麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

視界と集中力~イカロス雑感その8

2009年05月04日 | 東演
 『翔べ!イカロスの翼-君は翼を見たか-』(原作/草鹿宏、脚色/いずみ凛、演出/佐々木雄二)はサーカスを舞台にしたお芝居である。

 なので役者たちが、拙いながらも「サーカス芸」に挑んでいる。



 独力では限界があるので、パフォーマーに指導を仰いでいる。
 彼らについては弊ブログ3/17付「チャンプ来団」に詳しいので、興味のある方はそちらを覗いていただくとして。。。
   
 その智春さんがよく云うのだが「集中というと、どうしてもこうなりがちだけど…」

 ここでいう「こう」とは両手を顔の幅に開いたあとまっすぐ前方へ、しかも鋭角に狭まっていく手の動きで表す「集中」だ。
 こんな説明で解るかしらん

 彼女はさらに云う「今回の集中は、それではなくてこう!」
 と、今度は手を顔の幅から両サイドに開いていき、最終的に体が十字に見える動きの「集中」をして欲しいと強く云うのだ。

 それって一見「拡散」な感じだけど、そういう集中が大事だと。

 実は普段我々が演じている場合だって、この広角的な集中が求められていて、演劇ワークショップでも、自分の速度を保って移動しながら、ぶつからずに、かつそれぞれが良きバランスを保った距離を作り続けるという・・・“空間把握”というゲームを行うくらいだ。

 なのだが『イカロス』はいつも以上に“広角集中”のアンテナの精度が要求される。

 一歩間違えば怪我をするパフォーマンスを行うためだが、佐々木演出は、それを芝居でも大いに生かそうと、演技の面でもその要素を強固に引き出す構成で役者たちを引っ張ってきた。
 まだパーフェクトには達していないが、明らかに目指すところはキャストはもちろん、裏で支える座内スタッフにも染み渡ったところだ。

 視界を広く保ちながら、その全てに気を配る。
 

 スタッフといえば、さすがに本番が迫って、外部スタッフも続々稽古場入りしている。

 今日は照明チーム、舞台写真とビデオのクルーが通し稽古を見た。

 音楽の日高さんも、日々変化する芝居の尺にあわせて曲を直してくれていて「でも、そろそろスタジオ入って完パケ作らないと…」と。

 音響さんからは「やっぱりピンマイク使うことにしました。予算は大丈夫?」と、心遣いの言葉・・・



 毎度のことだが。
 本番が近づくと、キャスト・スタッフの集中力は増し、芝居はぐんぐん面白くなり、制作の懐からは集中的に何かが出ていって、目がぐるぐるまわって視界が霞み、胃が痛くなる。
 
 薬は、お客様の拍手と劇場を去るときの笑顔のみだ。

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