麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

奇跡~月光の夏長野公演への無謀な挑戦

2005年06月05日 | 東演
6月4日(土)朝9時、1台の観光バスが蓮根を出発!
朗読劇『月光の夏』長野公演へ向けて、
バスは満席の50名・・・。
その先頭座席には、この企画を牽引した
一人の主婦の姿があった・・・。

劇団東演の『月光の夏』は
鳥栖で本当にあった戦争秘話を元にした
4人の朗読者とピアノによる作品です。

戦後60年・・・。
おかげさまで全国各地から上演依頼をいただいていますが、
その多くは鑑賞団体や生活団体を母体とした
「実行委員会」によるものが大半。
それでも、大勢の観客に声を掛け
会場に足を運んでいただくには、大変な苦労を要する。
いつも感謝し、それに応える舞台を心掛けています。

さて。
今回は、『月光の夏』に感銘を受けた一人の主婦が
友人知人と作った「実行委員会」を中心に
一年に及ぶ準備期間の末、成功させた希有な公演だった!

数年前、彼女は大きな病に冒されたという。
本作に感銘を受け、元気を取り戻した自分が、
今度は他者に元気を、勇気を与えられたら・・・
また、命の尊さや戦争の無謀さを
広く伝えられたら、という思いで劇団に連絡をいただいた。

過去にも桐生など、
その地元に暮らす人々の「手作り上演」の経験はあったが、
現在東京に住む彼女が選んだのは、故郷の長野

長野に住む人々はもちろん、
東京で縁を得た人々にも是非「月光」を見せたいと、
バスツアーまで企画するという。

気持ちはわかるが、東京で行った方がと
率直にアドバイスをしたが、
彼女の決意は固かった。

長野は高校の同級生を中心に、
東京は住まいのある板橋の仲間たち
(居住マンションや子供の学校時代から
続く「おかあさん」友達)で
結成した実行委員会が活発で、
もう多くの方々からOKをもらったからと
嬉々として語るが、まだ公演までは
一年以上あった・・・。

長野出身で東京在住のピアニストが決まり、
会場は長野県民の小ホールを抑え、と、
「経過は順調」の一語だったが、
その裏側の苦労が多大だったことは想像に易い。

さてさて。
そして迎えた本番当日。
長野からおよそ200名、
首都圏からはバスツアーのほかに
自動車・鉄道利用の約80名の姿があり、
会場は満席となった。
温かいアンコールの拍手は鳴りやまなかった。

一人の主婦の熱意は、
だが、幕が下りてもまだ止まらない・・・。
終演後、場所を上山田温泉に移し、
長野東京あわせて80名の
大交流会だ!!!

プロのソプラノ歌手のアカペラから
趣味の尺八・民謡まで
朗読劇に負けないパフォーマンス、
あるいはこのツアーに参加した経緯など、
この一日に秘められた「裏話」に
会場は得も言われぬ一体感に満たされた。

おいしい食事、少々のお酒と
名湯に癒されながら・・・
バスツアーの50名は、翌朝、善光寺や小布施への
観光へと向かった。

大仰なタイトルを付したけれど、
この「奇跡」を書き表すのは、残念ながら
僕の筆力の及ぶいところではない。
けれど、どうしても伝えたくて、
出来る限り平易な報告とさせていただいた。

本当に人の力とは無限だな、と、
今回ほど思わされたことはない。
感無量という言葉が陳腐に感じるほどの、
この経験は、本当に大きな力になりました。

実行委員の皆様には勿論、
会場に足を運んでいただいた全ての人に
心より、感謝いたします。

そして本当にご苦労様でした。
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