WEB3D「SOLA」によるランドスケープデザイン

WEB3Dによるランドスケープデザインの手法と実践、今後の展開についての情報を発信する

都市緑化ふくおかフェア設計日記 その13

2005年02月28日 | ランドスケープデザイン
緑化フェアでは、園路や広場、建物周りなどの最終化粧としてプランターを利用する場合が多い。今回も多くの場所にプランターを展示している。タイプは大型プランター(1,200×1,200)、小型プランター(500×500)、丸型プランター(Φ600)、ワイヤーバスケット(Φ600)に大きく分類される。難しいのはつる植物であるが、青竹に花をあしらいそれらしく表現されている。プランターに植栽するニューサイランもその特徴をつかんでうまく作られている。これらを設計とほぼ同じように配置していく。

都市緑化ふくおかフェア設計日記 12

2005年02月18日 | ランドスケープデザイン
低木のオブジェをつくる。手前はBaionatics社製の樹木。奥は当社のアイザワ君が作ったオリジナル。他にも数種類あるのだが、お気に入りはこの10種類程度である。中央の黄緑色のものはガマであるが、小さくするとキチジョウソウやシャガにも見える。小さくして沈めるとリュウノヒゲにも見える。これらを大きくしたり、縮めたり、沈めたり、傾けたりして植えていく。組み合わせによっては、今までCGでは無理と思っていたナチュラルなビオトープ空間も、かなりリアルに表現できる。フェアでは会場の中心となる池周りに用いて、ナチュラルなお花畑の景観を作り出している。

都市緑化ふくおかフェア設計日記 その11

2005年02月16日 | ランドスケープデザイン
花の「オブジェ」を作るには花の配植の基本を知る必要がある。花の配植の基本は2つある。「配色」と「植物の形の組み合わせ」である。「配色」はシュブルールの類似色と対比色の調和による。簡単に言うと類似の色を組み合わせれば概ね調和する。又対比の色をアクセントとして用いると全体として調和し、本来の色が引き立つ。と言う理屈である。写真左側は黄と紫の対比の調和である。ニュートラルな白を入れることで全体がさらに落ち着いた感じとなる。右は赤、橙の類似の調和である。アクセントとして赤の対比の緑を入れることによって赤がさらに引き立つ。「植物の形の組み合わせ」は面と線の構成で変化を付けることにある。花の面に対してグラスの緑の線が重要である。特にこの基本を教えたわけではないが、写真を見せるときちんとつくってくれた。クリエーターのセンスか。いずれにしろ、この基本にあった細かなつくりが、3DCGのリアリティーな空間を生む。

都市緑化ふくおかフェア設計日記 その10 

2005年02月15日 | ランドスケープデザイン
花のオブジェを作ってもらう。このフェアでは1,000種150万株の植物が入ることになっている。花と緑のフェアだけに、それだけの花をどう表現するかが一番の課題であった。しかもリアルタイム3DCGはそれぞれの「オブジェ」を軽くつくらないとスムーズに動かなくなる。美しく、華やかに、しかも多量の配置に耐えるようにポリゴンを少なくつくらなければならない。その要求に答えたのがこれらの花である。これらを1m×2m、3m×3m、3m×9m等の大きさや、高さ、花の色等で約30種類ものバリェーションをつくり、20hの会場をうめていった。

都市緑化ふくおかフェア設計日記 その9

2005年02月14日 | ランドスケープデザイン
大きな構造物を配置したあとは、樹木や花を植えていく。ランドスケープに携わるものにとって空間作りの最後のプロセスであり最も楽しい作業である。植栽のこつは、3DCGも現場と同じで「リズムとバランス」「適度な間のとり方」である。全体のリズムを考え、高低、重軽のバランスを保ち、適度な間を確保しつつ植えていく。言うのは簡単であるがこれが意外と難しい。現場と同じで、3DCGと言えども植栽技術がないとなかなか絵にならない。それほどリアルな3DCGと言うことかもしれない。このあたりはSOLAblogでも紹介されている通りである。今回の業務では約10,000本の樹木や草花(群)を植栽したが、すべて手作業である。その意味では手づくりの3DCGだと思う。余談ですが、造園設計・工事に携わる会社のトップの皆さん、社員の植栽技術向上のために「SOLA」を使いませんか。要望によっては。「植栽技術教育コンテンツ」をつくりますよ

ちょっと一服 茶の心

2005年02月12日 | 茶のこころ
茶の基本は「おもてなし」と「自然に従う」心です。人のつくった道具で粋を尽くして人をもてなす。まさに人間がつくりあげた総合芸術です。一方、茶の根底には禅の心が流れており、人と自然は一体であるとして、自然に従うしつらえや動作が基本となっています。これらの人と自然のあり方や関係に引かれてお茶をやっています。私の最も好きな言葉は茶花を生けるときの基本となっている「花は野にあるように」です。これは私自身のランドスケープデザインの基本でもあります。写真は表千家家元を見学した際のものです。
「日本庭園」を設計するときの参考にさせていただきました。

都市緑化ふくおかフェア設計日記 その8

2005年02月12日 | ランドスケープデザイン
「オブジェ」をおいてメインゲートから眺めてみる。正面の市営住宅はまだ見えるものの、テントによってかなり目立たなくなっている。大小のテント、水辺の休憩所もリズミカルに配置されている。しかし小テントはもう少し右側がよいか。などと眺めては動かし配置を楽しむ。少しずつ樹木も植えて空間の精度を高めていく。今までは、トレペに立面やスケッチを書きながらシミュレーションしてきた。頭の中に描いた空間を正確にスケッチに書くのは熟練を要するが、設計の過程のなかでもっとも楽しいひと時である。しかし、今は「SOLA」による3DCGのおかげで、だれもが簡単に楽しむことができる。時代の流れであろう。CADを使うのが当たり前になったように、数年先はこれが普通になるのだろう。と思いながら私は両方で設計を楽しんでいる。

都市緑化ふくおかフェア設計日記 その7

2005年02月12日 | ランドスケープデザイン
建物等の「オブジェ」を当初につくっておいたベースに配置する。このとき、当初スケッチしたデザイン以外にも単純な四角柱や円柱などの図形も用意しておくとシミュレーションがしやすい。いろいろな形状、規模でおいてみることによってこの場所にふさわしい空間デザインを導き出すことが可能となる。また、「SOLA」で作成した。3DCGのオブジェはヴァーチャル空間で自由に大きさを変化できる。又四角柱や円柱を合体させて簡単なデザインの建築物をつくることも可能である。

都市緑化ふくおかフェア設計日記 その6

2005年02月09日 | ランドスケープデザイン
3DCG等の準備も整い、いよいよ会場の設計に取り掛かる。前段の基本計画を踏まえて、プロジェクトチームのディスカッションで基本的なスキームが決まっていく。まずはペーパーでのゾーニング、施設のラフスケッチ等を重ねて全体のラフイメージがつくられていく。ここからが「SOLA」の本領発揮である。まずはラフスケッチを基に建物や主要施設をつくっていく。これが我々の言う「オブジェ」と言うものである。設計段階によってつくり方の精度も変わってくるが、今回はもっとも簡単なレベルからスタートした。このオブジェを「SOLA」の3D空間に取り込むことで、配置、移動、形状変更が可能になる。配置してはいろいろな角度から眺める。形状を変える。動かす。そして又眺める。これらを繰り返して施設の配置計画とデザイン検討を同時に行う。これだけでも今までにない画期的なことだと思う。しかも、オブジェをつくるのは3Dソフトのモデリング技術が必要であるが、「SOLA」の操作はだれでもできる。今まで困難であった3DCGシミュレーションがだれでもできるのである。これがすごいところだ。

都市緑化ふくおかフェア設計日記 その5

2005年02月09日 | ランドスケープデザイン
「SOLA」でつくった3DCGと現場とを比較してみる。写真ではほとんど変わらないことがわかる。(その4との比較)
しかし、実際の感覚は微妙に異なる。写真と同じで少し距離感が違っていて、実際の現場に立つと背景はもっと近く感じる。画角の問題ではないそうで、どうしようもないらしい。しかし、感覚としてそれがわかっていれば問題ないか。