瀬崎祐の本棚

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ココア共和国  6号  (2011/05)  宮城

2011-06-02 21:48:42 | 「か行」で始まる詩誌
 「おじいちゃん」みゆき。
 1連2行の平易な表現で”おじいちゃん”の思い出が綴られていく。そのおじいちゃんは、縁側で足裏のツボを叩いていたり、いっぱい持っている年金で私を大学へ行かせてやるぞと言ってくれる(本当は借金の返済で年金なんて残っていなかったのだが)。

   寒い冬の日トイレで脳溢血で倒れて入院したおじいちゃん
   お見舞いに行って流動食をスプーンで口に運んであげたら

   「どうもありがとうございます」ってすごく丁寧に言ったおじいちゃん
   もう私のこともわからなくなっていた

 作品の形を整えていくときに、彫刻のように彫っていく意識の時と、塑像のように部分を付け加えて意識の時がある。この作品は、おじいちゃんの描写を積み重ねていくのだが、どの部分をどれぐらいの大きさで付け加えていくかを、素直な気持ちで選び取っている。
 紅白歌合戦にも登場したフォークソング「トイレの神さま」を想起させてしまったりもするのだが、それでもなお、読み手に伝わってくるものがあった(1行書きになってからの最終部分は、さすがに余分だと思えるが)。

 それにしても、この個人誌を発行している秋亜希羅が選んで載せる書き手の作品は、どれも明るく軽快で、少しだけ情緒的である。徹底的に偏った好みで作られている。個人誌の意味はこういうところにあるのだろうな。

 詩誌の後半には、秋亜綺羅が仙台から発信しているブログの一部が採録されている。和合亮一のツィッターで発信されたものとは異なった視点からの証言である。
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