★YUKAの気ままな有閑日記★

とても残念ですが、長期的にお休みします^-^*皆さま素敵な年末年始をお過ごし下さい☆

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

ラブリーボーン

2010-01-30 08:47:15 | 映画【ら行】

2010年最初の感動大作―観て来ました~
【story】
スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)は、14歳のときにトウモロコシ畑で殺されてしまう。そしてスージーは天国にたどり着くが、父(マーク・ウォールバーグ)は犯人探しに明け暮れ、母(レイチェル・ワイズ)は愛娘を守れなかった罪悪感に苦しむ。崩壊していく家族の姿を見てスージーは―
     監督 : ピーター・ジャクソン 『ロード・オブ・ザ・リング』
     製作総指揮 : スティーヴン・スピルバーグ
     
【comment】
        
    ~辛口感想気味です
     未見の方やこの映画をお好きな方はスルーして下さい~




  

  ・・・・・・・・・・なんか違う・・・・・
 
予告などで、スピリチュアル系の感動作なんだろうと思ったのですが、、、う~ん、、、なんて言ったらいいんだろう?個人的には、どう~にも色々な面でスッキリしない映画でした―
 
スージーは14歳。優しいパパと綺麗なママ、おしゃまな妹とヤンチャな弟の5人家族です。
将来の夢が動物写真家のスージーは、溌剌とした可愛い女の子です。
そろそろ恋するお年頃で、、、片想いの男の子からデートに誘われた―そんな時に殺されてしまいます。
そして、スージーは、天国とこの世の間の場所に留まります。まだやりたいことがいっぱいあるから―
 
この辺は号泣でしたよぉ~ボーボー 迷惑なことに鼻までかんじゃった・・・
こんなに簡単に命を落とす瞬間があるんだ、、、と思うと可哀想で、切なくて、、、胸が痛かったです。
それに、娘の死を知らされた時の両親の深い悲しみ、、、ボロ泣きですぅ~

でもね、、、なんて言うのかなぁ~その時の涙って、テレビ番組の感動再現ドラマを観た時とあんまり変わらないような気もあったりして(汗)、、、なんででしょう?
 
            
で、、、その後は、天国とこの世の間に留まったスージーが、自分の死を徐々に受け入れていき、その美しく幻想的な場所を満喫(?)しながら、犯人の行動、犯人を突き止めようともがく父、悲しみに暮れる母、恋する男の子、、、などを見守る様子が描かれていくのですが―

う~~~ん、、、私としては、スージーが何らかの方法で犯人を示唆したり、または、家族をサポートしたりするのかな?って思っていたんだけど、、、そうでもなかったんですよね~
勿論それらしい描写はあったのですが、イマイチ腑に落ちなくって、、、
観る方に勝手な先入観があるのがイケナイのだとは思いますが(汗)スッキリしない展開でした。
 
思うに、どう~も登場人物の役割のようなものがイマイチ纏まっていなかったのではないかなぁ~
一つ一つのエピソードが単発的で、繋がりが希薄のような気もしたし、、、

例えばグランマ(スーザン・サランドン)。
それはそれは個性的なグランマで、面白くって笑ったりしましたが、、、あの個性がこの映画に必要だったのか?って思うんです。
パパにしたって、スージーの見えない存在を確信するところや、犯人探しも、、、えらく衝動的で、イマイチ娘を亡くした哀しみや狂気のようなものとは結びつかないように思ったし、、、
ボトルシップ作りが趣味だってのも、、、あんまり映画に関係ないし。
ママもねぇ~心が壊れそうになるにしてもですよ、幼い子どもを置いて出て行くって行動が唐突だったかも、、、
妹も、、、彼女の頑張りにはドキドキしたのですが、、、伏線として、犯人がまた罠を作って妹を狙うかも?的なドキドキがあったと思うので、それはどうなった?って気持ちがあったし、、、

クドクド申しましたが(汗)、つまり、個人的には、予想を裏切られる肩透かしな面が多かったんですぅ~
だから、ラストに金庫がガッタンゴットンしている時も、「きっとここで・・・」と思ってのスージーの選択に、感動どころか、「チューかよ~みたいに思っちゃった(汗)
いや、、、14歳の少女の想いなので、それはそれでいいのですが、、、ちょっとガクッときたのが正直なところですぅ~
犯人についてもねぇ~まさかあんなラストとは、、、
いや、、、いいのですが、、、ことごとく伏線とか、展開とかに「ヘッ?!」となったもので、スージーの死以降は涙が引っ込みぱなしだったなぁ~
 
ただ、シアーシャ・ローナンちゃんは物凄く可愛かったし、表情もスゴク良くって、演技がお上手でビックリしたので、それだけでもこの映画は観た甲斐がありました。
一身上の都合により『つぐない』は未見ですが(汗)、演技で注目されるのも分かるなぁ~
将来有望な女優さんですね、応援したいです
    作品の好みとしては2点くらいだけど、シアーシャちゃんに   (3点)

Comments (65)   Trackbacks (113)

Dr.パルナサスの鏡

2010-01-28 16:32:15 | 映画【英・数字】

言わずと知れたヒース・レジャーの遺作にして、映画撮影途中でのヒースの急逝を受け、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルがヒースの役を引き継いだ“Dr.パルナサスの鏡”。
3人が亡きヒースの幼い娘に出演料を贈った―という美談も相まって、結構話題になっていますね~
風邪が酷くって出遅れてしまいましたが、、、観て参りました~
【story】
2007年、ロンドン。パルナサス博士(クリストファー・プラマー)が率いる旅芸人の一座がやってきた。博士の出し物は、人が密かに心に隠し持つ欲望の世界を鏡の向こうで形にして見せる「イマジナリウム」。博士の鏡をくぐり抜けると、そこにはどんな願いも叶う摩訶不思議な迷宮が待っていた―
     監督 : テリー・ギリアム 『ブラザーズ・グリム』

【comment】
「もしかして観る人を選ぶ映画かもしれないなぁ~体調悪いから寝ちゃうかもなぁ、、、」なんて思いながら観に行ったのですが、、、
予想に反し、えらく面白かったです好きですね、Dr.パルナサスの鏡
 
さぁ~て、コチラの白髪の老人がDr.パルナサスでございます。
彼はかれこれ1000年ほどこの世を生き、黒装束に身を包んだ悪魔(トム・ウェイツ)との終わらない賭けに翻弄されています。
 
そもそも高僧だったDr.パルナサスが、遥か昔に悪魔の囁きに耳を傾けたのが始まりで、、、
人間の善の部分に希望を抱くDr.パルナサスと、人間が悪への堕落に身を落とすことを疑わない悪魔の、この世の営みとは何ら関係が無さそうな(笑)賭け事や取り引きが永遠と続き、いまやDr.パルナサスは、娘(リリー・コール)と青年(アンドリュー・ガーフィールド)、小人(ヴァーン・トロイヤー)だけのしがない旅一座に身をやつしています。
 
そして、Dr.パルナサスが悪魔と交わしたとんでもない約束の期日が目前となったある日、、、旅一座の前に、橋に吊るされた男トニー(ヒース・レジャー)が現れます。
この男は、Dr.パルナサスの救世主となるのでしょうか?それとも、、、
 

幻想的な物語で、訳分からない展開で、独創的な映像でしたが、、、個人的にはツボでした(笑)

「あれ?これ好きかも」、、、「あれ?面白いかも」、、、「あれ?全然退屈じゃない」、、、などと、映画を観ながら何度も自問自答してしまいました(笑)まるで、“好みだと変だ”―とでもいうように

でも、確実に好みがハッキリ分かれる映画だと思いますぅ~
私は何故かツボにハマってしまいましたが、どの辺でそうなったのか、、、実はよく分かりません(笑)

それにしても、、、思ったよりもヒースの出番が多くて嬉しかったですぅ~
現実の部分のトニーをヒースが演じていて、鏡の中の世界―Dr.パルナサスが見せる空想の世界を3人の俳優が演じています。
鏡の中では、その時のシュチュエーションで顔が変わるって設定にしていたので、何ら違和感はなかったですし、3人ともヒースを意識しての演技を見せてくれたので、、、何だか胸がいっぱいでしたし、無理矢理繋ぎ合せた映画という感覚はなく、よりイマジネーションが膨らんだ楽しい映画になったかも?―なんて受け取りました~
 
ジョニーのトニーは一番出番が少なかったような気が・・・でも、とっても素敵だったわ~ 
わりと混み合っていた劇場の99%は女性客でしたが、ジョニーが顔を見せると、「ジョニーよ、ジョニーよ」とざわめきが起きました。やっぱり人気があるんだなぁ~ジョニーって。
 
ちょっと目力が強過ぎる感じのジュードですが(笑)、、、声などはヒースに一番似ていた気がしましたね。
3人ともどの位ヒースを意識して演じたのか分かりませんが、俳優ってスゴイものだなぁ~なんて感動しちゃいました。

 
で、、、一番出番が長かったのがコリン・ファレルです。・・・・・私、本来この方が苦手なのですが(汗)、ヒースっぽい?って思えるアクションを見ていたら、、、「いい人だ・・・」って何だか好感を持っちゃいました(単純・笑)
それに、コリン演じるト二ーがチョイと嫌なシーンが連発したので、「ヒースやジョニーがこのパートじゃなくて良かった・・・」などと非礼なことを思いながら、感謝の気持ちが湧いたりして~
 
さてさて、現代が舞台でありながら、妙~に時代錯誤だったり、幻想的なお伽話のようでも妙~にシビアな問題が絡んでいたりの物語でしたが、、、ラストにはちょっとほっこりしました。

考えたら、Dr.パルナサスは、悪魔の退屈凌ぎに付き合わされている悪友として見込まれたようなもので(笑)可哀想でしたが、今後も命の続く限り、悪魔と手を変え品を変え勝負(?)にいそしんで貰いたいものです―         (4点)

Comments (56)   Trackbacks (115)

スマイルコレクター

2010-01-25 18:00:10 | 映画【さ行】
レンタルで鑑賞― ≪オススメ映画②≫
【story】
失業中の二人の男が、ドライブ中に男性を撥ねて死亡させる。死亡した男性は200万ユーロの大金を持っていた。それは、誘拐された娘のための身代金だったが、そうとは知らぬ二人は大金を持ち去ってしまう。その後、誘拐された娘は殺され、リューシー(メラニー・ロラン)と、クロード刑事はともに誘拐殺人の捜査にあたるが、まもなく糖尿病を患っている少女が誘拐され―
     監督 : アルフレッド・ロット

【comment】
去年の暮れに募集したオススメ映画の第2弾で~す(鑑賞や紹介はゆっくりペースになりますが、しつこく引き続きオススメ映画を募集中で~す

今回は、『映画通信みるみる』kinoさんからご紹介頂いた“スマイルコレクター”。

レンタル店でDVDを見つけた私は、怖そうなジャケットにドキッとし、“フランス版『羊たちの沈黙』”という宣伝文句にワクッとし、「きっと猟奇的殺人鬼がニョキっと出てくるんだろうなぁ~」って想像して、いそいそと借りました~

で、、、序盤の掴みはOKでしたよ~一気に惹きこまれますね。
後の因縁となりそうな悲惨な過去の映像。二人組の男の愚かな行動。そして、誘拐された少女の可哀想な姿、、、
 
で、、、主役の女刑事、リューシーが出てきた時に、「あれ?」って思ったんですぅ~
 
「どこかで見たゾ~~~この顔、、、どこだぁ~どこで見たんだ?う~ん、、、う~ん、、、

 あっ
 『イングロリアス・バスターズ』」って思い当たりスッキリ(笑)
  
髪の色が違っていましたが、ちょっと儚げな美しいお顔はそのままでした~
 
さてさて、『羊たちの沈黙』を意識したと思われるこの映画、その雰囲気は大いにありました~
なんたって劇中で『羊たちの沈黙』の本がチラリと登場しますから(笑)
リューシーがクラリスって感じでしょうか。
で、、、“スマイルコレクター”というタイトルは、誘拐された少女が笑顔で亡くなっていたからなのですが、その少女の亡くなっている姿は、かなりインパクトがあります。この映画を象徴している一種異様な美しいとも言える死に顔でしたね。
それから、動物の標本なんかが結構出てくるんですが、それが気味の悪い雰囲気を増幅させていた思いますぅ~ゾクゾク
 
ということで、諸々からして好みの映画だと意気込みましたし、サスペンス好きの方には魅力的な映画ではあると思うのですが、、、

個人的には、わりと序盤から観ている間に自然に推理しちゃうことがピタッと当てはまり、「およよ?」シンプルな展開か?って思ったり、中盤からの展開にチョイ不自然さを感じ、、、オチも微妙?なんて思っちゃいました~(kinoさん、スミマセン~ご想像通り辛口気味で・汗)

思うに、犯罪に複雑な絡みを持たせ過ぎたのでは?と思います。
 轢き逃げした二人の男
 少女を誘拐し、殺害した猟奇的殺人者
 捜査にあたる新米女性刑事
それらに背景を持たせようとして、結果的には全てに中途半端だったような気がしました。
特に轢き逃げ犯のエピソードが長過ぎたんじゃーないかなぁ~
そこに時間を割くならば、個人的にはもっともっとリューシーの過去と犯人の背景や心の闇を見せて欲しかったです。

コチラは、単純な括りをすれば、トラウマによる犯罪云々を描いたものだと思うので、そこを突っ込んでくれないと消化不良は否めません。
でも、とことん描かず、観る側に想像させているところがフランス映画らしいのかしら・・・
                                           (3点)    
Comments (4)   Trackbacks (4)

サロゲート

2010-01-23 14:07:35 | 映画【さ行】

今年に入ってやっと2本目の劇場鑑賞で~す
【story】
身代わりロボット“サロゲート”が活躍する近未来。人間は自宅でサロゲートをリモートコントロールするだけで、リアルな世界に身を置くことはなくなった。ある日、あるサロゲートが襲われ、使用者本人も死亡する事件が起こる。FBI捜査官のグリアー(ブルース・ウィリス)は、サロゲートを開発したVSI社と事件との関わりを捜査するが―
     監督 : ジョナサン・モストウ 『ターミネーター3』

【comment】
時代や背景、目的や状況などは違えども、、、『アバター』や『マトリックス』、『ブレードランナー』や『ターミネーター』、そして『アイ、ロボット』等に通じるSF映画でした~

まぁ~そんな事は予告を観れば想像がつくと思いますが(笑)、、、上記にあげた映画を何だかんだ言って好きな私は、コチラもなかなか楽しめましたよ~
  サロゲート前
さて、コチラの世界では、人間は安全な部屋に籠りっきりで、自由自在、好き勝手な容姿にした自分の身代わりロボット、“サロゲート”に外界の一切を任せっきりでいます。

ぷよぷよーっと中年太りしたオヤジが若い女性のサロゲートを使っても、ヨボヨボーっとしたお爺さんが美少年の姿のサロゲートで外出しても、カサカサーっと若さが足りないオバサンが10代の女の子のつもりで羽目を外しても、、、誰も文句を言う者はありましぇ~ん(一部に個人的希望の記述を含みます)

人間は、容姿の悩みから解放され、そして、外界に接しないために伝染病も減り、ストレスも減り、犯罪も少なくなりました。戦争で死ぬ心配もありません。だってサロゲートちゃんが代わりに戦地に行ってくれるんだもん。
  サロゲート中
ああ~これぞユートピア不測の事態でサロゲートが破損しても、本体の人間には全く実害がないしぃ~ サロゲート万歳~の世の中なのでした。
まぁ~どんなに理想的と思えても、それに反対する者は必ずいますから、、、サロゲート反対派は、人間だけの特別自治区に集まっていますが。

そんな中、信じ難い事故が起きてしまいます。
サロゲートが殺され、その使用者の人間も同時に死んだのです。
その事件を捜査するグリアーは、サロゲート社会を窮地に追い込む特殊な武器の存在を突き止めますが―
  サロゲート後
先にも申しました通り、こういう系列のお話は好きですし、ブルースも好きなので、最後まで飽きずに観れました~
サロゲートってわりと現実に近いようなSFで、面白いところに目を付けたと思います。

ただなぁ~観ていてあまり高揚感のようなものが湧いてこなかったのが正直なところで、、、
展開がやや地味だったのかしら?期待よりもこじんまりとした印象でしたね。

あと、サロゲートを巡る陰謀の首謀者の意図が、、、イマイチ微妙でしたね。
えっと~サロゲートのそもそもの始まりから、結末に至るまでの経緯が、これだともろに『アイ、ロボット』って気もしちゃったので(ネタばれか?

それから、サロゲートによって齎される真の弊害みたいなものがあまり伝えられていなかったので、ちょっと物足りなさもありました。つまり人間サロゲートのような構図がなかったんですよ。
勝手な思い込みだけど、こういうSF設定だと、作用、反作用みたいなものがあるかも―って思っていたので。
とか言いながら、ラストでは結構ジーンとしてしまいましたが(笑)
  サロゲート中身
ところで、サロゲートがある生活ってどんなものなのかしら?
想像するに、便利で快適なようでも、、、落とし穴がいっぱいな気がします。
だいたい本体の人間は寝てばかりでしょ?怠惰になってブクブク太ってしまうじゃん。人とのコミュニケーションだってどうやって取るのよ?寝ている間に部屋が火事になったらどうなる?他人のサロゲートも悪用できそうだし・・・あらら、疑問だらけ(笑)
そんな事はさて置き、『アバター』でも車椅子生活を余儀なくされた主人公が、アバターにより歩けることに喜んでいるシーンがあったけど、、、コチラもそもそもそこが始まりだったのよねぇ~
どんなに技術が発達しても、それに絡んで必ず横道を見つけたり、利益を追求したり、、、人間の欲深さは無限大なんでしょうね~    (3点)

Comments (34)   Trackbacks (83)

【本】アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

2010-01-21 08:38:38 | 本【小説・海外】

    『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』   フィリップ・K・ディック   早川書房

【comment】
 
 こちらの本は、映画『ブレードランナー』の原作で~す
スゴイですよね、『ブレードランナー』って。
だって本の表紙に≪映画化名『ブレードランナー』原作≫って書いてあるんだもの。
本の帯にそういう記述があるのを見たことはあるけど、表紙に堂々と書いてあるのって珍しいかも。映画が有名だぁ~ってことですよね。

それなのに、、、実は、超~罰当たりなことに、大昔この映画を観て、世間の評判とは裏腹にそんなに面白いとは思えなかった私

で、、、少し前にMovie Plusで久しぶりに鑑賞する機会があったので、「近頃いっぱい映画を観て刺激を受けたことだし、今度観たら面白く感じるかも~」って思って観ました。

と・ところがっ(焦・焦・・)、、、やっぱりイマイチだったの~ダメね、私って。

映画を観て感じたことといえば、「紀里谷監督の『GOEMON』の世界観って、この映画の影響を受けてるかも?!」ってことくらいで(滝汗)
個人的には、もう少~し“アンドロイドの悲哀”を感じたかったなぁ~って思ったの。
そこで、原作を読んでみることにしました―

 -story-
第三次世界大戦後、放射能灰に汚された地球では、生きている動物を所有することが地位の象徴となっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた<奴隷>アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた!


とても“哲学的なSF小説”でした―

映画では、私の受け取り方が未熟なせいかもしれませんが、ただただ賞金稼ぎのリック・デッカードアンドロイドという構図で、そこにアンドロイドの悲哀が見え隠れしていましたが、、、そして私はその悲哀こそをもっと感じたくて原作を手にしましたが、、、ちょっと趣の違うお話でしたね(笑)

勿論リックが主役で、脱走したアンドロイドを始末する―という件は一緒でしたので、映画の場面を思い浮かべながら読み進めることが出来たんですが、、、

とにかく物語が持つテーマが違いました―

地球に決定的なダメージを与えた大きな戦争で、地球は死の灰に犯され砂漠化しています。
近いうちに確実に滅びゆく地球―静かに音もなく死に向かう地球は、ともすると『ターミネーター4』が見せた荒廃した地球とは違った残酷な閉塞感と絶望感を醸し出します。

生き残った人間は、“適格者”と“特殊者(灰により異常をきたしてしまった者)”に分けられ、特殊者の烙印を押された者は最早人間扱いされません。ただ死を待つのみの存在です。

適格者たちは、奴隷としてアンドロイドを連れてサッサと他の星に移住する者もおり、人間としての種の保存に躍起になっていますが、その人間たちといえば、自分たちの感情のコントロールされ機械任せでおり、一日の気分をムードオルガン(ダイヤル次第でどんな気分にもなれる機械)に頼っています。

そして、ほんの一握り生き残った“動物”や“生き物”を何よりも珍重し、大切にし、手に入れようと必死でいます。手に入らない者は、本物と寸分違わぬ電気動物を本物のように見せかけ可愛がっています。

更には、宗教じみた方法で、自分たち人間は孤独ではなく、お互いに共感し、感情移入し合えること―自分たちこそが“生”ある価値ある存在だと認識しようとしています。

その崩壊寸前の人間世界を乱すものがアンドロイドです。
彼らは優れた知能と、人間と寸分違わぬ容姿を持った完璧な存在でしたが、一つだけ人間と違うのは“感情”でした。
それをキーとしてアンドロイド狩りをするハンターたち。リックもその一員です。

不思議な雰囲気を持ったお話で、読んでいるうちに、「一体本当の“生”を持っているのは何だろう?本当の“生”とは何だろう?」と変なフワフワとした感覚に陥りました。
リック自身も「自分は人間なのか?どうなのか?」と自問自答しますが、アンドロイドと感情のコントロールを機械に任せている人間、また、生きた動物と電気動物の境界線があやふやになっていきます。

そして私は、人間から除外されてしまった特殊者(ピンボケのジョン・イジドアが出てきます)こそが人間らしい存在に思えて、とても愛らしく思えたりしました。彼についてもっともっと知りたかったなぁ・・・

さて、正直少々七面倒臭いところもありましたが(笑)、慣れてしまえばスッカリこの世界観にハマって読めると思います。
個人的には、映画の単純な構図よりもコチラのお話の方が面白いのでは?と思いました。
リック・デッカードは、ハリソン・フォードが演じたような優秀なハンターではなく、いたって普通の男で、その彼が、アンドロイド、電気動物、他のハンターと関わって苦悩していく様は非常に興味深かったです。
一読の価値あるSF小説なのではないかしら?

さてさて、解説では、作家ディックは、「感情移入は人間の最も大切な能力」と考えていた―と書いてありました。そういう観点でこの小説は書かれたんだろうなぁ~と思います。

今回、あまり読んだことのないSF小説の面白さに改めて気付かされました~
ディックは、『マイノリティ・リポート』(トム・クルーズで映画化)、『ペイチェック』(ベン・アフレックで映画化)、『スキャナー・ダークリー』(キアヌで映画化)、『ゴールデン・マン』(『NEXT』ニコちゃんで映画化)、『追憶売ります』(『トータル・リコール』シュワちゃんで映画化)など有名な作品が多いようですね~
   どれか読んでみようかな            (4点)

Comments (8)

レイチェルの結婚

2010-01-19 17:26:00 | 映画【ら行】

レンタルで鑑賞―
【story】
キム(アン・ハサウェイ)は、姉レイチェル(ローズマリー・デウィット)の結婚式に出席するため依存症の施設から退院する。家に到着した彼女は、結婚式の準備でごった返す家の中を抜け、2階でドレスの着付けをしていた姉と友人のエマ(アニサ・ジョージ)と再会する。彼女たちは屈託なくこれからの準備のことを話し始めるが―
     監督 : ジョナサン・デミ 『羊たちの沈黙』 『フィラデルフィア』

【comment】
心が痛くて痛くて、、、胸が苦しくなりました―
 
キムは、更生施設の入退院を繰り返すクスリの依存症です。
姉レイチェルの結婚式のために施設を退院し、実家へと向かいますが―
 
物語の大半は、レイチェルの結婚式に纏わる様子で占められています。
結婚式のためのパーティー、結婚式の準備、結婚式当日―と、まさにタイトル通りにレイチェルの結婚オンパレードです。
その様子はとてもリアルで、まるで本物の結婚式のホームビデオを観ている感もあり、、、まぁ~正直くどくて飽きちゃうかな?ってところもあったのですが(汗)、、、それというのも、長々としたスピーチや歌やダンスシーンなどもしっかり描き出していたので、、、でも、この映画にはそれが必要だったのかな?とも思います―
 
そして、華やかで幸せな結婚式とは別に、物語の核となっているのはキムを巡る家族の思いです。
それが、、、かなり痛い。

キムは所謂問題児で、、、キムにいつもいつも迷惑を被ってきた父、母、姉。(両親は今では離婚していてそれぞれ別の伴侶がいます)

 
で、、、実は、キムは16才の時にある罪を犯しています。
それは、クスリでハイになっていたために起こった悲劇でした―

それが、、、ネタばれを避けるために書きませんが、あまりにも痛い。痛くて痛くて救いようがありません。

その時からキムが抱えてしまった後悔と自責の念は、どんなに時が経っても癒されるものではないかも―と思いました。
そして、キムに両親の関心を独占されてきた姉の思い。妹とも思いたくない程の憎しみ―
キムを娘として愛しもうとする気持ちと、消えない悲しみの板挟みで苦しむ母の思い―
二度とキムが罪を犯さないように監視し、悲しみからもずっと解放されない父の思い―

個人的には、この家族が何もなかったように一同に会すること自体無理なんじゃーないか?って思いました。

お互いを家族として愛しむ気持ちはあるだろう。
だけど、、、どうしても隠しきれない想いもある―
それは一体どれだけの時間が経てば癒されるというのでしょうか?
 
私はわり楽天的な方ですが、この家族に関しては、妙に取り繕う方がお互いに辛いんじゃーないかな?と思いました。
 
シビアな話で、救いや希望を見出すこと自体イケナイかも、、、と思えるほど痛い話でしたが、キム、レイチェル、両親を演じた俳優さんが上手いせいか、とても心には響いてきました。
ドラマとしては秀作かな―と思います。

最後に、母親がキムに対して言ってしまった言葉―それは本当の思いなのでしょうが、、、キムが可哀想でした。
どんな局面でも、母親ならば、「私にも責任があった―」と言って娘の心を軽くしてあげて欲しかったです・・・                  (3.5点)

Comments (12)   Trackbacks (35)

かいじゅうたちのいるところ

2010-01-17 18:10:18 | 映画【か行】
子どもたちが小さい頃に散々読むのをせがんだ絵本『かいじゅうたちのいるところ』
 とっても短い絵本のお話を一体どういう風に膨らませているのか気になっていました~
今年最初の劇場鑑賞です

【story】
いたずら好きなマックス(マックス・レコーズ)は、ママ(キャサリン・キーナー)とケンカして外に飛び出してしまう。ふと気付くとボートに乗っていたマックスは、海を渡り、ある島にたどり着いていた。島に住んでいる怪獣たちはマックスを見つけ、王様に仕立て上げるが―
     監督 : スパイク・ジョーンズ
     原作 : モーリス・センダック

【comment】
とっても可愛らしい映画でした~

絵本の世界観を大切にして、尚且つ映画だからこそ出せる世界観もちゃ~んと構築してあって、いい映画だな、と思いました。

ただ個人的には、、、ちょっと中盤で退屈しちゃったかも(汗)
お話を知っているから逆に“無理に長~く見せている”ような気もしたのかなぁ?
私的には101分の上映時間よりももっともっと短い方が良かったような気がしました―
 
さてさて、お話の主役はマックス君。どうやら8才の男の子のようです。
いたずら好きのヤンチャ坊主で、甘えん坊の寂しがり屋。ちょっとだけ癇癪持ちで、想像力がとっても豊かな、、、どこにでもいそうな男の子です。
そんなマックスがママに叱られて家を飛び出した後、小舟で海を渡り、かいじゅうたちが住む島に辿り着きます。
そのかいじゅうたちは、大きくて毛むくじゃらで、暴れん坊だったり、我儘だったり、お節介だったり、呑気だったり、、、ですが、マックスはかいじゅうたちの王様になって、一緒に遊んで、そして“いいことしか起きない場所”を作ろうとします―

子どもならではのファンタジーな世界ですよねぇ~
それに、子どものピュアな反抗心やピュアな不安感を上手~く見せてくれていたと思います。
かいじゅうたちは、マックス自身の心を反映していたり、マックスの周りの人たちを反映していたりで、、、感じ方は人それぞれでしょうが、個人的には、ちゃ~んと教育的な雰囲気もあるじゃん―なんて思いました。

まぁ~あんまりメッセージ性を感じるのもかえって興醒めだと思いますが、個人的には、“いいことしか起きない場所”なんてものはこの世にはなく、“嫌なことでもちゃ~んと受け止めて、それをいいことにすることだって自分次第なんだ”的なことを感じましたね~
 
で、、、マックスを演じたマックス君が超~可愛かったですぅ~
それにとっても演技がお上手だったわ~
マックス坊やの微妙な心の動きをちゃ~んと伝えてくれました。

かいじゅうさんは着ぐるみそのもので(笑)、それが温か~な雰囲気があって好きでしたね。
マックスの想像力の世界のかいじゅうなのだから、あまり精巧なかいじゅうだと変ですし(笑)
 
さて、実を言えば、大人目線で絵本を何十回も読まされた私としては(笑)、「この意味がよく分からん本のどこが面白いのだろう?」と疑問だったんですね。
絵本にはそういうものが結構あると思うんだけど、「どこがいいのよ?」ってな本を、ケラケラ笑ったり、怖がったり、子どもらしからぬ神妙な顔をしたり、、、そこには子ども特有のツボがあるんだと思います。
で、、、私としては、映画にはちゃんと意味があって、先にも言ったようにいい映画だな―と思ったんです。でも、子どもが喜ぶかどうか―には疑問があって、、、

という事で、絵本ファンだった息子も一緒に観たので感想を聞いてみました。
すると息子の反応は、「絵本の方が面白い―」というものでした~
理由を聞くと、
「映画では、マックスは家を飛び出して、海で船に乗ったので普通の家出っぽいし、それで知らない島に辿り着いたように見えたので、現実と幻想の区別がつき難い。だけど絵本では、マックスがママと喧嘩して部屋に閉じ籠った後、自分の部屋にどんどん木が生えて、、、森になって、、、波が来て、、、そして船で旅をするので、マックスのイマジネーションだとスグに分かったし、僕はそこがワクワクして好きなところなんだ~」と言いました。
なるへそ~
子どもといえども、それぞれ“好き”には理由があるわけで、、、大人が色んな意見を持つのは当たり前ですね~(なんという感想の締め方だ・笑)
 (2.8点)
←息子のつけた点数
Comments (52)   Trackbacks (82)

ダイアナの選択

2010-01-14 15:08:30 | 映画【た行】

レンタルで鑑賞―
【story】
高校生のダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は、登校後、親友のモーリーン(エヴァ・アムリ)とトイレでおしゃべりに興じていた。そんな時、突如銃声と叫び声が聞こえ、しばらくすると銃を手にしたクラスメートが乱入して来る。いきなり彼女たちは目の前に銃口を突きつけられ、死ぬのは二人のうちどちらかだと言われ―
     監督 : ヴァディム・バールマン 『砂と霧の家』

【comment】
ううううう・・・・・うう・・これは、感想が書き難い映画だぁ~

この映画は、何の前知識もなく観た方がいいと思います~
だから最善の注意を払い、ネタばれなく感想を書かなければ、、、大丈夫かな?私
 
ダイアナ(左)は17才の高校生。
自分の容姿に自信がある。勉強は嫌い。男性関係は派手で、巷では“アバズレ”などという不本意な呼び方をされている。
ダイアナの親友はモーリーン。
信仰があつく、心が広く、優しいモーリーン。
二人は田舎町の暮らしに退屈を感じながらも、一緒に楽しく過ごしていた―

ところがある日、高校で恐ろしい事件が起きる。
クラスメイトのマイケルが銃を乱射し、生徒や先生が次々と犠牲になったのだ―
その時たまたまトイレにいた二人は、やがて犯人に見つかってしまう。
そして信じられない一言を告げられる。
「お前たちのどちらかを殺す。どちらを殺すか選べ―」

ここで、我がことのように心が七転八倒してしまったわ~
皆さんだったらこんな場合どうしますか?
私なら、、、まず犯人に、「お前が死ねよ―」と言うかも。
で、、、そんな事を言って逆上されてしまい、とっとと犯人に撃たれてしまうんだろうなぁ~
 
・・・・・ってな妄想で胸を押さえ、人生に別れを告げて涙ぐんでいると、、、

事件から15年経ち、ダイアナが優しい夫と可愛い娘に囲まれてポーチのある家で幸せに暮らしている映像がババンと目の前に、、、
「ああ~そうですか、ダイアナ、、、貴女はもしかして親友を見捨てたのね?」的な物悲しさと居心地の悪さで、何とも言えない気持ちで大人になったダイアナ(ユマ・サーマン)を観ていると、、、
「ああ~そうか、ダイアナ、、、貴女は“良心の呵責”で辛い日々を送ってきたのね―」ということがヒシヒシと伝わってくる。
せ・切ない、、、切ない話ではないかぁ~

だけど、先程の、超~バカ野郎銃ぶっ放男が問いかけた究極の二者択一問題にダイアナが何て答えたのかは分かっていないので、「一体何て答えたのか?それが彼女の苦しみになっているのだろうし、、、」と、17才のダイアナと32才のダイアナの交互に見せる物語に見入ってしまいました~
 
で、、、ダイアナの現在と過去の映像は頻繁に入れ替わり、観る
人によったらウザイってほどなのですが、、、
若きダイアナの孤独、焦燥感、将来への希望や不安、そして固いモーリーンとの友情、、、
大人のダイアナ良心の呵責、一人娘が自分と同じような性格になることの焦り、、、
などを綺麗な映像に惹きこまれながら観ていると、、、

終盤で、「えっ?これって違う?何かが変だ・・・」って不自然さに気付くのですぅ~
で、、、鑑賞後には、「まてまて、これは一体どういう事なんだ?」って考えちゃいました~

個人的には、鑑賞後、一旦「何???」って困惑しましたね。
でも、その後にジワリ
とした切なさや感動も押し寄せてきて、、、
こういうオチの映画も嫌いじゃーないですし、なかなか面白かったで~す
恐らくキチンと辻褄が合っていて、伏線もチラリチラリと見せていたはずで、、、
鑑賞後に、「そう言えばあの時、、、」とかブツブツと思い浮かべたりしました。
 
それにしても、、、

   
   ***以下、我慢できずにネタばれ気味の叫びをあげています***






   
    「走馬灯(もしくは妄想かな)・・・・・長っ

ああ~気を付けたのに我慢出来ずに叫んじゃってスミマセンです。(ちなみにこの叫びは、個人的な映画の解釈によるものであって、映画の趣旨とは違う可能性もあります~)
えっと~系統でいったらステイ』などを思い浮かべる作品でした(3.5点)

Comments (22)   Trackbacks (28)

コントロール

2010-01-11 13:36:40 | 映画【か行】
レンタルで鑑賞― ≪オススメ映画①≫
【story】
凶暴な犯罪者、リー・レイ(レイ・リオッタ)。死刑執行室で最期の時を迎えたレイは、数時間後に目を覚ます。そして、神経薬理学者のコープランド博士(ウィレム・デフォー)が、ある新薬開発試験の被験者になれば、レイに別の人生を与えようと取引を持ちかけてきた―
     監督 : ティム・ハンター

【comment】
先日、“オススメ映画”を募集したところ沢山の映画をご紹介して頂きました~
どうも有り難うございましたご紹介頂いた映画は少しずつ観ていきたいと思います

尚、引き続きコチラの記事で“オススメ映画”を募集しておりますので、ご協力の方ヨロシクお願いしま~す。

で、、、今回は、りらの感想日記♪のりらさんオススメの映画、『コントロール』です―
 
おっと~(汗)いきなりレイ・リオッタの濃い顔がババーンと、、、

レイ・リオッタ、、、かなりクセのある役ばかりでお見かけしますが、このリー・レイ役もやはりそうでした。で、、、メチャメチャハマり役で良かったですぅ~

映画は、リー・レイの死刑執行シーンから始まります。
そのシーンで、死にゆくレイが自分の人生を走馬灯のように思い浮かべますが、、、不遇な子ども時代、荒んだ青春時代、凶悪な男となってしまった今―を見せ、「ああ~悪い人だけど可哀想でもあったんだ―」と思わせます。

その後、医学開発プロジェクトの研究対象として死を免れたレイを待っていたのは、新薬の実験台としてのモルモット生活でした。
彼に与えられた新薬は“アナグレス”。脳内分泌をコントロールすることにより行動修正をはかる薬です。

ここで私は、映画『時計じかけのオレンジ』の“ルドビコ療法”を思い出しました~
アチラも暴力的な性格を修正する―という趣旨の実験が行われましたから。

ただ、コチラの映画はそれだけにとどまらず、主要登場人物の心の動きをわりと丁寧に追っていたと思います。
で、、、そこが良かった
物語の設定や、レイ・リオッタ、デフォーの登場から、ドンデン返しで魅せるサスペンスなんだろう―と気負って観たのですが、、、そんなにあっ!と驚く展開ではないんです。ハラハラさせますが、どちらかと言うと、観ていて心がシクシク痛み、最後にはヒューマンドラマを観たような一種の感動さえありました―
 
まさに野獣のような凶暴なレイが、薬を与えられてから数カ月で穏やかになっていき、自分の行いを後悔し、涙を見せ、傷を負わせてしまった人に謝りたい!―という気持ちが起こっていく様を観ていると、同情の余地のない凶悪犯であるはずのなに、レイを擁護したくなっていってしまう。
それと同時に、本当にレイは変わったのか?という疑いも拭い切れない。

そこに、レイをつけ狙うロシアンマフィア、彼を凶悪犯とは知らずに想いを寄せる女性(ミシェル・ロドリゲス)、彼が過去に傷を負わせてしまった兄弟などの存在で物語に幅を持たせています。わりと細やかな演出が効いているのではないかしら。

更には、デフォーが演じた博士が、ただの新薬開発に必死になっている頭でっかちという設定ではなく、暴力により息子を殺された過去があること。
また、博士とリー・レイの間に、徐々に一種の友情ともいえる気持ちの芽生えがあること、、、など見所が沢山ありました。

そして、犯してしまった罪は決して消えるものではない―どんなに後悔しても、どんなに改心しても―だから凶悪犯を社会から少なくするには、人の心を操る妙ちくりんな小手先の薬などではなく、やはり子ども時代に健全で愛ある場所が必要で、、、大人になってからも人との温かい関わりが必要なのかも―なんて思わせました。

物語の最後は哀しいものでしたが、最後の最後には、、、なんというか希望が見えます。
サスペンスだけでなくヒューマンドラマとしても受け止められる面白い映画ですので、私からもオススメしま~す                     (3.5点) 
Comments (14)   Trackbacks (8)

ダウト~あるカトリック学校で~

2010-01-08 15:00:05 | 映画【た行】

レンタルで鑑賞―
【story】
1964年、ブロンクスのカトリック系教会学校。校長でシスターのアロイシス(メリル・ストリープ)は厳格な人物で生徒に恐れられていた。ある日、人望のあるフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)が一人の黒人の男子生徒に特別な感情を持っているのではないかと疑念を抱くが―
     監督 : ジョン・パトリック・シャンリー

【comment】
      
怖ぇぇぇ~~~メリル・ストリープ
   
この映画のメリルは凄い。恐ろしく頑なな心の持ち主を見事に演じていましたね~
で、、、観ている間はメリル演じる聖ニコラススクール校長、シスター・アロイシスの恐ろしいまでの迫力にただただ目を見張っていたのですが、、、
鑑賞後、だんだん「こういう女性って結構いるかも・・・」と思い始め、、、
『ダウト~ある幼稚園の園庭で~』とか、『ダウト~あるマンションの一角で~』とか、『ダウト~ある会社の給湯室で~』とか、、、えらく身近なものに思えはじめちゃったの~そうしたらもっともっと恐ろしさが増したじゃーないのよぉ~くわっ

えっと~さっきから怖いとか恐ろしいとか言ってますが、別にホラーではありませ~ん。
人間の心の闇というか妄執というか、、、にビビるって感じですね。

少し違いますが、系統としては『あるスキャンダルの覚え書き』なんかを思い出しましたね~
ソチラ
でも中年女性の恐ろし~い心理が浮き彫りになっておりましが、、、
ああ~つくづく女性という生き物の不可解さ、おぞましさで胸が痛くなりますです。

で、、、そこの貴方
万が一こういう女性と関わってしまったら、まず、「なるべく関わらず、当たり障りなく接する(お天気の話などでお茶を濁すのが適当かと思われます)」ようにし、もし目をつけられてしまったら、「運命だと思って諦め、被害を最小限にし、必死に逃げるっっっ」しか道はありません

 
さて、物語には大した動きがあるわけではありません。
舞台となるのは1960年代のカトリック学校。
そこの3人の聖職者が織りなす人間模様を描いているだけなんですよ~

保守的で厳格なシスター・アロイシス、進歩的で人望のあるフリン神父、純粋で心優しいシスター・ジェームズ(エイミー・アダムス)―はじまりは、ジェイムズが抱いた小さな疑念(ダウト)

「もしかして、、、フリン神父は学校でただ一人の黒人の男の子を誘惑したのではないか?」
 
その確証なき疑念をアロイシスに伝えたジェイムズには何の悪意もありませんでした。
だけど、そのジェイムズの純真さ故の“疑念”が、アロイシスに伝わった時点で、確固たるドス黒い“事実”となって独り歩きし始めます。
アロイシスは、“フリン神父が男子生徒を誘惑した”と決めつけ、フリン神父を学校から追い出そうとするのです。
フリン神父がどんなに釈明し、ジェームズがどんな口添えをしようとも、最早彼女の中で事実となってしまった事に揺るぎはありません―

私は、ジェームズが言ったように、元々フリン神父を嫌いだったアロイシスの感情が彼女をああいう風に駆り立てたのだろう―と思いました。
アロイシスはきっかけを待っていたのかも、、、とも思いましたね。
また、彼女自身が過去に大きな罪を抱えていて、その罪悪感を他者の罪へとすり替えようとしているようにも見えました~
 
さて、では、フリン神父は男子生徒に何もしなかったのか?―というと、、、それにも確信が持てませんでしたね。流石フィリップ・シーモア・ホフマンです(笑)
彼の容姿と醸し出す雰囲気で、「やっちゃったんじゃーないの?」とも思えたし(はしたなくて失礼・汗)、アロイシスの女郎蜘蛛のような粘着質な罠に引っ掛かっただけで、ただ情が厚く、理想が高く、子どもと宗教を愛する人にも見えました~

フリン神父に罪はなかったか?―その真実は分かりませんが、疑いの心が生み出す負のパワーの恐ろしさや不寛容の醜さなどをヒシヒシと感じるドラマでした。
また、この映画は、メリル、フィリップ、エイミーのキャストの素晴らしさが重厚な人間ドラマにしたと思います。
この3人だからこその映画で、非常に見応えがありました―      (3.5点)

Comments (26)   Trackbacks (52)

【本】ダイイング・アイ

2010-01-06 22:21:10 | 本【小説・日本】

         『ダイイング・アイ』        東野圭吾        光文社
【comment】
   まさに“ダイイング・アイ(死にゆく目)”・・・面白かったです

これは随分前に古本屋さんで買いました。

私は、そんなに東野さんの作品のファンって訳でもなくて(汗)、読んだ作品も少ないのですが、このホラー風味の効いたミステリは好みでした―

  -story-
 許さない、
 恨み抜いてやる、
 たとえ肉体が滅びても―。

記憶を一部喪失した雨村慎介は、自分が死亡事故を起こした過去を知らされる。なぜ、そんな重要なことを忘れてしまったのだろう。事故の状況を調べる慎介だが、以前の自分が何を考えて行動していたのか、思い出せない。しかも、関係者が徐々に怪しい動きを見せ始める・・・・・。

 俺をみつめるマネキンの眼。
 そいつは、
 確かに生きていた。


考えたら、、、プロローグに全ての謎のはじまりが集約されているんですよ~
交通事故によって突然断たれてしまった一つの命―
さぞかし無念であったろう、その死者の想いが、こういう物語を作り上げた。
それはそれは切なくもあり、恐ろしくもあり、、、

主人公の雨村慎介はバーテンダー。
ある日、仕事帰りに、頭を鈍器で殴られて瀕死の重傷を負います。
その犯人は、雨村が1年半前に交通事故で死なせてしまった女性の夫でした。
だけど、慎介には何故か自分が起こした人身事故の記憶が欠落してしまっていた―

一人の人間が死に至るほどの重大な事故を起こしたにも関わらず、その記憶がないことに違和感を持った雨村は、関係者から話を聞き、事故前後に関する記憶を取り戻そうとしますが、徐々に周りで不可解な出来事が起こってくる。

 同棲している成美の突然の失踪
 事故当時に雨村の雇い主だった江島の不自然な態度
 多重事故だったという事故のもう一人の加害者、木内の不可解な行動
 被害者の夫、岸中が製作していた亡き妻に似せたマネキン
 そして、謎の女、瑠璃子の出現―

一体事故にはどういう秘密があり、雨村はどういう状況になってしまうのか―
非常に興味を引きつけられました。
特に瑠璃子の行動は尋常ならざるもので、瑠璃子に会った瞬間から惹かれてしまった雨村が、彼女との過激なセックスを経て、目的不明に監禁されたりして、、、不可解でしたね~

物語は、怨念や霊や催眠術などのホラーチックな雰囲気を伴いながら進みますが、ラストには、事故についてのカラクリや皆の不自然な行動にも納得がいき、なかなか上手いミステリだったと思いました。
そこに、年間で多くの方が命を落とされる人身事故について、被害者の遺族の方は一生忘れられない傷を負い、それに比べて加害者の方はどうか?―という記述が何度か挟まれるので、被害者サイドの想いについて思いを巡らせました。

ただ、少し強引で説明不足なところはあったかな?と思います。
特に瑠璃子の行動に関しては、もう少し説明が欲しかったかなぁ~
かなり過激な性描写などもあったのですが、そこまでする意味が伝わってこなかったです。
また、マネキンの存在が非常にオカルトチックでいい味でしたので、そこをもう少し掘り下げても良かったかな、と思いました。

それを差し引いてもかなり魅力的なお話で、ドラマにもなりそうだなぁ~なんて考えました。
今まで読んだ東野さんの作品と違った味が良かったです (4点)

Comments (7)   Trackbacks (7)

ゆれる

2010-01-04 00:06:20 | 映画【や行】

      ~明けましておめでとうございます
              今年も宜しくお願いします~

今年最初の記事は、年とは何の関係もないコチラです―

レンタルで鑑賞―
【story】
東京でカメラマンとして成功している猛(オダギリジョー)は、母の一周忌で帰省する。彼は実家のガソリンスタンドを継いだ兄の稔(香川照之)や、そこで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会し、3人で近くの渓谷に行くが、猛が単独行動している間に、稔と渓谷にかかる吊り橋の上にいた智恵子が転落する―
     監督・脚本 : 西川美和 『蛇イチゴ』

【comment】
名作と耳にしながらついつい後回しになってしまい、、、今頃のこのこ鑑賞しました。

 で、、、一体どっちなんだ殺したのか殺していないのか

 
あわわ、、、スミマセンいきなり声を大にして疑問をぶちまけちゃって、、、

いくら短気で短絡的で節操のない私でも、この物語の結末がどういう種類のものか―ってことは分かっているつもりです。
そう、これは、俗に言う“藪の中”的なお話で、真相は観る者に委ねられている形をとっているんですよね。

だけどモヤモヤする、、、どっちなんだっ
って、観終わった後に悶々しちゃう―
 
さて、物語は超~有名だと思うので、簡単にサクッといきますが、、、
早川家の長男、稔は、家業のガソリンスタンドを継ぎ、誰にでも優しく、とても真面目な真人間。
一方次男の猛は、東京でカメラマンとして成功し、女性関係もお盛んで、華やかな生活を送っている。
そんな二人が久しぶりに再会する―
間には幼馴染の智恵子・・・
稔は、一緒にガソリンスタンドで働く智恵子に密かに好意を抱いている。
猛は、昔智恵子と付き合ったことがあるようだが、今は興味がない―はずだった―

だが、猛は、兄と仲良くする智恵子を見て、つい智恵子にちょっかいを出してしまう。
翌日、3人で渓谷へと出掛けるが、猛が一人離れた場所にいる時に、吊り橋から智恵子が転落死する―
 
まず、声を大にして言いたいのですが、
  オダギリ&香川の演技がスゴイ
お二人ともスゴイ俳優さんですし、スゴイだろうとは思っていましたが、まさかここまでスゴイとは、、、
お二人の演技を観るだけでも価値はありますね、確実に。

それから、この脚本、、、何なんですか?スゴイじゃーないですか~
細かいところにもググッときましたよ。心理描写の妙に、心がまるで美味しいものでも食べたように舌鼓を打ちまくり。

 智恵子を巡る兄弟の思い。智恵子の死によって吐き出される思い―
 逃げてばかりの人生を送っていた猛と、つまらない人生に身を置いた稔―

ゆれる吊り橋から落ちた智恵子。そして稔と猛の思いも揺れ、観る者の心をも揺らす―

果たして智恵子の死は、事故か故意か?
揺れる水面がなかなか収まらないように、鑑賞後もいつまでもいつまでも揺れ動きました。一体どっちだったのか?ラストカットの後、兄弟はどうなっているのか?―と。
 
と言う事で、答えのない回答を求めて悶々としています。
 兄の腕についた傷が智恵子の爪跡だとしたら?
 智恵子転落後の兄弟の第一声は、明らかに殺人を示唆している?
 何故傷を見た弟は兄のシャツを下げて傷を隠した?
 橋の上からの声は遠くに聞こえても、逆は聞こえない?
 弟は逃げる性格。何から逃げた?自分が見てしまったことから逃げた?
 どうして弟は証言を翻した?
 何故兄は反論しない?
メビウスの輪のように堂々巡りの考えが浮かんでは消え、、、こんなにいつまでも考えさせる映画は久しぶりですね。

私は、カメラマンである猛が真相を写真に撮ってあるのではないか?って密かに思っていたんです。
で、、、映画の最後にそれが登場するかも―なんて、サスペンスのネタばれ形式を期待していたのですが、、、


ということで、、、鑑賞された方のご意見をお聞かせ頂ければ嬉しいです。
「この映画の見方はそうじゃーないよ―」とのご指摘は分かりますが(笑)、それはそうとしてですね、事故だったと思いますか?殺人かしら?あの後兄弟はどうなるでしょう?
  オダギリジョー君が最高にセクシーでしたわん (4点)

Comments (52)   Trackbacks (43)