「Inner Views」

音楽家として逝こうと思う。

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リペア編

2005-01-06 | Electric Guitar
 昨日の夕方、ニューヨークのスタジオ・ミュージシャン所有のマルキオーネが送られてきました。彼は、ブロードウェイや映画音楽関係の仕事を専門にしているかなり忙しい方で、最近、七ヶ月にも及ぶブロードウェイの仕事が入ったのを期に、このギターをニューヨークにいるリペアマン兼製作者の方へセットアップを依頼したそう。

 このギターを一目見るなり、スティーヴンがキレました。弦高・ピックアップの高さがめちゃくちゃで、ピッチが悪く、全く使えないギターになってました。所有者のデイビットは、どうしてもこのギターを仕事で使いたいらしく、何とかしてくれ、との事。

 リペアをされた方は、ブリッジを取り替えたらしく、その取り付けの際、トレモロ・ブリッジがピックガードに当たっているのを見落としたようで、それが原因で見事にヒビが入ってます。

一弦Eの駒からピックアップにかけてと、ヴォリューム・ノブの下、ネジの部分にヒビ。

 フレット処理もしてある様ですが、スティーヴン、それを見た瞬間に却下。打ち変える事になりました。

ハンダこてを使い、フレット摘出中。


 その後、ネックを外しました。独立してから十一本目のマルキオーネ。

「いやぁ、懐かしいね。」と製作者。


 フィンガーボードを真直ぐに整えて、フレットの溝を斬り直します。この時、ハイ・ポジションにいく程、わずかにRが平になる様にするのがマルキオーネ流。ナット付近とハイ・ポジションでの弾き心地を揃えます。



 そしてフレットを打ち込みます。前回のフレット編と一緒ですね。



 僕はこの作業中、学校に行く時間になってしまい、泣く泣くスタジオを後にしました。その時、スティーヴンと二人で今後についての話をしました。その内容は次回、アップします。

 
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4 Comments

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驚異のセッティング (Hiro Yamanaka)
2005-01-06 22:18:39
使い込まれた後のある素敵なギターですね。

僕の使用しているMarchioneのストラトは、テキサスで組み上げられたもので、ネックの金属プレートには、Stephenのサインとシリアルそして”Texas"の文字が刻み込まれています。でもネックのジョイント部には”NY"の文字があり、ちょうど2001年から2002年の春に作られたものであることが判ります。

僕自身、弦高やネックの反り、オクターブ・チューニング等のセッティングにはかなり「うるさい」方だと自認しています。だから人にお願いする時もなかなか思った仕上がりにならなくて、困ることが多くありました。Marchione Guitarにであってからその「うるささ」には拍車がかかっています。なぜならそれくらい「驚異のセッティング」状態で送られてくるからです。

製作過程で、Stephenとのメールのやり取りの中で、日本の気候、特に温度・湿度の変化についてなど、楽器に及ぼす要因の変化については、多くの情報を送り、僕自身の演奏サンプルを送るなどの工夫をしました。Stephenはそれらの要素全部に適うようなギターを作ってくれます。また、トラブル・シューティングに際しても的確な対応を指示してくれます。例えば「ネックが具体的にこれくらい反っている」という問いに対して「それなら○分の△だけ、時計回りにトラス・ロッドを締めてくれ」・・・といった具合です。

いかに完璧なMarchione Guitarであっても、チューン・アップ・バランスが崩れていては、今回のストラトの様な状態になってしまいます。残念ながら、僕が知る範囲で日本でStephenと同じようにセッティングができる人を知りません。(僕の知る範囲が狭い物で、もしいらしたらスミマセン)しいて挙げるならば、東京・上馬にあるリペアー・ショップ(有)玉利屋の玉利くん。総輸入元のキラー・ギターズの方を除いて、最も多くのMarchioneに触れている人物であり、「Marchioneの秘密の解明」のために研究を重ねている人物だからです。

このブログの読者の方も、一度ご自分のギターのセッティングについて気を止めてみてはいかがでしょうか?全く違ったギターに変身する場合もありますよ。ね、タカさん!

その前に、本物のMarchione Guitarに一度触れてみましょう!僕の「イタリア系美女三姉妹」は、いつでも試奏可能ですよ!(横浜市ですが)興味のある方は、タカさんに僕のメール・アドレス聞いてね。
そうなんですよ! (Taka)
2005-01-07 15:36:31
いらっしゃい、ヒロさん。



そうなんですよね、セットアップの仕方で別の楽器になりますよね。



ボルトオンタイプのギターの場合は、ネックをボディーに取り付けるネジを締める順番によっても音が変わりますよね。



今日もこのギターのリペアをしましたが、また学校に行く時間になってしまい、スタジオを後にしました。悔しい。



化物 (玉利 )
2005-01-08 23:38:20
山中様

わざわざ御紹介頂きましてありがとうございます。



それにしても、マルキオーネは難しいですね。

ギター本体からのオーラというか

(神経質さなのかな)、凛としたものが強くて。



ウイリアムラスキンや、ジョン ディアンジェリコ

等に触る時にも同じ感覚になりますが。



しかし、ここを知り、本来の素材の音を

逃さずに仕上げて行く事に改めて

気づかせて頂きました。



私も以前バランスが酷くバラバラになった

マルキオーネを治した事が有りますが。

最後の仕上げでは、最初のバランスに

近づけるのには随分集中力を費やした覚えが有ります。

これで大丈夫だという気持ちと

マルキオーネ氏にこれは範囲だよと言ってもらえるの

だろうかと、考えがまとまらず、

随分悩みました。





只、今現在日本ではマルキオーネ氏の

化物ぶりはそれほど認知されていませんので。

非常に残念です。



やはりフレットスロットはノコで切っていましたか

そうではないかとは、思っていましたので

安心しました。

とはいえ、修理品によってドリメルとノコ、

プレスとハンマーを

私の所は使い分けるのですが。

そんな事では、マルキオーネ氏に怒られそうですが。



化物 (Taka)
2005-01-09 03:47:36
こんにちは、玉利さん。



ギターのセットアップ、とても奥が深いですよね。僕はいまだにスティーヴンに笑われますよ、悔しいんですけど。



僕も以前は、ドレメルを使う事もありました。製作家によっては、その後エポキシを使ってフレットを入れる方もいますが、あれは、確実にサウンドが失われてしまうと感じます。パサパサした、瞬発力の無い音がしますよね。

 

酷な話ですが、それぞれの楽器のレベルを感じ取るには、受け取る側にもシリアスなモノが要求されると思います。一般の方には、その事が鬱陶しいのか、そのオーラを受け取ろうとしない、不感症の方が多いと思います。



今回のこのギターのリペアをされた方も、残念ながら不感症のヒトでした。ブログには書けないほど、信じ難い事をこのギターにしてたんですね。それを見た時、ちょっと悲しくなりました。



玉利さんのような方がいる事をとても嬉しく思います。今後ともよろしくお願い致します。

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