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キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ルパン三世 カリオストロの城

2020-11-21 | 映画(ら行)



◾️「ルパン三世 カリオストロの城/The Castle Of Cagliostro」(1979年・日本)

監督=宮崎駿
声の出演=山田康雄 小林清志 島本須美 井上真樹夫 増山江威子

言わずと知れた大傑作。これが公開された頃、「ルパン三世」はテレビの第2シリーズが放送されていて人気があった。その人気で劇場版の第2作が製作されたのが、この「カリオストロの城」。だけど当時は今のように評価された作品ではなかった。後の宮崎駿の活躍、日テレ系映画番組で放送されたことで次第に人気が高まってきた作品でもある。

初めて観たのは高校時代。テレビの映画番組だった。ハードなストーリーの劇場版第1作も好きだったけど、それ以上に録画を繰り返し見た。ちょうどその頃、「すげえアニメがある」と言って友達からビデオテープを借りたのが「風の谷のナウシカ」。まさに宮崎駿のルーツとして好きになった組である。

テレビシリーズよりも少し年齢が上のルパンが、若き日の因縁で再びカリオストロ公国の隠された謎に挑むお話。確かに違和感はあった。テレビシリーズでは、派手なクラシックカーを駆る大泥棒の華麗な活躍が楽しくて仕方なかったけれど、「カリオストロの城」では花嫁を救う物語が中心。大泥棒が人助け?そんなのルパンじゃない。

だけど、「カリオストロの城」にはこの作品でしか見られないヒロイズムと男の哀愁がある。繰り返し見ているけれど、回想シーンとラストシーンのもの寂しさ、銭形警部がいろんなしがらみに苦しめられる歯がゆさは、今の年齢で観るとズシリと響く。初めて観た時は、クラリスを抱きしめないルパンを、台詞のとおり生きる場所が自分とは違うからと思っていたけれど、それだけでなく若いクラリスの気持ちを受けとめられる男ではないんだな、と今では思う。ルパン自らが言うように「おじさん」なんだもの。おでこにキスが精一杯。「じゃーなー!」と別れた直後の表情の落差。あれは単なる別れの寂しさじゃないんだろう。

私事だけど、僕は自分から「おじさん」と名乗ることを拒み続けてきた。言ったら負けだと思ってた。でも「おじさん」世代になったからこそできることと言えることがある。それが人に響くことだってある。ルパン三世を見ながらそんなことを考えるなんて、昔はなかったよな。その「おじさん」ができることを貫いた大活躍こそが「カリオストロの城」。銭形警部のクライマックスの行動だってそう。そして大泥棒はクラリスの心を盗んでいきました。やっぱりルパンってすげえや。よーし、見習おう(何をだ)w

時計塔が崩れ去った後の場面で流れるインスト曲「回想のミステリアス・ジャーニー」が大好きで、ピアノ練習した。「おじさん」になった今でもきっと弾けるさ。




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