goo blog サービス終了のお知らせ 

Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ヤングガン2

2025-04-13 | 映画(や行)


◼️「ヤングガン2/Young Guns Ⅱ」(1990年・アメリカ)

監督=ジョフ・マーフィ
主演=エミリオ・エステベス キーファー・サザーランド クリスチャン・スレーター ルー・ダイヤモンド・フィリップス

1作目の「ヤングガン」を観た時は、ちょっと複雑な気持ちだった。1980年代のいわゆるYAスター(死語w)男子たちが、ファッションで出演した西部劇にしか思えなかったのだ。まあクラシック映画かぶれだった当時の生意気な僕だから、そう思うのも仕方ないのかも。この続編も似たようなだと思っていた。その後、社会人になって以前よりもハリウッド映画の新作に寛容になった頃、この続編を観てやたらハートに刺さった。若造がドンパチやってるだけの映画ではない。ビリー・ザ・キッドの最期を描いた、友情と喪失の物語だ。

映画冒頭に現れた老人。彼は自分がビリー・ザ・キッドであると名乗る。老人の回想形式で映し出されるビリーと仲間たちの若き日々。「ヤングガン2」はビリーがパットと組んで牛泥棒をやっていた時代から始まる。袂を分つ決断の後、知事や地主たちからの要請でパットがビリーを追う立場となる成り行きが順を追って登場する。

ビリー・ザ・キッド/21歳の生涯」では、2人が一緒に活動していた時代が描かれないので、2人がどれくらい深い絆なのかは想像するしかない。だが追うパットの心情を感じさせる演出と演技、そしてラストの喪失感が切ない秀作に仕上がっている。

対して「ヤングガン2」は順序立てて観客に示してくれるから、仲間が次々といなくなり喪失感を味わうのはビリーの方。信じていたパットとの別れ、救い出したかつての仲間ドクとチャベスとも悲しい別れをすることになる。

時系列で見ると「ヤングガン2」のラスト20分の出来事が「21才の生涯」で描かれる部分。「ヤングガン」はストーリー重視、「21才の生涯」は登場人物により迫った作品と思えた。

どちらを主役に据えているかの違いでもあるが、「ヤングガン2」はエミリオ・エステベスが強がりなビリーのキャラクターをうまく演じているだけに違った切なさがある。パットと向き合うクライマックスでは、パットが自分を撃ちやすくするために、わざと嫌な言葉を浴びせかけるのだ。「21才の生涯」が西部開拓時代の終わり、「ヤングガン2」は無法者の青春が終わる物語。冒頭の謎めいた導入も含めて、前作よりもかなり丁寧に撮られた映画だと思った。

パットの助手を演ずるのはヴィゴ・モーテンセン。大富豪の地主ジョン・チザムは「21才の生涯」でパット・ギャレットを演じたジェームズ・コバーン。そしてジョン・ボン・ジョヴィの主題歌Blaze Of Gloryが素晴らしい。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする