Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

僕のニューヨークライフ

2020-03-01 | 映画(は行)

◾️「僕のニューヨークライフ/Anything Else」(2003年・アリメカ=オランダ=フランス=イギリス)


監督=ウディ・アレン

主演=ジェイソン・ビッグス クリスティーナ・リッチ ウディ・アレン ストッカード・チャニング ダニー・デヴィート


レンタル店で探すけどなかなかないよな、と思ってたらレンタル落ちのセール品を本屋で発見。

ウィットと皮肉が効いた会話は確かに面白い。それはウディ・アレン映画らしいとも思う。しかし。秀作とされる他のアレン映画なら、気の利いた台詞は流れていくストーリーの中でピリッとスパイスを効かせていて、僕らを物語に引き込んでくれていた。「僕のニューヨークライフ」にも素敵な響きを持つ台詞はあるし、普段より多いくらいだ。若い小説家と初老の舞台作家が主人公だから、会話の中にいい台詞があって当然と言えば当然なのだが、ストーリーの展開に大してつながることもなく、いい台詞だなと思っても、「名言格言集」のページをめくっているように、目の前を通り過ぎていくように感じた。アレンらしいと言えばらしいのだけれど、アレン作品を観続けているファンの期待にはちと及ばない。

とは言え、主人公ジェリーが周囲の人々に翻弄される様子は面白い。彼のアドバイザーでもある、ウディ・アレン演ずるドーベルの助言が、いちいち的外れなのがおかしい。「「そうですね」と言って好きに生きたらいい」と言っていながら、強引にカリフォルニア行きを勧めてジェリーを振り回す結果に。大人になったお化け一家のお嬢ちゃんクリスティーナ・リッチが、ジェリーを振り回す奔放なヒロイン、アマンダ役。一緒に楽しめる趣味のベクトルがあるのは素敵なことだと、僕は常々思っているだけに、二人の出会いからレコードショップのキスシーンまでの流れは「わかるなぁー」と思って観ていた。それだけに二人のセックス騒動ばかりになっていく後半は、男と女を考えさせる他のアレン映画と違って物足りなさが。しゃーないな、主人公を悩ますものが、この映画にはいっぱい出てくるんだもの。

ジャズピアニストで歌手のダイアナ・クラールのライブを観ながら意気投合する場面は、こっちまでドキドキする素敵な場面。映画には、ビリー・ホリデイの楽曲が数曲セレクトされている。そう言えば友達からビリー・ホリデイのCDをもらってたのがあったよなと思い出したので、今夜は久々に聴いてみようかな。セントラルパークの風景がとにかく素敵。




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