燈子の部屋

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親しき仲にも礼儀あり。親しくなければなおのこと

2002-06-17 00:00:02 | 家族
私は、身内などごく親しい人たちからこどもの話が出るのは自然なことだと思うし、
それについては不快と思わないけど、職場などで、

「お子さんはいらっしゃらないんですか?」

などと聞かれることに対しては、正直言ってあまりいい気持ちがしない。
仕事上の付き合いだけの人に、こどもの話に限らず、
家族の話などプライベートなことを雑談の種にしてもらいたくないのだ。

家族の話と切っても切れないのが出自についてだと思う。

まだ互いによく知らないうちは、「どこから通勤しているか」に始まり、
必ずといってよいほど、「出身はどちら?」と続く。
そこまではいいとしても、「いつ頃から今のところに?」と聞かれると、
あぁ、またか、と閉口する。
それに答えると、「家ごとですか?」と続くのが普通だからで、
聞かれないとほっとしさえする。

両親の別居というケースは、世間的にはちっとも珍しいことではないのに、
人は身近にそういう人がいるとは思わないようで、たいがいは驚かれてしまう。
人は、自分が経験した以上のことはなかなか想像しにくいものなのだろう。

私の場合、家族のことについては説明するのが面倒なので、
(おそらく)たいした興味もない(と思われる)のに、
軽い気持ちで尋ねてほしくない、
という思いが強い。

意地悪な言い方をすれば、

「事実をありのままに話してもいいけれど、
 あなたのほうは聴く準備ができているの?」

と聞きたくなる。

そこまで話すこともない、適当に誤魔化せばいいのでは?と思われるかもしれないが、
誤魔化すことを余儀なくされるのもいやなものである。
だから、すぐに同じ質問を相手に返してしまうこともある。

ここで、「日本人は…」などと「日本人論」をぶち上げるつもりはないけれど、
世間話にプライベートな話題を持ってこられることが多すぎるような気がしてならない。
ここ一、二年ごとに繰り返される異動のたびにそう思う。
新しい人たちとの出会いは楽しみなものだけれど、その一方で、
プライベートな話をどう交わそうかと考えざるをえない憂うつさも併せ持っている。

私的な話は十分に親しくなってからにすればいいと思うし、
親しくなってもやはりこちらからは聞かないのが礼儀だろうと思う。


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