★YUKAの気ままな有閑日記★

とても残念ですが、長期的にお休みします^-^*皆さま素敵な年末年始をお過ごし下さい☆

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ROCK YOU![ロック・ユー!]

2008-01-31 09:00:00 | 映画【英・数字】
レンタルで鑑賞―
【story】
平民の若者ウィリアムは、ジュースティングをして諸国を巡る騎士エクスター卿の従者をしていた。ある日、卿が不幸にも命を落とすとウィリアムは大会に出ることのできない平民であることを偽り出場、みごと優勝してしまう。そしてこの時、ウィリアムの心の中で何かに火が点くのだった―
     監督 : ブライアン・ヘルゲランド 『ミスティック・リバー』 『悪霊喰』

【comment】
ヒース・レジャーは、28才という若さでこの世を去ってしまった―
一映画ファンとしては、彼の死にかなりのショックを受けて、その訃報を信じられない気持ちで聞いた。
そこで今回は、ヒースを偲んで、若々しくピュアで美しい彼が眩しい『ROCK YOU!』を久しぶりに観賞した。

  

物語は、一人の若者が夢を叶える純粋なサクセスストーリーだ―
わりとベタな展開ではあるが、登場人物が個性的で魅力的であること、コスチュームやセット、音楽などのセンスがいいこと、中世のロマンが溢れていることなどから、最後まで楽しみながら鑑賞出来るナイスなエンタメ作品に仕上がっている。

時は14世紀。平民のウィリアム(ヒース・レジャー)は、小さい頃から「騎士になりたい―」という夢があった。
だが、爵位を持つ者のみが騎士となれるご時世では叶わぬ願いだった。
ウィリアムは、ジュースティング(馬上槍試合)をするエクスター卿の従者だったが、ある日、大事な試合直前に卿が突然命を落としてしまう。
その時ウィリアムは、決して大会に出ることの許されない平民であることを隠し、卿に成り済まして出場し、優勝してしまう。
その後、偽りの身分証明書を手に入れたウィリアムは、各地で行われる馬上槍試合の大会に仲間たちと共に次々と参加し優勝を重ねていくが―
   「人は自分の運命を変えられる―」
 

ただの従者だったウィリアムが、どんどん強く逞しくなっていき、貴婦人ジョスリン(シャニン・ソサモン)と恋に落ちたり、名手アダマー伯爵(ルーファス・シーウェル)と火花を散らしたり・・・
お約束の展開ではあるが、最後まで飽きさせない爽やかで心躍る物語だと思う。

だが今回は、QUEEN の「 We Will Rock You 」などの音楽をバックに、中世の騎士のコスチュームを身に纏ったヒースを観ていると、、、ワクワクしながらも涙が出てしまった・・・

「無造作なクシャクシャな金髪がスゴク可愛いなぁ~」と思ってグシュ
鼻歌を歌うヒースを観て、「あっ!!ヒースは歌も上手いんだ・・・ミュージカルも出来ただろうになぁ~」と思ってジワリ
ダンスを踊るシーンを観て、「ダンスも上手いなぁ~身のこなしがとてもスマートだよぉ~」
そして、「真剣な顔と笑顔のギャップが素敵だな・・・スタイルは美しいし、馬に乗る姿には気品があるじゃーないの・・・キスシーンもとてもセクシーだわ~~ん」と思いながら、思いきり涙を流してしまった―

  
『ブロークバック・マウンテン』『カサノバ』に続いて、こちらのDVDも購入しようと思う。
      この映画のヒースが1番好きかも・・・ (4.5点)

            ~謹んでご冥福をお祈り致します~
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【本】螺鈿迷宮

2008-01-30 09:17:00 | 本【小説・日本】

         『螺鈿迷宮』       海堂尊       角川書店

【comment】
最近お気に入りの海堂 尊氏の作品を 『チーム・バチスタ~』『ナイチンゲール~』『ジェネラル・ルージュ~』そして『螺鈿迷宮』の順に読んだ。
これは出版順とは異なるが、この順番で読んだ事は良かった気がする。
『螺鈿迷宮』は、『バチスタ』から1年半後、『ジェネラル』の後の物語であるので、すんなりと受け入れられたのだ。
で・・・とても面白い大満足の作品だった

まもなく『チーム・バチスタ~』の映画が公開されるようだが、あの物語は映画化に向いていないのでは・・・と危惧している。(余計なお世話・汗)
だが、コチラは映画化しても面白いのではないか―と思える物語だった。
テーマ性、キャラ、物語展開、ビジュアル、笑い、派手さ、不気味さ・・・沢山の要素が詰まった1級のエンタメ作品だったからだ―
 
  -story-
この病院は、あまりにも、人が死にすぎる――

東城大学の医学生・天馬は、留年を繰り返し既に医学の道をリタイア寸前だった。
ある日、幼馴染みの新聞記者・葉子から、碧翠院桜宮病院に潜入できないかと依頼を受け、取材と行方不明者捜索を兼ねてボランティアとして潜入することになる。
碧翠院桜宮病院は、終末医療の理想を掲げ、老人介護センター、ホスピス施設、寺院を一体化させた複合型病院であり、終末医療の最先端施設としてメディアも注目する素晴らしい病院に思えたが、一方では黒い噂が絶えず、財政難でもあり、東城大学とも深い因縁があった。
ボランティアだったはずの天馬は、トロイ看護師姫宮のせいで次々と怪我をさせられ、入院する羽目に陥り、結果的に病院長の巌雄、副院長の小百合、すみれなどと深く関わっていくことになる。
その病院は、入院時に病院系列の会社社員になり、末期の患者であっても食事当番などの院内雑用をこなし普通に生活する―という特徴があった。
だが、死に近い患者たちには、『薔薇のお告げ』があり、まるで死をコントロールされているかのように翌朝には亡くなってしまう・・・
更に、亡くなった患者は直ちに全て解剖され、あっと言う間に荼毘にふされるのだ。
この不自然な構図を知った天馬は、皮膚科の非常勤医師・白鳥とともに、碧翠院桜宮病院の闇と対峙していく―


『医学とは、屍肉を喰らって生き永らえてきた、クソッタレの学問だ―』
本作の中心に潜むテーマはこれだろう。
これは、医学というものに真剣に向き合っているものだけが吐ける血の通った言葉だ。
恐らく筆者自身が現場を通して感じてきた数々の生と死に対する真摯な思いから、この物語は生まれたのだろう。
だからこそ、『医学ミステリ』という枠では収まりきれない程のパワーを感じさせる。
筆者は、医療が抱えている問題を、小説という形を通して私たちに伝えてくれる。
ある時はオブラートの包みを外し、またある時はフィクションの衣を着せて。
そして他の追随を許さない程の魂の籠った魅力を内胞しているのだ―

さて、本作は、他の3作品とはちょっと毛色が違うが、テーマ性が非常~に強い興味深いものだった。
筆者自身が語っているが、最早これは、『医学ミステリ』というよりも『医学はミステリ』という類の作品だろう。
漠然とした被害者と焦点の定まらない加害者―見えてくるのは医学の光と闇だ。
だから、この作品に、犯人探しのミステリや白鳥の素っ頓狂なキャラなどを期待をすると肩透かしを食らうかもしれない。
私はそういう概念を抜きにして、この物語を心底楽しめた。
正直に言うと、少々荒唐無稽のところはあるのだが(汗)、構成が上手く文章が巧みなので、読み手をグイグイと惹きつける。
前半では声を出して笑い転げ、中盤ではちょっと良からぬ方向への転換に不安になり、後半でグワーっとシッカリ纏められて「アッパレー」と思い、ラストで不気味な余韻を感じた・・・
つまり、小説のフルコースをキチンと味わわせてくれたのだ。
東城大学シリーズの中核である白鳥&姫宮コンビが、少々パワーダウンと思われる方もおいでだろうが、物語がビシッと締まっているのだから、あまり細かいことは気にしたってしょうがないと思う。
それに私は、今回登場したどのキャラに対しても生の息吹を感じたし、それぞれの死出の旅にも思いを馳せた。
親しみを持って、または畏敬の念を抱いて接しられたのだ―(妄想の中で・笑)


さて、この小説について、筆者自身がどうしても訴えたかった事を、とあるページで見つけたので紹介したいと思う。

『毎年百万人以上亡くなる日本で、解剖率はたったの4%、4万人分くらいしか解剖は行われない。この数字は病理解剖、行政解剖、司法解剖の三者の合算で、司法解剖だけなら1%前後、予算も年間1万体弱分しかつけられていない。信じられますか? 先進諸国ではぶっちぎりの最低レベルなんですよ。世界トップクラスの経済大国なのに、こんな医学の基礎の大切な所にお金をケチるなんて、全く情けない話です。
そうした問題を解決するために登場した秘密兵器が、エーアイ(オートプシー・イメージングの頭文字、Aiのこと。訳語は死亡時画像病理診断、または画像解剖)なんです。』

こういう事を踏まえた上でこの物語を読めば、ただのミステリではない違った受け取り方が出来ると思う。
海堂さんの作品に興味のある方は、是非こちらの本を手に取ってもらいたい―

  次回は『ブラックぺアン1988』を読みます~  (4.5点)

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≪干支でシネマ≫バトン^-^*

2008-01-28 08:47:35 | バトン

いつも仲良くさせて頂いている『小部屋日記』 アイマックさん 『虎猫の気まぐれシネマ日記』 ななさんから≪干支でシネマ≫バトンを受け取りました  
どうもありがとう~
早速楽しんでやってみましょう^^・

 【子】ねずみ 
         
     『レミーのおいしいレストラン』         

 【丑】うし  
       
     『源義経』        
いや・・
・『うし』が思いつかなくて タッキーの大河ドラマ『源義経』はどうでしょう?
『牛若丸』ってことで

 【寅】とら   
       
   『トゥー・ブラザーズ』      『ドクター・ドリトル』        ティガー
      
  トラの兄弟の愛情物語。ガイ・ピアーズとフレディ・ハイモア君が出ていたっけ♪

 【卯】うさぎ 
          
   『ウォレスとグルミット~』             『ミス・ポター』
             このブタ鼻がキャワイイ~

 【辰】たつ   
         
    『千と千尋の神隠し』    『ネバー・エンディング・ストーリー』
     ハクとファルコンなんだけど・・・ソックリの構図だわ~

 【巳】へび   
             
  『ハリー・ポッターと秘密の部屋』        『クレオパトラ』
                              
   巨大なヘビが出てきたよね~       猛毒のコブラに噛ませて・・・

 【午】うま    
    
      『レジェンド・オブ・ゾロ』
  イマイチ馬が思いつかず・・・ゾロの愛馬でいいでしょうか(汗)

 【未】ひつじ   
     
     『ブロークバック・マウンテン』
   ヒース・レジャーの突然の訃報には本当に驚きました。
     ~ご冥福をお祈りします~

 【申】さる    
         
     『西遊記』        『猿の惑星』     『キングコング』
      この3作品・・・意外にみんなイマイチだったような気が

 【酉】とり     
   
   『チキン・リトル』

 【戌】いぬ   
        
     『もののけ姫』     『スクービー・ドゥー』
                     
                  アニメも結構好きー
 【亥】いのしし  
   
   またまた『もののけ姫』
 以上で~す
 ああっ~バトンにジョニーを入れなくっちゃー

 ジャックの代わりに王さまになるのは『いぬ』

金貨を『さる』に取られた

何故怯えるかというと・・・
 黒い『うま』に跨る首なし騎士を見ちゃったのよね~

では、次に回すブロガーな人たちですが・・・

  『+++Candy Cinema+++』 Anyさん
  『映画とワンピースのこでまり日記』 こでまりさん
  『Jo Jo気分で映画三昧+α』 Jo Joさん

に、お願いしたいと思います。ヨロシクお願いしま

以前やっていたり、ご多忙でしたらスルーでもOKですよ~
とりあえず、バトンを・・・
   
 『さぁ~投げるわよぉぉぉ~

≪コピペ用≫
【子】ねずみ
【丑】うし
【寅】とら
【卯】うさぎ
【辰】たつ
【巳】へび
【午】うま
【未】ひつじ
【申】さる
【酉】とり
【戌】いぬ
【亥】いのしし
次に回すブロガーな人たち

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テラビシアにかける橋

2008-01-27 11:05:15 | 映画【た行】

子どもを連れて鑑賞―
【story】
女兄弟ばかりの貧しい家庭で育った10才のジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)と、引っ越してきたばかりの個性的な少女レスリー(アナソフィア・ロブ)。学校を牛耳るいじめっ子のターゲットにされてばかりの2人はやがて親友同士となり、近所の森に美しい空想上の王国“テラビシア”を作る―
  ~国際アンデルセン賞を受賞したキャサリン・パターソンの同名児童小説を映画化~
  監督 : ガボア・クスポ

【comment】 (*ネタばれしています)



ダメ・・・立ち直れない―
前知識を全く持たずに、「ファンタジー映画っぽいのかな?」と思って、息子を連れてルンルン気分で劇場へ向かったんだけれど・・・
まさかあんな悲劇が起きるとは―
周りの目を気にする余裕もなく、凄い勢いで泣いちゃった。
「誰か嘘だと言って・・・哀し過ぎるぅぅぅ~」って― メソメソ

そもそもこの物語は、著者が、お友達を亡くして哀しむ息子さんのために書いたものだそうだ。
その事を、私のようなヘナチョコは鑑賞前に知っておくべきだったなぁ~と思う。
知っていたら覚悟が出来ただろうし、こんなに落ち込むこともなかった。
もしかしたら観に行かなかったかもしれないし― (子どもの悲劇に耐えられない性質なので・汗)

 
絵を描くことが好きで想像力がとても豊かなジェスは、家族の中でも学校でも常に疎外感を持っていた。
家では4人の女兄弟に囲まれて居場所がなく、ただ父親に指図された手伝いを黙々とこなす。そして学校では貧しさをからかわれたりする日々―
ある日、隣の家に、同じ年のレスリーが越してくる。
レスリーは、活発で賢い女の子だったが、風変わりだったためにイジメの標的になる。
やがて、ジェスとレスリーは仲良くなり、森の奥で、2人だけの秘密基地『テラビシア』を作って遊ぶようになる。
「心の目を開いて―」
2人の空想が生んだ楽園テラビシアでは、何でも出来たし最強になれた。
そして、現実の世界でも少しづつ問題に立ち向かう勇気と強さを持っていく。
だが、ジェスがレスリーに黙って外出したある日、信じられない悲劇が起こる―
 

子どもなのに、自分の人生に一種の諦めを持っているような内に閉じこもっていたジェスが、心が通じ合うレスリーと出会ったことで、だんだん明るくなっていき、、、大きな悲しみを通して父親の愛情を肌で感じていく―その様子には涙が止まらなかった―

鑑賞後にチラシを見たら、『誰もが子どもの頃に持っていた想像力の豊かさ、そして悲しみを乗り越える勇気をの力を描いた感動の成長物語―』と書いてあった。
確かにそういう要素をふんだんに持った良作だと思うし、『チャーリーとチョコレート工場』に出演していたアナソフィアちゃん『ザ・スーラ』でお兄ちゃん役だったジョシュ君は、とっても演技力があって、主役の2人を活き活きと演じていたと思う。
だけど・・・
あえてズレた感覚であるのを承知で言うと、「少年は、少女が死ななくたって成長出来るじゃないの~」とか、「あの子は、どんなに時が経ったって、きっと美術館に誘わなかったことを後悔するわ~」とか思ってしまうのだ
理不尽な突然過ぎる死に直面したとしても、思い出を宝物に生きていく―その勇気は大切だけど、少女の時間があそこで止まってしまったと思うと遣り切れない・・・
原作は『親が子どもに読ませたい本』だそうだが、私が子どもだったら読みたくないなぁ~
泣いちゃって泣いちゃってトラウマになりそうなんだもん。
この年でもメェーメェー泣いて感想が書けないというのに―

すると、私の様子を見ていた息子が、
「そんなに泣かないでよ。空想であんな世界を作るなんてスゴイ話じゃん。面白かったよ。
それよりボクが嫌だったのは、テラビシアのお姫様をジェスの妹にしたことだよ。
あそこは、レスリーとジェスの王国だったんだから、たとえ死んじゃっても絶対にレスリーであるべきだよ。
それと、ボクが一番驚いたのは、ダークマスターがジェスのお父さんだったことだね。
きっとジェスにとっての怖い存在だったんだねぇ~」と言った―

        息子よ・・・何故にそんなに冷静なのだ。
        母がこんなに目を腫らして喚いているというのに―   (3点)    

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あるスキャンダルの覚え書き

2008-01-25 18:07:00 | 映画【あ行】

レンタルで鑑賞―
【story】
ロンドン郊外の中学校で歴史を教える初老のバーバラ(ジュディ・デンチ)は、若く美しい新任の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)に興味を抱く。家族も親しい友人もおらず、飼っている猫だけが心のよりどころだったバーバラは、シーバとの友情に固執するようになる。しかし、ある日、シーバの秘密を知り―
    監督 : リチャード・エアー 『アイリス』
    ~アメリカで実際に起こった事件を題材とした小説の映画化~

【comment】
『誰もが私を信頼して悩みを打ち明ける。
   私は誰に相談すればいい?  あなたよ、日記さん―』  キモイっっっ

しょっぱなから尋常でないバーバラの語りで始まるこの映画。
人間のおどろおどろしい心の闇が3時のおやつよりも大好物な私は、このセリフに脱兎の如く食いついた。
自分で孤独を選んだのか、それとも選ばざるを得なかったのか・・・全身に孤独オーラを纏ったバーバラが、予定のない生活の中で唯一見出した楽しみは、他者を観察し、日記に書きとめることだった。
それだけだったら罪はなかったであろうに、バーバラは、自分が勝手に選んだターゲットに極端に妄執する癖があった。
それも自分に都合のいいシナリオを築きあげて―      

 
 
狙われたのは、バーバラが勤める学校に新任教師としてやってきた若く美しいシーバ。
シーバは、裕福な年の離れた夫(ビル・ナイ)を持ち、2人の子どもの母でもあったが、息子が障害を持っているためもあってか心に弱さを秘めていた。
また、屈託なく誰からも好かれていたシーバだが、実は自分に自信がなくオドオドしているところもあった。
そんなシーバを、『謎めいているのか愚かなのか・・・妖精のような女―』と、遠巻きに観察を続けていたバーバラだったが、とある事件をきっかけにシーバの信頼を得る。
きっとシーバの弱さが、バーバラの強さに惹かれたのだろう―
だが、シーバが軽い気持ちで普通の友情を示したことが、バーバラにとっては至福の出来事だったのだ。
バーバラは、シーバを生涯を共に歩む相手と思い込み付き纏う―


 

さて、シーバであるが、コチラも相当の困ったちゃんで、こともあろうに15歳の教え子と肉体関係をバンバン持ってしまう。
美しく、裕福で、家族に囲まれ、恵まれた環境であったとしても、彼女には埋まらない心の隙間があったのだ。
だが、その現場をバーバラに目撃されてしまう。
そしてバーバラは、シーバの秘密を共有することで、彼女を支配出来ると考えるのだ―
 
 

この作品の魅力は、何といっても2大女優の迫真の演技にあるだろう。
だが、惜しむらくは、バーバラの猫が死んでしまうあたりまでは、物凄く見応えがあって面白い物語が、その後失速してしまったように感じたことだ。
思うに、バーバラの偏執的で異常な性格を描き切っていないのだ。
前半からずっとバーバラの気味の悪さをつらつらと見せることに成功しているのに、最後の最後でバーバラの一種の狂気を爆発させないまま終息させたことに消化不良を覚えたのだと思う。

例えば、あそこまでシーバに執着していたバーバラが、彼女に裏切られたと感じたとはいえ、あんなに簡単にシーバの秘密を他者に打ち明けるものだろうか(シーバばかりが男性から関心を持たれることに嫉妬をしたとしても)。その辺りから丁寧だったバーバラの物語に唐突さを感じた。
また、バーバラのような人間と関わってしまう末路は、もっと凄まじい結果になってもいいはずだとも思った。
発想がかなり漫画的で申し訳ないが、シーバが、バーバラの元を去ろうとした時に、砕けた鏡の破片で切りつける―などの感情の爆発があった方がシックリきた気がした。

一方、シーバの描き方はまずまず上手かったと思う。
甘えや弱さがあったシーバが、感情を行き着くところまで暴走させ、彼女なりの終着点を見い出せていた気がしたのだ。
手痛い罰を受けることになったシーバだが、もしかしたら、やっと本当の意味で自分自身の人生に向き合えていくのではないか―


  孤独が生み出すもの―
       それは想像以上に狂気を孕んでいるのかもしれない  (3.5点)

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シルク

2008-01-23 18:22:10 | 映画【さ行】

イマイチ主役に興味をそそられないが・・・まぁ~観てみようかな
【story】
1860年代のフランス。蚕の疫病が発生したため、軍人のエルヴェ(マイケル・ピット)は、美しい妻エレーヌ(キーラ・ナイトレイ)を残して日本へと旅立つ。幕末の日本に到着したエルヴェは、蚕業者の原(役所広司)が連れていた“絹”のように白い肌の少女(芦名星)と出会う。以来、エルヴェは少女が頭から離れなくなってしまう―
     監督 : フランソワ・ジラール 『レッド・バイオリン』
           原作 : アレッサンドロ・バリッコ 『海の上のピアニスト』
      音楽 : 坂本龍一

【comment】
美しい映像と音楽に乗せて、静かな愛の物語が、情感乏しく
描かれていた―

いや(汗)、思うに(滝汗)、こういう淡々とした流れの物語では、主人公であるエルヴェとエレーヌの心情をもっと伝えてくれなければ、感動のバーに辿り着けないのではないだろうか。
それに、全編を通して今一歩描き方に物足りなさがあったため、エルヴェの憧憬も、エレーヌの献身も、日本の神秘性も・・・全てが中途半端に思えてしまった。

  

絹の生産で栄えるフランスの田舎街に住む青年エルヴェは、エレーヌと恋に落ち、やがて結婚する。
ある時エルヴェは、蔓延する蚕の伝染病で苦しむ街を救うため、良質の蚕を求めて、単身で最果ての国日本へと旅立つことになる。美しい妻を一人残して―
長く苦しい旅の末、日本に辿り着いたエルヴェは、山形地方で蚕の業者を営む原と知り合い交渉に成功し、蚕の卵を買い付ける。
それは地元に大きな利益をもたすことになり、自分も裕福となり、愛する妻と庭のある家を持てるまでになる。
だが、エルヴェは、密かに日本で出会った美しい女性に魅せられていた―
その女性の面影を忘れられないエルヴェは、命の危険を顧みず、再び情勢の不安定な幕末の日本へと向かうのだ。
     あの女性に会いたい―

  

エルヴェは、日本で出会った美しい女性の神秘的な部分に心惹かれたのだろうし、その女性の描き方を見れば、監督が日本をどう捉え、どう描きたかったのかも必然的に分かってきたのだが、、、エルヴェの心理にまで神秘のベールをかけることもあるまいに・・・と思った。
いや(汗)、もしかしたら(滝汗)、エルヴェを演じたマイケル・ピットの表情や感情表現が乏しかったのかもしれないとも思う。
私には、どの場面でも彼の顔つきが同じような『無関心な表情』に見えてしまった。
例えば、初めてエレーヌに出会った時の顔も、なんら心動かされているようには見えなかったし、物凄~く大変だったであろう日本への旅路であってもどこか飄々として見えた。
また、幽玄的に佇む女性が全裸で湯に沈む様子を見つめるエルヴェでさえも、、、どう~も無関心に見え、こう葛藤とか、欲望とか、、、そういう感情を見いだせなかったのだ。
そのせいもあって、妻を愛しながらも異国の女性の神秘に心奪われ、命をかけて何千キロも旅するエルヴェの気持ちが妙に宙ぶらりんに思えてしまった。

  

一方、思いの外登場シーンが少なかったキーラは、上手く『待つ女性エレーヌ』を演じていたと思う。
だが、いかんせん出番が少な過ぎて、ラストで感動を呼ぶはずの手紙のエピソードが、イマイチ胸にストンとは落ちてこなかった。
この物語で、妻エレーヌの深い愛を描くのであれば、もっとエレーヌの人となりや心情を見せる場面があっても良かったかな・・・と思う。

エルヴェは、どこまでの秘密を抱えていたのか―
エレーヌは、夫の何を感じ取っていたのか―
日本のあの女性は何を想っていたのか―
それぞれの気持ちが神秘に包まれたままで、、、劇場を後にした。

  映画には  やはりイケメン  いて欲しい (由香、心の俳句) (2.5点)         

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【本】ファントム 上下巻

2008-01-22 15:17:00 | 本【小説・海外】

       『ファントム』上下巻   スーザン・ケイ     扶桑社ミステリー

【comment】
先日、遅ればせながら『オペラ座の怪人』を観て、ジェラルド・バトラー扮するファントムに超~~~萌えていたら、『りらの感想日記♪』りらさん『JoJo気分で映画三昧!+α』JoJoさん『pure breath★マリーの映画館』マリーさんから、コチラの本を薦められました~

どうもありがとう~
セッカチなので早速Amazonで注文し、読んでいた本を後回しにしてチョット読み始めたら・・・止まらない。一気読みで~す

 
 映画『オペラ座の怪人』の感想です 

で・・・感想ですが、、、
 これよ、これ!!これが私の求めていたラストよぉ~
っていうところでしょうか。

映画に魅せられた方でも、ファントムを可哀想に思い、クリスティーヌを少なからず憎々しく思った方は多いと思います。
がっこの本でのファントムとクリスティーヌの関係は、ファントムに肩入れする多くの方々をきっと満足させることでしょう。
『ああ~!!やっぱり2人の魂は結ばれていたんだ・・・』って―

さて、この物語は、ガストン・ルルー原作『オペラ座の怪人』に触発された筆者が、ファントムにスポットを当てて書いた作品です。

ファントムが、エリックとしてこの世に生を受けてからの、涙なしでは語れない波乱に満ちた人生が綴られています。

  -story-
19世紀、フランス。夫を亡くしたマドレーヌが失意の中で産んだ長男エリックは、この世のものとは思えない程の恐ろしい容貌をしていた。マドレーヌは、どうしても我が子を愛することが出来ず、仮面を被せて屋根裏部屋へ閉じ込める。やがてエリックのずば抜けた頭脳が顕著になり、幼くして建築学を極め、音楽の方面でも類まれな才能を発揮する。だが、8歳の時に、自分がいると母親にも危害が付き纏うと知ったエリックは、自ら家を飛び出す。
エリックは、見せ物小屋で辛い日々を過ごし、その後建築家の元で一時の平安を得る。だが、そこにもいられなくなり各地を転々とする。やがて科学知識を基に世界的な奇術師になったエリックは、暫くペルシャに滞在し、王の宮殿の建築を手掛けるなど天才を発揮する。そこでは殺人についての知識も深めてしまうが、ただ一人の友も得ることになる。
ペルシャを去った後、パリへと移り住んだエリックは、オペラ座の新築工事に関わり、その時にオペラ座の地下深くに秘密の住処を作りあげ、安住の地を得ることを思いつく。
50歳になっていたエリックは、≪オペラ座の怪人≫として、仕掛けたトリックで人々を震え上がらせながら地下で暮らしていた。だが、そんなエリックを新人歌手クリスティーヌとの運命の出会いが待ち受けていた―

                                        
    ~以下は、ネタばれ気味の感想です~ 

『一面に青い血管が浮き出た、薄く透き通った皮膚の下からは、頭蓋骨がすっかり透けて見えてしまう。落ち窪んだ目は左右不釣り合いで、口は原形をとどめず、鼻があるべき所には恐ろしい穴がぽっかり口を開けている』
これがエリックの容貌だ。
『とうの昔に死んだ人のような様子』をしていた我が子を、母親のマドレーヌは忌み嫌い、決して愛せなかった―

エリックが母親からの愛情を受けずに育ってしまったこと―それこそが、彼の人生を大きく狂わせ、彼を狂気へと駆り立ててしまったのだろうと思うと胸が痛くなる。
そして、エリックのクリスティーヌへの溢れんばかりの愛も、元を正せば、まさにそれに起因していたのだと思う。
エリックの母マドレーヌの取り返しのつかない過ちと狂おしいまでの深い懺悔の念が、エリックとクリスティーヌを引きあわせた・・・この構図がこの物語の軸であり、『何故ファントムがクリスティーヌを愛したのか―』が素直に胸に沁みてきて大きな感動を呼ぶのだ―

エリックが生涯を通して求めながら、自分の心の奥深くに封印してきたこと―それは、人間同士の単純な肉体の触れ合いや、
ほんの軽い気持ちで交わすキスだったのか。
稀代の天才でありながら、人々から恐れられ、仮面を付け続けた彼は、何気ない愛情の行為や人のぬくもりさえ知らずに半世紀を生きてきたのだ。
その彼の心中を思うと、涙なしではいられない。
彼は許されざる殺人の罪を数多く犯してしまったが、、、その土壌を築いたのは、他ならぬ母親であり、周りの悪意ある人々であり、運命の悪戯だったのだ・・・と思う。


物語の前半は、エリックが可哀想で可哀想で・・・胸の痛みを感じて、読み進めるのがとても辛かった。
我が子を『それ』や『あれ』と表現し、疎ましく憎く思う母親。
エリックには何の罪もないというのに!!
母のために、たった8歳で家を飛び出したエリックを、本当は自分の身よりも愛していることに気づいたマドレーヌだったが・・・エリックはその母の気持ちを知らぬまま、孤独と憎しみの中へと飛び込んでいったのだ―

何という運命の皮肉なのだろう!!

その後のエリックの暮らしや心の内を、言葉に出来ない程の悲しみと苦しみ、憎しみが次々と支配する。
一体何を慰めにエリックは生きていけたのだろうか―
そして、天才でありながら、生まれつき正邪の区別が出来なかったエリックが、天使のように優しい面を見せたり、悪魔のように残酷な面を見せたりしながら、涙を調べとする物語はクライマックスを迎えるのだ―

物語の後半は、晩年に差し掛かったエリックが、クリスティーヌを一目見た途端、初めて人を愛する気持ちに目覚めてしまう―所謂『オペラ座の怪人』の場面だ。
この哀しくもロマンチックなエリックの愛の行方こそ気になるところだろうが・・・
そこは、『エリックの想いはクリスティーヌに届いた・・・』とだけ言っておこうと思う。
後悔したまま世を去ったと思われる母マドレーヌの魂が、我が子に愛を伝えたかったのではないか―そんな風にも感じさせる切ない結末には、きっと涙が止まらないだろう。


本作は、ファントムの生い立ちと心情を丁寧に綴った素晴らしい作品だと思う。
ただ、エリックの悲劇を読むにはあまりにも苦痛が伴うし、エリックの人格形成のために必要だったと思われるが、ペルシャでのエピソードが少々長く感じられた。
それでも『読んで良かった―』と心から思える物語だった。
そして、
私の妄想の中では、バトラー演じるファントムとロッサム演じるクリスティーヌの運命は、この本のようになったのだ―と、思い込もうと決めた。(ラウルは可哀想だけど・汗)
誰にでも愛し愛される権利がある。
ファントムと呼ばれたエリックも、この世に一人の人間として生を受け、友情も愛情も得られたのだ・・・そう心から思いたいから―

  ~音楽と回転扉の仕掛けのある鏡を
  利用して、クリスティーヌの手を取り、迷宮の中に引き込むと、二つの世界を隔てる
  湖の岸へ連れて行った。
  私の声という布に包まれたクリスティーヌは、何も見えず奴隷のように柔順に、
  言葉では言い表せない歓喜に満ちて私の後をついて来た。~       (本文より)
     切なく哀しい物語に悶絶・号泣・妄想出来ます (4.5点) 

                

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サイレントヒル

2008-01-21 16:32:12 | 映画【さ行】

WOWOWで鑑賞―
【story】
「サイレントヒル・・・」と謎の言葉を発して毎夜悪夢にうなされる娘シャロン(ジョデル・フェルランド)を救おうと、ローズ(ラダ・ミッチェル)は、夫(ショーン・ビーン)が止めるのも聞かずに、ウエストバージニア州の「サイレントヒル」を訪れる。
だが、街に着いてほどなくして娘がいなくなってしまい―
     監督 : クリストフ・ガンズ 『ジェヴォーダンの獣』

【comment】
「スウィーニー・トッドを楽しめたことだし、こっぱずかしくて苦手だったミュージカル映画も最近好きになってきたし、子どもの頃に嫌いだったナスも今は喜んで食べている・・・・だから、きっと苦手なホラーだって観られるはず」(←意味不明の理由付けだが、人の好みは変わると言いたい
で・・・
      怖いというより不気味な世界だぁぁぁ~
         キモイのに何だか映像が美しいゾォォォ~

って思いました~

本作は、大人気の同名ゲームを映画化したものらしい。
何でも監督がこのゲームの熱狂的なファンなんだそうだ。
とは言っても、例によってそのゲームを私は全く知らないのだが(汗)・・・映画は結構のめり込んで観ちゃった、お気に入りで~す

   
                 
この、何かを匂わせる美しいポスターのように、本作は美術に凝りに凝っているので、視覚的に堪能できるホラーなのではないだろうか。
怖いという感覚はあまりなく、あくまでも不気味な雰囲気を一貫して保ち続け、独自の世界観を打ち立てることに成功している。
そのせいか、少々グロイ残酷な描写があっても、ついつい構図の美しさに見入ったりしたのかもしれない―
   

物語は比較的単純だが、不気味な余韻を残すものだ―
「サイレントヒル」と叫びながら徘徊する娘を連れて、曰くありげなゴーストタウン「サイレントヒル」を訪れたローズ。
だが、街の入り口で激しい自動車事故を起こし気を失ってしまう。
気がつくと娘は消えており、灰の雨が静かに降り注ぐ霧深い街の中で娘を必死に探す。
無人であるはずの街にサイレンが鳴り響いた後、、、化け物に襲われるローズ。
この街の異様さにおののきながら、偶然知り合ったベネット巡査とともに娘の行方を追い続けるが、74年の大火災以後、この街には未曾有の恐怖が潜んでいた―

 

さてさて、ローズとベネット巡査が遭遇する未曾有の恐怖ですが・・・
        
  こんなのや・・・          こんなのですぅぅぅ
                                 
  

この超~気持ち悪いわりには造形が魅惑的なクリーチャーにバンバン襲われるんだけど、きっとゲームもこんな感じなんだと思うなぁ~
昔ちょっとだけ見たことがある『バイオハザード』のゲームのドキドキ感に似てたもの。
で・・・こんなのに襲われるローズは、「ここってどこ 一体何が起きているの あれは何 私は誰」ってパニックになりそうなものなのに、「母は強し」よねぇ~血みどろになっても娘を探し続けるのよ。偉いっ (私なら腰が抜けてとっても無理

それで、サイレントヒルが無人になった経緯や、ローズの娘シャロンが夢遊病になっていた理由には、お約束通り「過去に人間が犯した恐ろしい罪」に原因があったんだけど・・・それはよく分かったんだけど・・・結局最後にどういう事になったのか、全ては何だったのかがハッキリしなかったんですぅ~
わざとそうしたのだろうし、余韻が残っていいとは思うんだけど、観ちゃったからには気になって気になって・・・
どなたかどういうことだったのか教えて下さい~

 

 ≪以下は、ネタばれ疑問点です≫
①あの場所は異次元のようなもので、何かが起こらない限り母子はその場に居続ける。
②最初の事故で母子も巡査も死んでおり、あの場所は迷っている死者がいく所、生と死の世界の狭間だ。
と、2つほど考えたのですが・・・どうなのかしら?
どちらにしても、あまりいい事はなさそうだなぁ~必死で頑張ったのに・・・

  可哀想なパパン 
        シャロン役の女の子の演技が怖いくらい上手かった (3.5点)

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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

2008-01-19 16:15:15 | 映画【さ行】

【story】
19世紀のイギリス。無実の罪で投獄され、その首謀者に妻も娘も奪われた男(ジョニー・デップ)が、名前も姿も変えてロンドンのフリート街に戻ってくる。15年ぶりに理髪店を再開した彼は、理髪師スウィーニー・トッドとして腕を振い始めるが、彼は目に狂気を宿らせながら、かつて自分を陥れた者への復讐に燃えていた―
  監督 : ティム・バートン 『チャーリーとチョコレート工場』『スリーピー・ホロウ』
        ~スティーヴン・ソンドハイムのトニー賞受賞ミュージカルを映画化~
        
【comment】
           素晴らしいっ芸術作品だっ 

今年2本目の劇場鑑賞だが、早くも2008年の年間ベスト入りが確実となった―
だって、この映画は私にとっては満点なんだも~ん  

実は、鑑賞前は正直言ってビビっていた
結構スプラッター系の血がドバーッと飛び散る映画だと耳にしていたので、そういう類の映画が苦手な私は、公開日を待ち望みながらも引け腰・・・という微妙な心理でいた。
だが、案ずるより産むがやすし―
最後の最後まで拘りに拘った極上の作品を観られて大感激だった。
もちろん血はドバーッであったので「うっ」とはなったし、「あれ?」というツッコミ所もあったのだが・・・「それがどうしたぁ~これがバートン監督とジョニーの最強コンビが生み出した最高傑作だぁ~」と、心の中で雄叫びをあげた―

 

善良でウブな理髪師ベンジャミン・バーカーは、美しい妻ルーシーと可愛い娘ジョアナとともに幸せに暮らしていた。
だが、ルーシーの美しさを手に入れたいと思った悪徳判事タービン(アラン・リックマン)に、ある日突然無実の罪で投獄されてしまう。
15年後、バーカーはスウィーニー・トッドと名前を変え、この上なく陰気な容貌でフリート街に戻って来る。
そして、妻は毒を飲んでしまった事、娘は判事が後見人として育てている事を知るのだ。
復讐心に燃えるトッドは、ロンドン一不味いパイの店を営むミセス・ラベット(ヘレナ・ボトム=カーター)と、妙な共存関係を保ちながら、タービン判事を殺す機会を窺っていた。
そして、復讐心で燃えたぎったトッドの心は狂気へと向い、理髪店に訪れた客の喉を次々と切り裂くのだ。

物語は、滑稽なまでに悲劇的で、救いようもなく哀しい結末へと加速していく―

 

トッドの陰気指数100%の心を映し出すような暗くモノトーンな映像が美しい
これは、『スリーピー・ホロウ』の雰囲気と通じるものがあり、『チャーリーとチョコレート工場』の対極と言っていいだろう。  
この色彩によって多く飛び散る血も映えるのだろうし、回想や想像シーンでのカラフルな色彩も生きてくるのだ。
本作はミュージカル映画であるが、何だか今まで観てきたミュージカル映画とはどこか雰囲気が違っていた。
突然歌い出すという感覚や、クドイとかワザとらしい・・・と思わせるところがなくて、セリフを言い回すような自然な歌が響いてくるのだ。
特にジョニーの歌は見事で、トッドの胸の奥底に巣食う憎しみと哀しみを反映させ、歌というよりも歪んだ魂の狂おしい叫びに感じた。
だから、全編印象的で素晴らしい音楽と歌で綴られているにも関わらず、不思議とあまりミュージカル映画を観た感じがしなかった―

 

それと特筆したい点は、言い訳無用の残酷さ、ここまでやるの?の猟奇的グロさを持ち合わせている映画にも関わらず、どこか滑稽な物哀しさが漂っていたところだ。
「もし、あの時に違う道を選んでいたら、憎しみで目が曇ってさえいなかったら・・・ここまで酷いことにはならなかったのに―」という思いや、「復讐の歯車が動き始めたら行き着く先は因果応報しかない―」という思いがストンと胸に響いてもきた。
で・・・不思議なのは、ジョニーの映画だからなのかもしれないが、『グロイ+悲劇』のダブルパンチ映画なんて苦手なはずなのに、物凄く魅せられてしまったことだ。
結末にも心底納得出来て、仏のように穏やかな気持ちで鑑賞を終えたのは・・・ひょっとしてバートンマジックか?!


 

本作の中心となる役者さんたちの演技は素晴らしかった
へレナ・ボトム=カーターは、今まで観てきた中で1番ハマっていた気がする。
ミセス・ラベットは、トッドを慕い、パイの店が繁盛してお金が手に入ったら、トッドと幸せに暮らしたい―という女性らしい望みを抱いていた。
彼への一途な想いが、彼女の優しい心を狂わし、恐ろしい犯罪へと加担させたのだと思うと憐れだった。
アラン・リックマンも流石に雰囲気がバッチリだった。
判事の、ルーシーやジョアナへのかなり軸のズレた自分勝手な愛。
ああいう愛を愛だと思い手に入れたがる男は、あの時代に多かったのかもしれないなぁ~
ジョアナを演じた方と、ジョアナに想いを寄せる青年アンソニーを演じた方がイマイチ魅力がなくて残念だったが・・・まぁ~あんなものか。
それよりアンソニー役の方は、どうしてもミラ・ジョヴォヴィッチに見えて仕方なかった


さて、大満足のこの映画には、やはりこの方の渾身の演技が重要ファクターだろう
どんな役でも、ジョニー・デップとしてではなくて、その役そのものに成り切るジョニーの表情を、またまた七変化で堪能してもらいたい

  
*愛する美しい妻を見つめる幸せなバーカー
 
*一転、復讐心を胸にロンドンに戻って来るトッド・・・
 
*このカミソリこそが我が友・・・
 
*判事への復讐を誓うっ
 
*とにかく誰でもいいから喉を切り裂くゾ~
 
*シュバッージャキッー
 
*観に来いよ―
 『ワールド・エンド』での鬱憤をスッカリ晴らして大満足(5点)

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マーズ・アタック!

2008-01-18 09:15:00 | 映画【ま行】

WOWOWで鑑賞―
【story】
ハッブル宇宙望遠鏡が、円盤の大編隊を確認!慌てたデイル大統領(ジャック・ニコルソン)は、スタッフを召集。友好的だと判明すると、ネバダ州の砂漠でついに火星人と対面することに。世紀の瞬間をテレビ中継で見守る人々。だが火星人はレーザー兵器で人々を虐殺し始めた! 
  監督 : ティム・バートン 『チャーリーとチョコレート工場』『スリーピー・ホロウ』

【comment】
『もうすぐジョニーの新作だ病』の私は、単純な思考で、「スウィーニー・トッド公開前に、ジョニーとバートン監督の映画で1作づつ感想を書こうっと」って決めていた。
WOWOWで未見のコチラを放送してくれたのでラッキーって思っていたが・・・

 
  何て感想を書けばいいかサッパリ分からないぃぃぃ~(滝汗)
           アッパレなほどのバカバカしさだぁぁぁ~
   ところがキャストが超豪華だぁぁぁ~(悶絶)
           スゴイ内容なのに真面目に演じてるぅぅぅ~

ハァハァ・・・と・とりあえず、、、物語の説明をしよう・・・

ブッ飛ぶほどのチャッチイ空飛ぶ円盤に乗った火星人が地球にワンサカやって来た。 
   これだ (注:別にどこぞのインチキUFO写真じゃーありません。映画の画像です)
     
  

で・・・こりゃー大変と慌てているわりには妙にノンビリした合衆国の首脳陣。
大統領はジャック・ニコルソンで、夫人はグレン・クローズ、娘はナタリー・ポートマンという豪華さだ。怪しい科学者にピアーズ・ブロスナンまで配置している。
彼らは、「もしかして火星人と友好関係を築けるかも・・・」と、楽観的方向でおり、『宇宙語翻訳器』(ドラえもんかぁ?!~)を駆使して火星人との接触を図るが・・・

  

相手が悪かったのだぁ~
生物学的に天の邪鬼で、物理学的に反抗期、先天的にも後天的にも乱暴者で、恐らく親戚に悪玉グレムリンを持つの火星人(意味不明・汗)は、友好的と見せかけて、、、地球人をジャンジャン虐殺するのだ~
火星人の襲来で危機的状況に陥る地球人 さぁ~て希望はあるのか

それにしてもですね・・・よくぞ、よぉくぅぞ、この誰でも想像して1度は絵に描いてみるような典型的火星人をオモチャっぽい造形で登場させたものよ。しかも持っているレーザー銃は、まるで水鉄砲みたいだったし
あまりのバカバカしさに笑うしかないでしょって感じですぅ~
                    
 

さぁ~て、人間関係や人物像、物語なんてものはあって無きが如しで、オマケにやたらと能天気な登場人物は、何故か超豪華版なのだ
↑で紹介した以外にも、アネット・ベニング、ダニー・デヴィート、サラ・ジェシカ・パーカー、マイケル・J・フォックス、トム・ジョーンズ、ジャック・ブラック・・・まで出演している

で・・・皆さんがチョイ役で、スゴイ死に方なんかをするのだぁぁぁ~
ある人物なんて、火星人に実験されて頭を犬の体につけられちゃう、という悪趣味な事までさせられている・・・
果たして俳優の皆さんは、こういうフザケタ展開を知っていてオファーを受けたのだろうか・・・と、思ってしまったわん。

物語の基本は、【宇宙人がやって来る】⇒【友好関係を結ぼうとする】⇒【宇宙人が襲ってくる】⇒【地球大パニック】⇒【何とか対抗策を見つける】⇒【平和が戻る】っていう典型的な路線なのに、どこをどうしたら、こういう映画になるのよ~監督って感じ。
あまりにも全てがアホらしくて、逆に面白がっている自分がいたりして
    特にこの方には大ウケ
        
   
 この女性は火星人が化けているんですぅ~
この人の不自然な動きには、目がテンになっちゃって、「もう・・・好きにして下さい降参です」って思いましたです。

「さて、感想をどうしましょう・・・」と途方に暮れたわりには、熱く語りたくなってしまった。
不思議だ・・・
これ以上ないでしょ?ってくらいのB級映画だが・・・また観たい気持ちもあるし。
とにかく、腰砕けのバカバカしさがお好きな方にオススメしたい1本です (3点)

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ショコラ

2008-01-16 11:35:25 | 映画【さ行】

『スウィーニー・トッド』公開まであと僅かっ
今回も彼は日本に来てくれた。セクシーさと優しさを身に纏って―
   
でね・・・人の首をシュパーッて切っちゃうジョニーを観る前に、爽やか且つ密やかな笑顔が見れるこの映画を観ようと思いま~す

【story】
古くからの伝統が根付くフランスの小さな村に、ある日謎めいた母娘がやって来てチョコレート・ショップを開店する。厳格なこの村に似つかわしくないチョコだったが、母ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)の客の好みに合ったチョコを見分ける魔法のような力で、村人たちはチョコの虜になっていく。やがて村の雰囲気は明るく開放的なものになっていくが―
 監督 : ラッセ・ハルストレム『カサノバ』『ギルバート・グレイプ』

【comment】
さて・・・映画自体について何か語らなくてはならないだろう。
だが、気が急いて気が急いて・・・落ち着かないったらありゃーしない
ただただジョニーの素敵ショットをドド~ンと載せたい衝動をググッと抑え・・・ちょこっと物語をご紹介します

古くからの『しきたり』に雁字搦めに縛り付けられて規律正しい生活を送っている村に、一陣の風と共に現れた母子。旅から旅を続ける風変りな母ヴィアンヌは、その村には場違いとも思えるチョコレートショップを開く。
人の心の内を見透かしてしまうような一種の才能を持ったヴィアンヌは、村人たちと徐々に心を通わせていくが、『しきたり』に固執する村長に睨まれて、数々の困難に見舞われる。
そんな折、村の河岸に流れ者たちの乗った船がやってくる。何の罪もないその者たちを忌み嫌う村人たちだったが、ヴィアンヌは、その中のルー(ジョニー・デップ)と親しくなり、益々村から孤立していくが―

決して派手ではないし、何かドカ~ンと訴えてくるわけでもなく、あくまでも静かで穏やかな物語なのだが、意外なまでに豪華な出演者たち(ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、ジュディ・デンチ、キャリー=アン・モス、レナ・オリン・・・)がキッチリと役をこなし、暖かな感動をさり気なく届けてくれる・・・そういう類の映画だと思う―
特に盛り上がりがあるわけではないので、「コレって全然面白くな~い」という印象を抱く方もおられるだろうし、実は私も、最初は今一つピンとこなかったのだぁ~
でもね・・
  ほら~ん
  ほらほら~ん
こ~んなジョニーを愛でながら薄味のデザートを楽しむような映画ではあるのだぁ~

ジョニーの出番は少ないんだけどね・・・
  こ~んな顔や・・・

  こ~んな顔に萌え・・・
  離れろ~ビノシュっ
とか言いながら、母子との触れ合いで、排他的だった人々が、『何を排除するかではなく、何を受け入れるか―』という姿勢に変わっていく・・・そんな春風のように心地よい優しさが感じられます―(とってつけ・汗)

  *いい加減なレビューをご容赦下さい
                  『もうすぐジョニーの新作だ病』なんです(3.5点)

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【本】きみに読む物語

2008-01-15 09:16:45 | 本【小説・海外】

     『きみに読む物語』     ニコラス・スパークス     アーティストハウス
【comment】
   
映画『きみに読む物語』が大好きだが、原作を読もうとは思わなかった。
ある日、偶然古本屋さんで原作を見つけ、何の気なしに手に取ってみたら、その本の間には3~4
枚の可愛いメモが挟まっていた。
「もしかして・・・高校生くらいの女の子たちが本を回し読みして、感想を書き寄せたのではないかしら?」と、一瞬で想像して楽しくなった。
そのメモを読むのは何だか失礼な気がしたので読まずに本屋さんに渡し、その時にこの本を買おうと決めた。
メモはパッと見ただけでも、女の子たちの気持ちが伝わってくるようだった。
この本が、どういう理由でこの店にいるのかは分からないが、私が連れて帰って新しいメモに感想を書いて挟めようと思ったのだ。
きっとこの本には、そういう行為が似合うだろうから―

   -story-
わたしはノア。わたしはありふれた男だ。
でも、わたしには全身全霊をかけむけて愛する女性がいる。
いつでもそれだけで十分だった。
10代の夏にアリーと恋に落ちた時から、彼女と離れて暮らしていた辛い日々も、その後の長く幸福な結婚生活の間も、いつでも彼女だけを愛し続けてきた。
その気持ちは、彼女が病気になって記憶を失ってしまった今でも変わることはない。
だから、2人の愛をアリーが思い出すまで、毎日わたしは、その軌跡を綴ったノートを彼女に読み聞かせる―


感極まりながら読み終えた本を、きつく抱き締めて眼前を見つめる。
見慣れたリビングの煩雑とした景色の中でもノアとアリーが見えるようだ。
水なしでは生きられない魚のように、光なくては枯れてしまう草花のように、お互いが必要だという関係は・・・どういう巡り合わせなのだろう?
映画とアプローチの方法は違っても、大体のエピソードが被っていたので、映画の情景を思い浮かべながら物語を心ゆくまで堪能した―


だが、冷静になって考えると、、、
もし映画を観ずにこの本を読んだとしたら、きっと私は、
「うっわ~クッサイ~こんな事があるわけないじゃーないの~」って思うだろう(滝汗)
何故なら本は、ノアの語りで物語が進むせいか、美しい詩篇を交えながらクドイくらいにアリーへの想いが綴られており、尚且つ、ノアとアリーの愛は、映画で感じられる以上に強烈なパワーを放っていたからだ。
映画と並行して物語を楽しめば、主演の2人の表情が頭を過ぎり緩和もしてくれようが、そうでなければ、、、2人の愛の泉に溺れてしまったかもしれない。アップアップ
それ故、かなりロマンチストと自負している私でさえ、「この愛は羨ましくないかも・・・」とか、「こんなに愛し合っちゃったら息苦しいのでは?」と思ってしまう。
だけど、これは実話に基づいたお話らしい。
ああ~ん、もしかしたら私は、愛を知らない可哀想な子猫ちゃんなのかも~(笑)

さて、そうは言っても、かなり心揺さぶる美しい純愛小説で、読む価値はタップリあると思う。
それから、映画のアレンジの仕方は上手かったなぁ~と改めて思った。
分量的にも軽めで、読みやすい筆致なので、ノアとアリーの愛の軌跡を詳しく知りたい映画ファンの方にはオススメ出来ますよぉ~

 ~愛している、アリー。ぼくはきみがいるからこそ、ぼくなんだ。
きみはぼくのあらゆる土台であり、あらゆる希望であり、これまで抱いた全ての夢だった。
  将来、二人の身に何が起きようと、最後の日までぼくたちはいっしょだ。   ノア ~

 ~あなたへの愛は尽きません。深く愛しているから、病気が進行しても、
  あなたのもとに帰る道を見つけると約束します。      アリー ~  (本文より)
  
    さてさて・・・何て感想を書いてメモを挿もうかな   (4点)

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アース

2008-01-14 10:12:20 | 映画【あ行】

子どもを連れて『ディープ・ブルー』を鑑賞した際に、物の見事に爆睡されたので鑑賞を躊躇っていたが、、、「観たいっ」と言って来たので、今年初の劇場鑑賞にコチラをチョイス―
今度は寝ないでよぉ~勿体ない(セコッ)
【内容】
50万年前、巨大な隕石が地球に衝突し、その衝撃により地球は23.5度も傾いてしまう。この傾斜は四季の移ろいや多様な地形を地球にもたらし、生命の誕生に重大な役割を果たすこととなった。北極を基点に地球縦断の壮大な旅に出た撮影隊は、ホッキョクグマ、象、ザトウクジラの親子に導かれ、さまざまな命の営みに出会う―
    監督 : アラステア・フォーザーギル 『ディープ・ブルー』

                  マーク・リンフィールド 『プラネットアース』
~ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のフルオーケストラにのせて映し出す、製作5年、撮影日数のべ2000日、撮影地全世界200か所以上というスケールの最新の撮影技術を駆使してとらえた映像~
     コンダクター : 渡辺謙

【comment】
3連休&『子ども(中学生以下)500円キャンペーン』のためもあってか、劇場内は最前列以外は親子連れでほぼ満席だった。
こちらの地域でこんなに混んだのは・・・『パイレーツ』や『スパイダーマン』シリーズ以来かもしれない・・・
スゴイぞアース というか、皆地球に関心があるんだなぁ~と思うとチョット感動。
 
やはり大画面で観る自然の素晴らしさはいいものだ
圧倒的な大迫力の美しさや壮大さ、厳しさなどをまざまざと見せつけられる。
だが、想像していた程の目新しさや大感動の映像がてんこ盛り、というわけでもなかった。
今まで何かで見てきた映像の集大成・・・とでもいう感じか。
それに、それ程メッセージ性を持たせて編集をしているようにも思えず、最後の方の『地球温暖化』の警告についてのナレーションも、少々とってつけのような感覚を抱いた

 
だがこれは、確かに素晴らしいドキュメンタリーには違いないのだ。
とかく眠気に襲われがちな、ゆったりとした音楽で観る自然の映像は、1度としてボーっとはさせなかったし、笑ったり涙ぐんでしまうことも多々あった。
誰もが知っている地球の自然の危機的状況や、動物たちの食物連鎖の厳しさに、あまり突っ込んだ描写をせず、押しつけがましいメッセージも提示していない。
それでも観る者それぞれの心に何かを訴えかけ、地球で生きることの意味に責任を感じたり誇らしく思えたりすることだろう―
 
それに、この映画を観て良かった点は、その内容云々よりも、鑑賞後に家族で自然とディスカッションが出来たことにある。
子どもが投げかけた話題は、可愛らしい動物の赤ちゃんや、珍しい極楽鳥、恐ろしいホオジロザメや、陸を目指し永遠と泳ぎ続けるホッキョクグマへと広がっていき、、、我が家なりではあるが、実のある話が長々と続いた。
偶然の産物により生命が営まれる幸運に恵まれた地球を、壊し続けるのも守ろうとするのも人間にかかっている―当たり前ではあるのに、何度もそう考えてはいるのに、結局何も出来ずにいる自分達が、やはり何か出来ないか?―と再び考え心に刻む機会を与えてもらった―        (3点)

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キサラギ

2008-01-12 16:25:45 | 映画【か行】

レンタルで鑑賞―
【story】
売れないグラビアアイドルが自ら命を絶って1年、彼女のファンサイトの常連である5人の男が追悼会に集まる。
家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、いちご娘(香川照之)は、思い出話で大いに盛り上がるはずだったが、「彼女は殺された」という言葉を引き金に、事態は思わぬ展開を見せ始め―
     監督 : 佐藤祐市  『シムソンズ』

【comment】
世間の評判がすこぶるいいので鑑賞してみたが、思った以上に面白かった
ほぼ100%密室による会話劇であるが、閉塞感を感じることもなく、全く飽きもこなかった。
何だか舞台劇を見ているような気分にはなったが・・・脚本と役者の巧さだろうか、お気に入りの作品になった―

  ミキちゃん命の面々

さて、これから先は・・・何と言っていいか分からない(汗)
この映画の物語展開について、少しでも多くを語り過ぎてしまったら(私はその危険をはらんでいる・汗)・・・未見の方にはツマラナクなってしまうと思うのだ。
だから、今回こそは極々簡単に・・・さわりだけをコソッと書きたい。

お互いに面識のないアイドルのファン5人が、1年前に亡くなった『如月ミキ』を偲ぼう―というつもりで集まった。
だが、一人の男が、「もしかしたらミキは殺されてしまったのかもしれない。そしてその犯人はこの中にいる―?!」と爆弾発言をしたことから、5人の男たちの意外な側面が次々と見えてきて・・・・あ~らビックリ~そうだったのね~ってなる話なのだ。


  驚きの連続っ

とにかく脚本の巧さには感心させられた。セリフが細部に渡って計算されているのだ。
それに、個性がシッカリと描かれている5人の役者の間の取り方も絶妙だったと思う。
ここまでチームワーク良く演じるのは大変だったのではないだろうか。
コントのように可笑しい会話が多いわりには砕け過ぎずに一種の品を保ったままでいたことも良かったし、激昂するシーンもスムーズで、、、オチどころではホロリともさせられた―

  あら♪素敵

エンドロール辺りのエピソードが余計だったように思えて残念だったが、、、一見の価値が大アリの面白い邦画だと思う。オススメで~す
  それに・・・小栗旬が可愛かったわ~ん エへッ (4点) 

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ベオウルフ

2008-01-11 11:35:00 | 映画【は行】

レンタルで鑑賞―
【story】
西暦500年。スロースガール王(ステラン・スカルスガルト)が治める北欧の小国デネ(デンマーク)のヘオロット城は、カインの末裔で呪われし巨人グレンデルによって毎夜襲撃され多くの家臣が虐殺されていた。
王の血縁で英雄のベオウルフ(ジェラルド・バトラー)はその噂を聞きつけ、彼を慕う10名の戦士とともに海を渡りヘオロットの警護にあたることになった。ある夜、グレンデルがヘオロットを襲撃し、死闘の末ベオウルフによって捕われてしまう。グレンデルは自らの腕を切り取り逃走するが―
   監督 : ストゥーラ・ガイナーソン

【comment】
記憶に新しいロバート・ゼメキス監督の『ベオウルフ/呪われし勇者』は、全編フルCGの超大作だったが、コチラは同じく『歴史上最古の英雄叙事詩ベオウルフ』を題材としながら、一切の効果を排除した地味~な文芸的とも思える作品だった。

英雄ベオウルフの物語は2部構成で、若き日のベオウルフが巨人グレンデルとの死闘を繰り広げる第1部と、老域に差し掛かったベオウルフがドラゴンと闘う第2部があるが、本作は第1部のみを映画化したものであり、原題も『ベオウルフ&グレンデル』である。

アイスランドで行われたというロケで、北欧の雄大且つ物悲しい自然を存分に映しだし、遥か昔、まだ古い神(北欧神話のオーディン)と新しい神(イエス・キリスト)の狭間にあった人々の原始的で刹那的な生き様をリアルに描き出していた―

 

さて、私は元々神話的な物語に魅せられる傾向にあるため、本作にもかなり惹き込まれて鑑賞した。
『呪われし勇者』では、≪父親たちの罪≫をキーポイントとしていたが、コチラの物語の根幹は≪復讐≫だろう。
冒頭は、幼きグレンデルが、スロースガール王をはじめとするデネの男たちによって、目の前で父親を残忍に殺されるところから始まる。
この時からグレンデルのデネ民族への憎しみは始まったのだ。
時が経ち、成長したグレンデルによって夜な夜な家臣を殺され恐怖に怯えるデネ王の噂を聞きつけて、援軍としてやってきたのが英雄ベオウルフだ。
ベオウルフは、巨人をただの凶暴な怪物で殺し屋だと思い退治に来たが、魔女セルマ(サラ・ポーリー)から聞いた話などから、グレンデルにはデネの男たちを葬る理由があると感じ始めるが、、、スロースガール王はベオウルフに過去の真実を告げることを拒んだ。
グレンデルの中に何かを感じながらも、ベオウルフはグレンデルとの死闘の時を迎える―

    
 
この美しいジェラルド・バトラー
彼の長髪&お髭の姿を観れただけでも私としては満足したい気分なのだが・・・
本作でどうしても残念に思うのは、せっかくバトラーやサラ・ポーリーが出演した映画であるにも関わらず、上手く役者を生かし切れていないところだ。
デネの民族VSグレンデルの構図が底にあるためか、ベオウルフが余所者から抜け切れておらず、『英雄ベオウルフここにあり!』というような、ベオウルフに傾倒し、浪漫を感じ、巨人との死闘にワクワクする、、、所謂魅力ある作りになっていないのだ。
また、当時の風景や人々の様子、巨人との闘いを傍観的角度から映し出そうとしているのか、どのシーンを取ってみても盛り上がりに欠けてしまう。
もっとベオウルフの活躍に焦点を当てて、彼の勇姿を存分に楽しみたかったし、不当な扱いを受けた悲劇の巨人グレンデルについての哀しみも強く訴えかけて欲しかった―

今回、『ベオウルフ』に関する2作品を合わせて観たが、どちらも帯に短し・・・であったので、「足して2で割った方が良かったのになぁ~」なぁ~んて思った。

だが、、、素敵なジェラルド・バトラーのお茶目な表情が3度ほど堪能出来たのは収穫だ。
アップシーンが少なく、兜を被ったシーンが多かったので、その貴重な萌映像には飛びついてしまった
     地味~~~な作品だけど、バトラーは素敵で~す♪   (3点)

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