Smoke will be with me!

cigar, cigarette, pipe tobacco等、タバコと私の濃密な時間

パイプに興味を持つまで~Part2

2005-05-14 | パイプに興味津々
 移民する前は想像もしなかったことだが、カナダは禁煙大国だった。
特に私の暮らすブリティッシュコロンビア州は喫煙に対して厳しい場所で、タバコに対する制約は年を追う毎にエスカレートしている。初めてカナダを訪れた2000年は喫煙席が設けられたレストランもあったのだが、現在(2005年5月)では建物内での喫煙は禁止されている。もちろんテラス席はこの限りではないが、バーですらタバコを吸うことが出来ないのだ。タバコが吸いたければ外へ出るしかない。
 
 もちろん我が家も禁煙である。
もっとも持ち家に関しては所有者の自由だが、これに関しては私も納得している。家の中でタバコを吸うとその価値は下がる。カナダにおいて、"家は買ったら一生モノ"という概念はない。いつ売るかわからない状態でそのリスクを負ってまでタバコを吸おうとは思わないし、そもそも私も家がタバコ臭いのは嫌いだ。喫煙者の多くは外で一服している、それがカナダ式。郷に入れば郷に従え、というヤツだ。

 そして我が州はタバコが高い。
どこで買ってもタバコの値段は同じという日本と違い、店によっても価格には差があるが、先日買ったキャメルはカナダドルで10ドル。1CD$を85円とすると一箱850円、いきなり高級タバコになってしまうのだ。国産(つまりカナダ産)になれば多少は安くなるが、それでも1ドル前後である。しかも目茶苦茶不味いのだ(笑)

 それでも私はお気に入りのカスタムライトを切らすことなく過ごすことが出来た。幸い、私は仕事で頻繁に日本を行き来していたから、帰国した時に免税店で買い、持ち帰った。誰かが日本へ行く(帰る)と言っては買ってきてもらい、友人が遊びに来ると言っては土産に頼んだ。もちろん免税範囲はあるし、無税で持ち込める範囲内で日に40本の喫煙を支えられるわけがない。それでも長年の銘柄を変えることなくいられたのは喫煙本数が減ったからだ。その原因は二つ。
 
 一つは環境の変化である。
これまでに述べた通り、カナダに引っ越してからというもの吸える場所が減った。家の中でも吸えないからテレビを見ながら一服、ネットサーフィンをしながら一服…そういう機会が激減した。(唯一の"ながら喫煙"は車の中、自分の車の中だけは自由にタバコが吸えたので、運転中のタバコが唯一のながらタバコとなった)

 一つ目の理由が無意識ならば、意識して本数を減らした部分もある。これが二つ目の原因だ…何かをしながら吸う"ながらタバコ"をしなくなると、本当の一服とは何か?と考えるようになる。日に40本吸っていたかつての自分は本当に一服をしていたのか?無駄打ちがまだあるのではないだろうか?私は出来るだけゆっくりタバコを吸うようになった。コーヒーぐらいは飲むが、基本的に何もせず、必ずイスに座り、タバコを吸うように心がけたのだ。
 
 第二の転機が訪れるのは2003年のことだ。
これは人生の転機と言っても過言ではないほどの大きな出来事だった。