日曜日。東京はあいにくの雨模様
(春、草木に恵の雨でもあるけれど…)
満開の桜は多くが散るだろうか。
そう、今日は風も強かった。
ドイツの雪山にある高級リゾートホテルに
バラ科の淡紅色の花は咲かないけれど、
タイトルにも掲げたように、
お蔭様でチケットは完売!!
『雪の中の三人』は、芝居としての満開だ。
と、ここで少し私的な話になる。
今日の来場者のなかに、旧知のIさんの姿。
私が下北沢を拠点とした別の劇団にいた時に、
世田谷区在住在勤の方々を募った企画(※)の、
彼は常連だった。本職はミュージシャンで、
現役を退いたあと趣味で演劇をはじめたのだが、
ステージに立つことに慣れていた上に
独特の存在感というか匂いがあって、
やがてプロの舞台にも出演するようになった。
それはともかく。
今日の観劇は私からの誘いではなく、
出演者の一人とIさんのお孫さんが繋がっていて、
六本木にやってきた奇遇。
※「下北沢演劇祭・世田谷区民演劇上演グループ」
が正式名称で、公募ののちオーディションを行い、
半年~数か月の週末の稽古を経て公演を打つ企画。
演出はじめスタッフはプロ。
さて。何度も書いてきたけれど
『雪の中~』は年齢も職業も異なる三人が
ホテルで出会い、友情を育む物語。
前段の「世の中は狭い」的な話であるとともに、
本公演と連なる不思議を思わないでもない。
当時、三十歳になったばかりのハナタレは
Iさん以外にも大手金融機関の現役行員、
元特別国家公務員、看護師等々、
通常の演劇生活の中では出会わない先輩たちに、
ただ芝居においてのみ少々先達というだけで
今思えば随分ナマイキだったわけである。
実は完全に私がお世話になっていたと今は判る。
そして全員ではないけれど、
あの頃の面々とは今も関係が続いていたりする。
私的な話が長くなった。
恐らくは世界中のこのような「えにし」が
俳優座公演第345回公演、満員御礼に繋がっている。
・・・おっと。完売に上気して、やや大袈裟か?
「ケストナーの魔法」ともいわれる
『雪の中の三人』、残すは2ステージ。