燈子の部屋

さまざまなことをシリアスかつコミカルかつエッセイ風に(?)綴る独り言的日記サイトです

無力感

2001-04-22 00:00:02 | 母の病気のこと(完)
その夜、夫はいつものようにネット将棋をしていた。
チャット機能もあるので、夫が打ち込んでいるのだが、
せっかちに打つのでミスタッチが多い。
私は思わず、ゆっくり打ちなよー、と言ってしまった。
夫は途端にうるさがった。
私はそれを聞いてまた急に腹が立つやら泣きたいやら、
気持ちが荒れてきたので、もう寝ると宣言して寝た。

ベッドに入ると、昼間の光景が思い出されてならない。
なぜ母は統合失調症になったのか。
なぜみんな心の病にかかるのか。
なぜ?
きっとそこまで行き着く前になんとかできたのに!

今度の感情はひどかった。
泣けてきて仕方がなかった。
見舞いに行って思い知らされることは、自分がいかに無力かということ。
この手がもし病気を治せるゴッドハンドなら、
私はどこへでもどこまでも出かけて行って病を治したい!
病院で見たたくさんの顔を思い出す。
あぁ、どうしてみんなそんな病気になっちゃったの?
泣けてきて、身体が震える。
ぶるぶると震える。
まるで熱があるみたいに。
哀しくて哀しくて情けなくて情けなくて!
何もできない自分に腹が立って腹が立って!
悔しくて悔しくて!
本当に悔しい!
そうして、脱力した。

夫が様子を見に来た。
まだ泣いていた私。
命の危険まで感じた。
いや、既に両方の鼻が詰まって、口呼吸に移行していたわけで、
それも危うくなっていたりして、泣いている場合じゃないなー、なんて思ったりして。
思い切り泣いて、明日はもう半日は瞼が腫れ上がってどうしようもないなー、
美容院には行けないなー、なんて冷静に考えている自分がいたりして。

結局、その程度なのだ。

今読んでいる本に「ウルトレイディアン・リズム」というのが出てくるのだが、
なんでも「サーカディアン・リズム(日周期)」の24時間(厳密には25時間かな?)
というのとは別に90分~120分というリズムが人間にはあるそうで、
泣くのもそんな時間で一応収まってしまうらしい。
確かにそんな気がする。

窒息する前に泣き止むことができてよかった。


(次を読む)


コメントを投稿