入院日記未公開ネタ放出キャンペーン第一段
「奈落の夢」シリーズ
第11話「逃避行→夢飛行」
これは10月初旬の話である。
入院して1週間。相変わらず激しい腹痛と下痢下血と熱にうなされている。ベッドに横になることもできず、ベッドの横にさしてある策に持たれてうずくまる毎日。病院に入ってからも、まともに眠ったことがない。気絶するように眠りについて、腹痛で目が覚める。僕の体には昼と夜の境界線がない。
現実が地獄なら、夢に助けを求めたくなるのは当然である。
さぁ、僕と夢の世界へ逃避行の旅に出発しよう(/*⌒-⌒)o
**************
天気もいいし、こんな時は助手席に彼女を乗せて、どこか遠くにドライブがいい。
ところで、僕は高速道路が苦手だ。これは正確な表現ではないな。苦手なのは高速道路に乗るまでだ。
特に、これから向かうインターチェンジは苦手だ。僕の乗っているのは軽自動車(Carol)だからいつも馬力不足で失敗する。
…今日はうまくいくだろうか
本線への合流を苦手とする方も多いと思うが、僕が苦手なのはこれではない。
では、何が苦手かって?
高速道路までの坂が苦手なのだ。ここのICは傾斜が激しくほぼ垂直。道のわきには【傾斜80度】の標識が立っている。
この壁みたいな坂を登るのが心身ともにツライ。車のパワー不足でよく落下しそうになるのだ。ほかの車はどうしてこんなに簡単に登って行くのだろうか。
助走ポイントの信号が青に変わった。僕もアクセルを思いっきり踏んで突っ走る。傾斜80度の坂に入るととスピードが徐々に落ちてくる。
…おっ、いつもよりもスピードが落ちない、今回はいい感じだぞ。
僕の車の左右をカッチョいい車が抜いていく。でもそんなことはどうでもいい。今日は難なく高速道路に乗れそうだ。
頂上まであと少し。
ぐぉぉーん!!
…イケる(゜∇^d)
ぐぉぉ…。スー。
ん?
音が消えた。
エンジンが、止まった。
このままでは、落ちるΣ(・ω・;|||
「えっと、えっと…」
落ちつけ、まだ車は前進してる。サッとエンジンをかけるんだ。アレ?あ、そっか、ギアをパーキングにしないと。むっ、そのためにはブレーキを踏まなければならないか、リスクがでかいな。ギャギャギャっと。よし、これで、カギを、アレ?もう一回、アレ?アレ?アレ?
…そして車は止まり、落下を始めた。
ウザいことに隣の彼女が騒ぎ出した。もともと絶叫系が苦手だから、無理もない。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫だって。こういう落下系の夢は良く見ているからな。何とかなるよ。」
まったくもって説得力のないんだけど、これで彼女はおとなしくなった。よし、落ちつけ、まずこの落下を止めるにはサイドブレーキだ。せめて落下スピードを抑えることができる。
バキッ!!
オーマイガッ( ̄Д ̄;)
なぜだ…、夢ではいつもうまくいくのに…。
ウザいことに隣の彼女が再び騒ぎ出した。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫だって。えっと…。」
…そして車はものすごいスピードで後退を始める。
「やっぱダメかもっ!!」
まずいな。ブレーキもいかれたし、このままだと思いっきり交差点にバックで突っ込むことになる。
しかも赤だな。
相手は3車線だし…。
終わったな。
…終わらず、続く。
【つづく】
「奈落の夢」シリーズ
第11話「逃避行→夢飛行」
これは10月初旬の話である。
入院して1週間。相変わらず激しい腹痛と下痢下血と熱にうなされている。ベッドに横になることもできず、ベッドの横にさしてある策に持たれてうずくまる毎日。病院に入ってからも、まともに眠ったことがない。気絶するように眠りについて、腹痛で目が覚める。僕の体には昼と夜の境界線がない。
現実が地獄なら、夢に助けを求めたくなるのは当然である。
さぁ、僕と夢の世界へ逃避行の旅に出発しよう(/*⌒-⌒)o
**************
天気もいいし、こんな時は助手席に彼女を乗せて、どこか遠くにドライブがいい。
ところで、僕は高速道路が苦手だ。これは正確な表現ではないな。苦手なのは高速道路に乗るまでだ。
特に、これから向かうインターチェンジは苦手だ。僕の乗っているのは軽自動車(Carol)だからいつも馬力不足で失敗する。
…今日はうまくいくだろうか
本線への合流を苦手とする方も多いと思うが、僕が苦手なのはこれではない。
では、何が苦手かって?
高速道路までの坂が苦手なのだ。ここのICは傾斜が激しくほぼ垂直。道のわきには【傾斜80度】の標識が立っている。
この壁みたいな坂を登るのが心身ともにツライ。車のパワー不足でよく落下しそうになるのだ。ほかの車はどうしてこんなに簡単に登って行くのだろうか。
助走ポイントの信号が青に変わった。僕もアクセルを思いっきり踏んで突っ走る。傾斜80度の坂に入るととスピードが徐々に落ちてくる。
…おっ、いつもよりもスピードが落ちない、今回はいい感じだぞ。
僕の車の左右をカッチョいい車が抜いていく。でもそんなことはどうでもいい。今日は難なく高速道路に乗れそうだ。
頂上まであと少し。
ぐぉぉーん!!
…イケる(゜∇^d)
ぐぉぉ…。スー。
ん?
音が消えた。
エンジンが、止まった。
このままでは、落ちるΣ(・ω・;|||
「えっと、えっと…」
落ちつけ、まだ車は前進してる。サッとエンジンをかけるんだ。アレ?あ、そっか、ギアをパーキングにしないと。むっ、そのためにはブレーキを踏まなければならないか、リスクがでかいな。ギャギャギャっと。よし、これで、カギを、アレ?もう一回、アレ?アレ?アレ?
…そして車は止まり、落下を始めた。
ウザいことに隣の彼女が騒ぎ出した。もともと絶叫系が苦手だから、無理もない。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫だって。こういう落下系の夢は良く見ているからな。何とかなるよ。」
まったくもって説得力のないんだけど、これで彼女はおとなしくなった。よし、落ちつけ、まずこの落下を止めるにはサイドブレーキだ。せめて落下スピードを抑えることができる。
バキッ!!
オーマイガッ( ̄Д ̄;)
なぜだ…、夢ではいつもうまくいくのに…。
ウザいことに隣の彼女が再び騒ぎ出した。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫だって。えっと…。」
…そして車はものすごいスピードで後退を始める。
「やっぱダメかもっ!!」
まずいな。ブレーキもいかれたし、このままだと思いっきり交差点にバックで突っ込むことになる。
しかも赤だな。
相手は3車線だし…。
終わったな。
…終わらず、続く。
【つづく】
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