主治医に言われて減塩生活を続けている｡
醤油好きだったのだけれど､減塩醤油に変えてチョンと付けるだけにした｡
フライドポテトやポテトチップスなんか､半年以上食べていない｡
奥様も気を遣って塩分を落としているので､最初の内は物足りなかった味付けにも慣れてそれが普通になった｡
処方薬を受け取る時に女性の薬剤師さんに｢減塩を続けていますか？｣と聞かれたので
｢外食すると今まで旨いと思っていたモノが全部塩辛く感じて食べられなくなりました｣と云い
｢塩辛く感じる分だけ家内の努力量だと思っています｣と付け加えたら
｢本当にそうですねぇ｣と薬剤師さんが感激の笑顔｡
夕食は｢焼きそば｣だった｡
例の通り思いっきり薄味の麺を口に入れていたのだが､やけに草(野菜)が多いことに気が付いた｡
草の陰に少しの麺が隠れている｡麺の量が足りなくて草で誤魔化しているのだろうか｡
その上何かが無いことに気が付いた｡
そうだ､豚肉も入っていない｡
もしかしたら肉の嫌いな家内が故意に省いたのだろうか｡
｢お母さん､豚肉入っていないの？｣と訊いたら
｢冷蔵庫に入れていた豚肉が変色していたので迷ったけれど入れなかった｣と白状した｡
｢気が付かないと思ったんだけれど､少し変色しただけだからやっぱり入れた方が良かったかなぁ･････ケッケッケ･････｣
この不気味な笑いに怯え､私は黙々と野菜炒め風焼きそばを口に入れた｡