竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

土手に横一線の径ことばの野   兜太

2018-07-11 | 金子兜太鑑賞
土手に横一線の径ことばの野   兜太



昭和47年、「暗緑地誌」より

「土手に横一線の径」が「ことばの野」だ、
という作りになっているのではないか。
寅さんの映画にもよく荒川の土手が出てくる。
川は平坦で、土手は堤防になっているから少し小高い、
駆け上がると、一本の径が遠くまで見渡せる。
その見渡せる一本の径が「ことばの野」だという
以前は私も夫と、
時折多摩川の土手をジョッキングしたが、
川風がとても気持ちが良い。
兜太さんは、俳句に、俳句専念して人生を掛けている作者が、
俳句のもつ魔力というか、
17文字で表現できる世界の広さを思うとき、
「土手に横一線の径」だというのは、
誇示のない率直な感慨ではないだろうか。
そして、その土手に上がった時の爽やかさ
川風の清々しさ、川面のきらめき、
その中にある一本の径の、
ことばの野を耕していきたいという
その清々しさがよく伝わってくるように思います。


参照 http://www.shuu.org/newpage24.htm

コメント    この記事についてブログを書く
« 激論をつくし街ゆきオートバ... | トップ | 紫雲英田に侠客ひとり裏返し... »

コメントを投稿

金子兜太鑑賞」カテゴリの最新記事