麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

海の木馬

2023年06月15日 | 鑑賞
国立競技場でJ1・ヴィッセル神戸と
スペインの名門バルセロナが
親善試合を行った日に、私は
すみだパークシアター倉で
劇団桟敷童子の『海の木馬』をみた。
 
イニエスタの雄姿を求めて
新宿区霞ヶ丘に多くが結集したように
墨田区横川の劇場も満員御礼だった。
 
さて今回の桟敷童子は、
縦を意識した躍動感溢れる
いつもの「動」の美術から一転、
平坦な演技エリアで「静」、
かつシンプルを選択した。
それはとても新鮮だった。
 
「いつも」の大掛かりなセットを
期待しているファンも多数いる中、
勇気のいる決断だったとも思う。
 
題材も戦争を真っ正面から。
勿論、これまでも第二次大戦を時代背景に
作品は作られてきたけれど、
今回の成功は、いわゆる「戦争モノ」が
陥りがちな安易な筋立にからめとられずに、
でありながら、見た者に反戦非戦を
強く想起させる舞台を紡ぎきったところ。
 
それから。
冒頭に「魔法使い」「天才」と呼ばれる
スペイン人に触れたけれど。
 
今回の座組は・・・
まさに世界クラスのFW、
かつて一世を風靡し
今はベテランの味を醸すDFを
外部から召集し、そこにクラブ育ちの
フレッシュなタレントを大胆に散らして、
さらに経験豊富な「桟敷の顔」たちが
要所を締める・・・そんな布陣。
 
強いクラブのお手本のような編成だった。
 
 
それが劇団の「ホーム」で上演されたのが
5月30日から6月11日。
 
キャッチコピーは〈海は震えた〉だったが
客席が震え、演劇界が震えた上演でした、
 
 
 

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