敏腕Pの日々のつぶやき

テアトルシアター代表、と言ってもたった一人。敏腕演劇プロデューサー目指し、観劇評や日々の生活で気になったことを綴ります。

平成の流星~もしくはマナーとエチケットの一考察

2018年10月03日 | スポーツ
輝く銀の鉄球が流星のごとく飛び散り、
やがてさらなる目映い光を放つ遊具。

それが並んだ店外の道路と店の、
僅かな高さの違いを椅子に見立て、
熟年の男性が煙草を吸っていた。

このあとの闘いの策を練っていたのか、
明日に控えた本業の商談に心砕いたか、
はたまた偉大な元横綱の電撃退職に
やはり納得が行かないゆえの渋面か。
・・・心中は知らねど、
ついに火を段差のへりで消し、
雨溜まりの道端にそっと吸殻を置いた。

恐らく彼に悪気はない。
いや、むしろ、万が一消え切らずに
火事になるのを防ぐために
水の貯まった凹みに収めた、
いわば「心配り」であったのだろう。
彼なりの、マナー。

煙草ではなく、コロッセオの中央で
松明のように燃えた角界随一の名門
花田家の灯は兎にも角にも消えた。

騒動のまださなか、貴師匠の支援者が
突然の部屋解体を記者会見で知り、
吃驚するやら哀しいやらが混じった
涙を流したテレビ画像が印象的だ。

そのあたりのエチケットが
平成の大横綱には欠けていた。
が。
そもそも「相撲道」とエチケットは
相容れないものかもしれない。
貴乃花部屋に子供を預けた親御さんが
「何も知らされていない」と答え、
「残念」とこぼした同じ口から
「らしいとは思った」とも。

次々に関係者が彼について語り、
真っ直ぐ、不器用、孤独など
キーワードを挙げてくれた。

唐突に自分事に引き付けて言えば、
花形の俳優や演出のそばで、
主に雑事をこなしながら、
時に花形を誉め、ある時は叱り、
内なる声を聞き先回りする仕事を
一寸かじった視点からは、
そんな側近がいなかった彼を
少しだけ残念に感じたりした。

「孤高の革新王」だけではなく
協会にも同じことが言える。
どちらも結局は「表の人」。
裏で支える者達はいたはずだが、
バランスが良かったように見えない。

縁の下の力持ちなどと謂う。
上にいるのが、あの重さだから
(単に体重だけではなく、伝統や
しきたりなど考え方も重い)
そんじょそこらの力持ちでは
務まらないのでしょうが……。

1988年、初土俵。
つまり昭和の晩年に角界に入り、
2018年に親方を退職。
偶然ながら「平成の大横綱」を
正に務めあげたとも言える。

流星というには余りに巨大、
かつ、とてつもない光度の恒星。
本来なら、自らの星を砕いて
ビッグバンを起こしたかったはず。

それが、音もなく沈むとは…。
巨星に、酸素とは言わない、
せめて窒素ほどのエチケットと
マナーが含有されていたら……。

本当におつかれさまでした、光司くん。
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