燈子の部屋

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躾の「決まり文句」

2004-09-07 00:00:00 | 日々つれづれ
アジの干物を買い、いざ焼かんと取り出した時、
干物が入っていた竹製のザル(というのか?)を見て、
ふと、こどもの頃に母から言われた言葉を思い出した。

 (ふざけてザルを被ったわたしに)
 「そんなことしてると、背が伸びなくなるよ」

いくらこどもでも「そんな理屈があるもんか」と、てんで信じなかったが、
ザルを被るのはなんとなくやめた。
今思うと、ザルと背丈にどういう関係があるのか、微妙に興味の湧くところだ。
単に「頭=背丈」という連想から生まれた戒めの小言だったのだろうか。
しかし、なぜそんなことをしたのだろう。その頃の自分に聞いてみたい。
もしかすると、何かみっともないことをして笑いを取ろうと考えたのかもしれない。

こんなのもあった。

 (食事中、食卓に肘をついたわたしに)
 「そんなことしてると、裏山のサルが笑うよ」

当時住んでいた家の裏には確かに小さな山があったが、サルはいなかったように思う。
「サルなんかいないよ」と口答えしたかどうかは記憶にない。(たぶん、した)
ただ、母の田舎には大きな山がたくさんあった。(今もある)
きっと、サルばかりでなく、タヌキやキツネもいたに違いない。
そういう環境で親からそう言われたら、こども心に怖かったろうと思う。

このほかにもいろいろと躾にまつわる小言を頂戴したはずだが、
忘れん坊だったわたしが覚えているわけもなく。(今でも忘れっぽい)
列挙したら面白いかなと思って書き始めたのに、もうネタ切れ。
仕方がないので締めちゃおう。

こうした躾の際に親が遣う「決まり文句」あるいは「決め台詞」には、
なんらかの「土地柄」がにじみ出たりするものなのだろうか?
もっとも、口より先に手の出るほうが多いとしたら、「決まり文句」の出る幕はない。

我が子に「みっともないこと」をさせまいとする母は、
もっぱら手よりも口で躾るほうが多かったが、
その「決まり文句」に次のフレーズがなかったことだけは確かだ。

 「そんなことしてると、お父さんに言うよ」

これは、当時すでに父権が失墜していたことの現れと見るべきなのだろうな。
そういえば、わたしは父に叱られた記憶がない。
実の親子なのに希薄な関係で終わってしまったのは、
ちょっと寂しい気がしないでもない。
もっとぶつかり合う親子になりたかったなあ、と今更のように思う。

あ。

その分、母とぶつかり合っているわけか。(いつまでも元気でいてくれ)

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