ならば、「500万円」と、決めたそうだ。
まさしく「元宮家」にふさわしい、品のいい往年の女性が出てこられたそうな。(私はお会いしていない)
そこでお茶をご馳走になり、話の中で「お香」の品定めが出てきたそうだ。(これを香道というのか?)
そのご婦人は「蘭奢待」を・・・お持ちだった!
あろうことか、その「破戒僧」は、少し分けてもらって、持ち帰ってきた。
それっ!とばかりに、興味ある者が群がったのは、しごく自然のことだ。
めったにないチャンスとは、この事だ。
炊いて香り立つのは、分かっていたが、みなその「香木」に鼻を擦(こす)り付けて、胸いっぱいに
吸い込み、その香りを嗅いだ。
元宮家かぁ・・・、そんな香り、そうだ「高貴」というか「雅(みやび)」というか、とにかく「蘭奢待」
を嗅いだという満足感が、皆に広がった。私もその一人だ。
金襴の布に包まれて、夢にみた「蘭奢待」が仕舞われた。やっと「絵」に描いた「もち」でなくなった。
一度、その鼻で嗅いでみなければ、分かるもんじゃない。
これぞまさしく、「百聞は一見にしかず」だ。その香りは線香とは程遠い、匂い袋でもない、世界の香水
でもない「高貴な夢のような香り」そのものであった。
いにしえの宮中の方々が、その香りの中で、歌をよみ、琵琶や琴を奏で、文字通り「殿上人」として
庶民と分け隔てられた世界で暮らしたのかと偲んでみた。が、香りだけでは分からない。


さて、その結果は、私のところへは届いていない。
彼がタイにて、慰霊祭をやったとか、慰霊塔を建てたとかいう話は、聞こえてこない。
ま、ご本人が使命を感じて、「真白き狂人」になってやっておられるのだろうから、私はいなやをいう資格はない。

最後にご本人が、守護霊に「自分」に何をして欲しいか聞いておられるので、これを書いて終わりにします。
でもね、本当はね、ものの順序からいっても、一番最初に聞く事じゃないんですかねぇ・・・。
「守護霊さん、こんにちは。お会いできて、うれしいです。今日までありがとう。
さて、あなた様から自分に言いたい事をまず、おっしゃってください」・・・とね。
まあ、いいか。(彼はなんたって、破壊坊主だから・失礼)


本人「最後にこの世にあって、守護霊様がわたしに、してもらいたい事、何かありますか?」

守護『してもらいたい事・・・・うーん。
   そこもとが肉体を脱ぐまでの間に、共に余を俗界での名誉、地位ではなく、霊界での名誉、地位を
   与えてくれるような行いの積み重ねを、お願い申したい』

本人「会いたい時は、何かの形で自分に知らせて頂けると、ありがたいと思いますが・・・」

守護『何かのつつきをしるそう。よろしく』


だって・・・。


皆様におかれましても、五感の味わいは、時と場合によってはその身に体験された方がいい時もあり、
ものの話のタネになりますから、長く生きて、たくさんの味わいをその身と、心にお残しになって
くださいませ。
天下人の香りと言われ、天下第一の名香りと謳われた『蘭奢待』。
この世には、このように言葉はあるが、その実態がつかめない物って結構あるんじゃないでしょうかねぇ。


   
   

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