★YUKAの気ままな有閑日記★

とても残念ですが、長期的にお休みします^-^*皆さま素敵な年末年始をお過ごし下さい☆

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【本】聖骸布血盟 (上下)

2007-01-31 09:09:09 | 本【小説・海外】

   『聖骸布血盟』 上下巻   フリア・ナバロ    ランダムハウス講談社文庫

ダン・ブラウンの小説に魅せられ全作品を読んだ。
全作品といってもまだ4作品しか出版されていない
似たような感じの本が読みたくなったので、この本を購入してみた。

【story】
キリストの聖骸布が保管されるトリノ大聖堂で火災が発生する。焼け跡から発見されたのは、《舌のない男》だった。以前にも同じ聖堂で、舌がなく指紋も焼かれた窃盗犯が逮捕されていた為、イタリア美術品特捜部のマルコ、ソフィアらは、捜査に乗り出す。聖骸布をめぐる恐るべき陰謀劇とは?―

【comment】
《聖骸布》をご存知だろうか?

以前何かの本で見た事があるが、キリストの姿が映し出されているという亜麻布の事である。
磔刑の痕も鮮やかな男性の全身像は、何世紀にもわたって貴重な聖遺物とされてきたが、はたして本当にキリストの姿なのか捏造なのか議論が絶えなかった。
だが、科学の進歩により分析調査された結果が1988年10月13日に発表された。
**放射性炭素年代測定(炭素14)の結果、トリノ大聖堂に保管されている聖骸布は、95%の確率で、1260年~1390年のものである。**
つまり何世紀もの間、キリストの埋葬布と信じられてきた聖骸布が、《偽物》という事になってしまったのだ。

しかし、聖骸布は確実に偽物と断定されたわけではなく、現在でも様々な研究がされ、議論が交されているようだ。それはいくつもの謎があるからだという。
私は詳しくは知らないが、おもに以下のような謎があげれている。
①貴重な聖遺物であるにもかかわらず、およそ1世紀もの間行方不明であった。
②幾たびも火災に見舞われてきた。
③最新の科学技術を駆使した調査研究でも説明のつかない部分がある。
(*注:この小説に関係のある謎を取り上げました。)

この小説は、これらの事実にヒントを得て書かれた《聖骸布》をめぐる壮大なミステリである。

エデッサ伯国のアブガルス王がイエスに救いを求めるところから、テンプル騎士団の活躍までの二千年の歴史と、現代の《舌のない男》の事件を上手く交差させながら話を進めている。
史実・フィクション・サスペンスそしてロマンスも物語に魅力を与えている。
そして、何故聖骸布には上で紹介したような謎があるのかを、2つの秘密結社を絡めながら紐解いていく見事さには舌を巻く。
思わず「なるほど・・・・・」と、事実として信じてしまいそうになってしまった。
だが、最後は少し強引だった感がある。《聖骸布》に完全な答えを提供出来るはずもないから致し方ないのかもしれないが・・・・・

とにかく、作者のフリア・ナバロに完全に乗せられて、夢中になって読み終えた。
スピード感もあり、一気に読みたくなる小説だ。
ナバロはこれが処女小説だが、本国スペインではベストセラーとなり、映画化も決定しているそうだ。
今後の彼女の作品にも注目したい。

ダン・ブラウンをお好きな方は、この本も楽しめるのではないだろうか。
歴史・宗教・美術が織り込まれているので、興味をそそられるだろう。

       テンプル騎士団・・・に興味がある方に   (3点)

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幸せのちから

2007-01-29 21:03:50 | 映画【さ行】

超セレブの父子が、全財産21ドルの父子を演じるのか・・・
普段エイリアンやロボットと闘っているウイル・スミスが貧乏と闘うなんて想像もできないけれど、オスカーの主演男優賞にノミネートされているという事はレオ君のライバルだし チェック~

【story】
サンフランシスコで医療機器のセールスマンをしていたクリス・ガードナー(ウイル・スミス)は、努力家で知能指数が高い上に、誰からも好かれる性格だった。だが不景気の為に収入が減り、税金や家賃が払えなくなってしまう。そしてついに家を追い出され、妻(タンディ・ニュートン)
も出ていく。息子(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)を抱え、全財産21ドルしかないどん底の生活から脱する為に父が選んだ最後の道は―
              
~絶対にあきらめない。最後まで―~
    監督 : ガブリエレ・ムッチーノ

【comment】
全財産21ドルから億万長者になったクリス・ガードナーの実話に基づいた映画

周知のように、本当の父子であるウイル・スミスとジェイデン・クリストファー・サイア・スミスが共演している。
やはり本当の父子だけあって、2人の会話も、歩く姿も、抱擁する姿も微笑ましく説得力があり、とても良かったと思う。

ウイルの演技はSFでしか観た事がなかったが、今回のクリス役は素晴らしかった。

努力しても報われない生活―
お金が無く、心の荒んだ妻はついには出ていってしまう。
残った父子は、家賃が払えずに住む家を失い、寝る場所を確保するために教会に並ぶ毎日。
そんな生活から抜け出す為に、一念発起して一流証券会社へ入社する事を誓うクリス。
6カ月間も無給のまま研修期間を過ごし、20人中たった一人の採用を勝ち取る為に奮闘するのだ―

クリスは、息子には愛情の目を向け、仕事先では証券マンの顔をして、本当は泣きたい気持ちを抑えて必死に過ごしていたのだろう。
ウイルは、そんなクリスを実に見事に演じている。要所要所で見せるウイルの表情には胸を打たれた「この人、役者だなぁ~」って感心しちゃった。
レオ君の主演男優賞も危ないかしら

だけど・・・
ストーリー的にはですね、映画になる程の話かしら?と思ってしまいました。(失礼
この人は、お金が無かっただけだ。
体も健康で、頭も良く、可愛い息子までいる。
もしかしたら少し無鉄砲な考え方で始めた医療機器のセールスが失敗し、妻に苦労をかけ、息子にも不自由な生活を強いる事になったのかもしれない。
それに、あそこまで経済的に逼迫する前に、何か手が打てたはずだ。

私はむしろ、タンディ・ニュートン演じるところの妻に同情してしまった。
彼女は始めから息子を置いて出ていったわけではないのだ。貧しさと重労働に疲れ、やむを得ず息子を置いて行ったのだ。妻が息子を置いてNYに行く決断をするシーンは、とても辛かった。
タンディが生活に疲れ絶望し、不幸になった女性を上手く演じていたと思う。
その後の妻の消息を全く映画で紹介していなかったが、、、クリスの実生活もそのままなのだろうか。何だか妻が可哀想になった。
でも、私だったらどうしただろう。石に噛り付いてでも息子は手放さないと思うが。

とにかく何万人に一人いるかいないかの幸運を掴んだクリス・ガードナー。
だけどこの映画は、観る者に夢物語やサクセス・ストーリーを提示しているというよりも、いつでも自分を信じてくれる親子の絆を描いているのかもしれない。
クリスの「幸せのちから」は愛する息子だったのだろう。
だけど、そこに妻もいたらもっと良かったなぁ~どうしているのかな、リンダ(妻)。ちょっと心配。

脱線してしまうが、教会に寝床を求める人が多い事には胸が痛かった。
クリスさん、ご自分も辛い経験をされたのだから、あの方たちの為に何かしてあげて下さい
その後のクリスさんの動向は、億万長者になった事しか知らないが、それをゴールにせず、何か福祉活動をしている人であって欲しいなぁ~


PS.この記事を書いた後、クリスさんが『教育事業に寄付』をしたり、『慈善教会で今でも時々食事』したりしている事を教えて頂きました。クリスさんがそういう人で良かった。。。と思い、嬉しくなりました   マリーさん、教えて下さってありがとう


   
    本当の父子の心温まる演技が素敵   (3点)

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ギルバート・グレイプ

2007-01-27 14:15:00 | 映画【か行】

一番好きな俳優ジョニー・デップと、昔好きだった俳優レオナルド・ディカプリオが共演しているこの映画
一粒で二度美味しいグリコのキャラメル(古っ)よりも、甘く切ない感動の涙を誘う名作だ

【story】
アイオワ州エンドゥーラという田舎町で、身動きが出来ない程太ってしまった過食症の母、知的障害を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、2人の姉妹とともに暮らすギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)。
亡き父のかわりに一家を支え、夢や希望を考える暇もなく日々をすごしていたギルバートは、ある日自由で快活なベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会う―
     監督 : ラッセ・ハレストレム

【comment】
淡々と流れていくストーリーながら、じわじわと心に迫る感動を呼ぶ珠玉の名作だと思う。
DVDで時々観たくなるこの映画がとても好きだ。

場所はエンドゥーラ。音楽のないダンスのような町。ずっと変わらない静かな町。
亡くなった父が建てた古い家で暮らす5人の家族の日常がひっそりと描かれている。

大黒柱のギルバートには、守らなければならない家族があり、自分の気持ちを考える事をせずに静かに暮らしていた。
守らなければならないもの―
それは、ギルバートの父親が自ら命を絶ってから、ショックのあまり17年間も過食を続け200kg以上もの体重になってしまった母親と、生まれた時から医者に先がないと言われた知的障害を持つ弟アーニーの存在だった。
母親の食費を稼ぐ為に働き、弟の面倒を24時間みる日常で、彼は生きていても死んでいるように淡々と過ごすしかなかったのだろう。
そうやって生きている人は意外に多いと思う。
自分の希望を直視したら苦しくて生きていけない人。『やらなければならない事』だけをやって、『これでいいんだ』と自分に言い聞かせて生きている人―
ギルバートもそんな人達の一人だ。唯一の抵抗は夫ある人との情事だったのだろうか。
でもこれも自分が本当に望んでいる事なのか、彼には分からないのかもしれない。
『思考のシャットダウン』がギルバートの生きる術なのだ。

そんな彼の前に、トレーラーで旅をするベッキーが現れる。
自由で快活なベッキーとの出会いで、ギルバートは初めて自分の内面を見る。
何も変わらない町で、何も変わらない日常を過ごす事への苛立ちを内に秘めていた事に気付いてしまう。
「必ず兄ちゃんが守る」と約束し、いつでも18才になる弟をオンブしてあげて、かくれんぼに付き合い、お風呂に入れてあげる優しいギルバートは、苛立ちから大切な弟に手を上げてしまう。
障害を持つ家族がいることの苦しみが深く胸に突き刺さるシーンだ。
愛する者の先が見えない不安。他者から守ってあげなければならない責任。でも一体いつまで?いつまで続く―?
そして、笑い者になる程太ってしまった母の存在。昔は美人だった母が、悲しみから立ち直れず過ごしてきた事で、ギルバートや姉妹が母親に気を遣い、腫れ物を扱うように愛する姿も胸に迫った。
支えあって生きている家族。そんな5人に訪れる悲しい出来事に、ギルバートが下した決断には、いつ観ても涙が止まらない―

この映画のジョニー・デップは、感情を抑えた素晴らしい演技をしている。今より少しふっくらとした風貌の彼は、自我を閉じ込めて生きる青年の役を見事に演じている。
私はこんなジョニーも大好きだ。

そしてレオナルド・ディカプリオは、バッタだけが友達の障害を持つ青年を演じた。
この役でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた彼は、この時19才だった。
本当に障害を抱えているとしか思えない迫真の演技であるが、とても自然に演じている。
みずみずしく透明感があり、彼の表情一つ一つに愛らしさが溢れている。
この時の彼は最高だったと思う。

あと特筆すべきは、母親役のボニー・グレイブだ。
この物語は、彼女の演技なくしてはありえない。決して楽しい役ではないはずだが、母親の苦悩が彼女の苦悩そのままであるかのような演技で胸を打つ。

全編に流れる優しい音楽も、この物語の貴重なパートナーだ。
今や大スターとなってしまったジョニー&レオの爽やかな演技が、いつでも静かな感動を届けてくれる映画だと思う。(1993年の作品)

                         ハートフルな愛の物語。。。 (4.5点)

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【本】沈黙

2007-01-26 13:40:50 | 本【小説・日本】

           『沈黙』     遠藤周作     新潮文庫

いつも拝読させて頂いている『映画のメモ帳+α』のmoviepadさんの記事に、マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の『沈黙』の映画化を手掛けると書かれていた。

興味を持ったので、早速読んでみることに―

【story】
島原の乱が鎮圧されて間もない頃、キリシタン禁制のあくまで厳しい日本に潜入したポルトガル司祭のロドリコは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる―

【comment】
信仰心の無い私が、稚拙な感想を書く事が許される小説なんだろうか・・・
その判断も出来ない程、深く考えさせられる小説だった。

従って今回は感想ではなく、主人公ロドリコの行動と心理の移り変わりを紹介し、この小説をスコセッシがどのように映画として作るつもりなのか、私なりに頭を整理するためだけに書き留めておこうと思う―

*1587年以降、秀吉の政策で基督(キリスト)教の迫害が始まると、司祭や信徒たちが拷問・虐殺された。
徳川将軍もその政策を踏襲したため、1614年、全ての基督教聖職者は海外に追放され、密かに日本に潜んでいた司祭らは拷問された。そして背教する司祭らも現れてくるようになる。
そうした背景の中、ポルトガルの若い司祭・ロドリコは、仲間の司祭と共に日本への潜伏を企てる。
日本での現状を自らの目で確かめ、司祭を失った信徒たちを勇気付け、信仰の火種を絶やさぬ為の理想に燃えた信念からであった。

*一旦澳門(マカオ)に停泊したロドリコらは、日本人キチジローと知り合い、日本への密航の準備をする。
苦難の末トモギ村という漁村に辿り着いた一行は、パードレ(神父様)と呼ばれ信徒達に暖かく向かい入れられる。
そして、他の地にもいるであろう信者との接触を夢みながら、山中に隠れ住む。

*役人にロドリコらの潜伏がばれ、村人たちが襲われることになる。
村人が水磔に処せられても、「神が沈黙」していることにロドリコは一抹の疑問を抱くようになる。
「神は自分に捧げられたあまりにも惨い犠牲を前にして、なお黙っていられる・・・」

*一旦は役人の追っ手から逃れたロドリコだったが、キチジローの密告により、役人に捕まってしまう。
弱き人間キチジローに対し、基督を裏切ったユダを重ね合わせ苦悩する。
そして檻の中から見た信者の処刑を目の当たりにして思うのだ。
「あなたは今、あの百姓があなたの為に死んだのを知っていて、何故こんな静けさを続ける。それが…耐えられない」

*長崎の筑後守イノウエのもとへ送られたロドリコは、一緒に日本に渡ってきた司祭・ガルべも目の前で失い、牢獄の中で、「神はいるのか。もし神がいなければ、自分の半生は滑稽だった・・・」と思い悩む。
そんな時に、背教を選択した、かつては尊敬していたフェレイラ司祭との再会を果たす。
フェレイラから、「日本に基督教は根をおろさない。日本人が信仰していたのは基督教が教える神ではない。日本人は神の概念は持たなかったし、これからも持てないだろう」と告げられる。

*いよいよロドリコが拷問を受けることとなり、ロドリコは穴吊りの刑を受ける覚悟を決める。
ところが、拷問を受けるのはロドリコ自身ではなかった。
ロドリコが背教を誓わない限り、他の信者たちが拷問を受け続けるのだ。
ロドリコの耳に執拗に迫ってくる信者のうめき声・苦痛の叫び声・・・・それでも神は沈黙している。
果たして本当の愛の行為とは何なのか・・・



小説の裏書に、「神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト教信仰の根源的な問題を衝く」とあったが、その通りであった。
大変
重苦しいテーマではあるが、グイグイと読ませていく力を持った小説で、一気に読み進めてしまった。
しつこいようだが、私は信仰心を持たない。だがついこの前、思い立って『新約聖書』を読んだ為か、ロドリコの心理の葛藤が心に沁みてきやすかったし、文章や言葉の中にあった聖書からの引用も胸に入りやすかったかもしれない。


この小説が映画になるのか・・・と思うと、楽しみというより恐ろしい気がする。
各方面からの異論や反発もありそうだ。
元々牧師を志していたというスコセッシ監督が、主人公ロドリコの下した決断をどう解釈して表現するのか・・・非常に興味はそそられるが。
小説には、信仰の根源的問題だけでなく、無残な拷問の場面も多くある。
忠実に映画にしてしまうと。残酷で悲惨な映画になってしまうのではないか・・・という危惧もある。

ちなみに解説によれば、この小説に扱われている事件や人物の大方は、史実に基づいているそうだ。
日本に潜入した3人の司祭にもモデルがいるらしい。


 ~「エロイ・エロイ・ラマ・サバクタ二」(なんぞ、我を見捨棄て給うや)~(本文より)

       それでも神は沈黙しているのか  (4点)

                        遠藤周作 『海と毒薬』 の感想です

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ディパーテッド

2007-01-24 16:48:55 | 映画【た行】

『インファナル・アフェア』を観た時、暫くうなされた。
皿を洗っている時でも、いきなり「何でっ どうしてトニーがあんな事に~」と叫び、家族をビビらせた。
そんな香港映画をマーティン・スコセッシ監督がリメイク。
怖いなぁ~(無実の罪系の映画が苦手) 
でも、オスカーを逃してばかりのスコセッシ&ディカプリオの執念の作品を見逃すわけにはいかないし、どうやら作品賞&監督賞にノミネートされたようだし・・・  Go

【story】
犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別する為に警察官を志したビリー(レオナルド・ディカプリオ)と、マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)によって警察官に仕立てあげられたコリン(マット・デイモン)。マフィア撲滅の最前線で有能な警察官を装いながら、コステロに情報を流し続けるコりン。一方マフィアへの極秘潜入捜査を命じられたビリーは、苦悩を抱えながらも、任務の為に犯罪者のふりをし続ける。やがて双方でスパイ探しが始まった―
          ~男は、死ぬまで正体を明かせない~

【comment】 (*ちょっとネタばれを含みます)
鑑賞中、緊張の連続で非常に疲れた。
だけど終わってみたら、『インファナル・アフェア』で感じたような無情感・虚脱感・喪失感・悲壮感・・・のようなものは何もなかった。
何でだろう?
役者は皆良かったのに―

昔ディカプリオが好きだった
美しかったし、『ギルバート・グレイプ』や『仮面の男』『バスケットボール・ダイアリー』・・・などの彼の演技も大好きだった。
最近は、すっかり魅力が薄れたような気がして、新作の度に「昔の恋人に再会したら禿げだった・・・」みたいな寂しい気持ちを抱いていた。
だけど今回の彼は、少し力が入り過ぎていたと思うが良かったと思う。
極秘に潜入したマフィアで過ごす苦悩や、自分を受け入れてくれる場所のない孤独感、ネズミだとバレたら殺されるという緊迫感がヒシヒシと伝わってきて、
また彼を好きになってしまいそうだった
トニー・レオンのような翳のある表情では無かったが、今回の映画では合格点をつけちゃおうかな

マット・デイモンも上手かったと思う。アンディ・ラウよりも力が抜けていて、個人的にはマットの方が好きかも。

そしてジャック・ニコルソンちょっとエロじじい過ぎたが、彼はやっぱりマフィアが似合う。
物凄い迫力で、ディカプリオとの掛け合いも観ているこちらまでドキドキした。

主要な3人だけでなく、マーティン・シーン、マーク・ウォールバーク、アレック・ボールドウィンなどの好演にもかかわらず、鑑賞後に消化不良だったのは、最後のオチの部分のせいかな・・・と思った。
『インファナル・アフェア』では【無間地獄】をテーマにしていたので、観る者に重く圧し掛かかってくるものがあったが、『ディパーテッド』は、最後の最後で『勧善懲悪』みたいな方向に持っていったので、私の中でプラス・マイナス=ゼロになってしまった。
あの人もこの人も・・・次々とバタバタ死んじゃったら、残酷劇場で終わってしまう。
死に方もあっけなくて、どの人物の死に対しても感情移入が出来なかった。
役者が皆いい仕事をしていただけに残念に思う。

これで、作品賞は獲れないのではないかなぁ~ わからんけど。
監督賞は、スコセッシ6度目のノミネートだから獲れるかもしれないけど・・・
少なくとも、もう一度観たくなるような作品ではないかな。
別の意味で『インファナル~』も観れない。悲しすぎる~

でも、ディカプリオは見直しちゃった。家にある写真集は捨てずにおこう(笑)
もうすぐ公開される『ブラッド・ダイヤモンド』が楽しみだ

     
    ストーリーはともかく役者の演技は鬼気迫ってます  (3点)

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マリー・アントワネット

2007-01-22 15:28:28 | 映画【ま行】

キルスティン・ダンストは苦手です
でもマリー・アントワネットは、とても興味のある女性・・・
え~い、ガタガタ言ってないで観に行こうっと―

【story】
わずか14歳で単身オーストリアからフランス王家へ嫁ぎ、18歳で即位したマリー・アントワネット(キルスティン・ダンスト)。最高の栄誉と贅を手にした彼女は、優雅に見える暮らしの中で、王妃として妻として母として、ひとりの女性として、何を感じ、何を思ったのか―

     監督・脚本 : ソフィア・コッポラ 

 ―最も愛され最も憎まれた、世界一有名な王妃マリー・アントワネットの新しい物語―

【comment】
途中まではとても良かった―
軽快な音楽、ピンクと水色の可愛らしい色彩、美しい衣装、オモチャのような可愛いお菓子、絢爛豪華な本物のヴェルサイユ宮殿―
たった14歳で嫁いだアントワネットの、孤独からくるであろう夢のような世界 ―
24時間取り巻きに囲まれながら生活し、プライバシーのかけらも無く、ゴシップの中心にされる・・・そんな生活 ―
だが最後まで観ると、いったい監督はアントワネットの何を表現したかったのか分からなくなってしまった。
アントワネットが『何を感じ、何を思ったのか』が伝わってこなかった―

この映画の原作『マリー・アントワネット』(アント二ア・フレイザー)は未読だが、以前マリー・アントワネットに興味を持ち本を読んだことがある。
オーストリアの女帝マリア・テレジアの娘として、享楽的な貴族文化の絶頂期にフランス宮廷に輿入れしたアントワネットは、ロココ趣味の典型的な代表者となる。
衣装、宝石に莫大な費用を費やし、夜毎にパリの劇場や賭博場へと出掛け、
プチ・トリアノンの別荘では、仮面舞踏会を催し芝居を演じさせ、ひたすら遊び暮らしていた。
母親のテレジアから警告を受けても「私は退屈するのが怖いのです―」と答え、贅沢な生活をやめられなかったという。

では、何が彼女を享楽へと駆り立てたのか?
それは、もちろん彼女の贅沢好きな軽佻浮薄な精神にも依るだろうが、夫ルイ16世が一種の性的不能者で、結婚してから7年もの間、妻を処女のまま放置していたと言われている事も原因と考えられるだろう。

映画の前半では、この点がよく表現されていたと思う。
自分に関心を示さない夫への苦悩や、「ウィーン女」「不感症」などと囁かれる屈辱や孤独が伝わってきた。
自分よりも先に義妹に男の子が産まれた時の苦しみには涙が出てしまった程だ。
その後、アントワネットの兄ヨーゼフ2世が、ルイに進言に来た場面もあったが、これは実際には、ルイに外科手術を勧めたとも伝えられている。

長い年月をかけて母親となったアントワネットであるが、緊迫した時代の空気を読む事が全く出来なかった。それは彼女が政治的に狭量であった為だけでなく、ヴェルサイユ宮殿という巨大な夢の箱に入っていた為でもあろう―

さて、映画の
後半であるが、フェルゼン伯爵とのロマンスや、ルイ16世との心の繋がり、またせっかく登場したデュ・バリー夫人との絡みなどが、描ききれていなかったように思えて残念だった。
特にフェルゼン伯爵は、王妃の側近が全て去ってからも、彼女を救おうと奔走した人物と認識している。
恋人同士であったと思われる二人の関係を、もっと深く描いて欲しかったと思う。
また、怒り狂う民衆に対して何故あの様に頭を下げたのか・・・
この点もサラリと流していて消化不良だったように思う。
だから最後のシーンでは、「えっ?」と思ってしまった。
この映画独自のスタイルで、もう少し踏みこんで、アントワネットの晩年の心理を描けば、もっと観客に訴えるものがあったのでは・・・と感じてつくづく残念だ。

キルスティン・ダンストは、ちっとも綺麗だと思ったことはないが、この映画の彼女は可愛らしかった。
彼女は、ああいう宮廷衣装が驚くほど似合っていて美しかったと思う


時代の波に翻弄されたアントワネットは、わずか38歳で断頭台の露と消える―

    ~喜劇が悲劇になったとき、
      宮廷の虚飾によって窒息させられた魂ほど、気高いものはない~     
                                  (ジャン・コクトー)
       
     モダンでヴィヴィットな宮廷世界・・・雰囲気が好き   (3点)

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プリティ・ウーマン

2007-01-21 15:26:06 | 映画【は行】

『Mr.&Mrs. Smith』のレビューを書いたら『プリティ・ウーマン』が観たくなった
DVDの写真がソックリなんだもの~

【story】
ビバリー・ヒルズの夜― 実業家のエドワード(リチャード・ギア)は、ふとしたきっかけでヴィヴィアン(ジュリア・ロバーツ)という娼婦と出逢う。2人は、一週間だけのパートナーとして契約を結び、ビバリー・ヒルズの高級ホテルに宿泊するエドワードのペントハウスで一緒に暮らし始める。娼婦からレディへと変貌していくヴィヴィアンとの時間は、仕事一筋のエドワードの心に変化をもたらしていく。やがて互いに惹かれ合うようになるが―

【comment】
1990年の映画。大好きな大好きな作品
以前はビデオを持っていたが、DVDも買って、何回も繰り返して観ている。
もう17年も経ってしまったが、一応「現代版シンデレラストーリー」のこの映画は、今観てもちっとも古くなく、最高に素敵な映画だと思う。

リチャード・ギアもジュリア・ロバーツも大好き―
この映画の時の二人は本当に素敵だなぁ~って思う。
リチャードはともかくとして、ジュリアは、やっぱりこれが最高傑作じゃないかな。

エドワードはやり手の実業家。冷徹なまでの仕事ぶりに「ウォール街の狼」とまで言われている。
だが仕事では成功していても、私生活は少し寂しい。
一方、夢破れて、生きる為に娼婦という仕事に就いているヴィヴィアンは、屈辱に耐える人生を送りながらも、無邪気で素直で可愛い。

そんな2人が出逢う―

始めはヴィヴィアンの品の無さに戸惑うエドワード。
大声でガハハと笑い、話す時の大袈裟過ぎる身振り手振り。
食事が乗っているテーブルにも平気で腰を下ろす習慣。
だけど、
彼女の飾らない正直で素直な性格にドンドン惹かれていくエドワード―
そりゃー惹かれるでしょう 
バスローブ姿がこんなにもキュートな女性って他にいるかしら?パンケーキを頬張る顔も、お風呂で泡だらけのまま歌う姿も、たまらなく魅力的なヴィヴィアン。

そしてエドワードと過ごしていく時間で、少しづつ変わっていくヴィヴィアン―

初めてのカクテルドレス ― まだ歩き方が、がに股ですよ・・・
高級ブティックで贅沢なお買い物 ― プリティウーマンの曲をバックにお洋服を選ぶ様子は、女性だったら誰もが憧れちゃう。大好きなシーン
赤いロングドレスで初めてのオペラ鑑賞 ― 歩き方まで楚々としてきている。
清楚なドレスでのポロ観戦 ― ここで、2人の世界のギャップが―

住む世界が全く違う2人の愛のストーリー
女性だったら誰もが憧れる究極のシンデレラストーリーを、余すことなく堪能出来る
男性も、誰の色にも染まってない素直な女性を手に入れるのは憧れなんじゃないかしら?

これは、オードリー・へップバーンの『マイフェアレディ』を参考に作られているらしい。
映画の中で、へップバーンの『シャレード』のワンシーンが流れるのも気が利いている。

エドワードとヴィヴィアンだけでなく、ホテルの従業員達も素敵な役回りを演じていて好き。
約一名の嫌われ者役の人を除いて、誰もが2人のキューピッド

一週間で3000ドルの契約で始まった2人が、どんな風に結ばれていくのか、
まだ鑑賞していない方は是非観てほしい映画です―

        
   究極のシンデレラストーリー、名作で~す   (5点)

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Mr.&Mrs. Smith

2007-01-19 18:15:10 | 映画【英・数字】

アンジェリーナ・ジョリー大好きブラッド・ピットも好き
楽しみにしていた映画で、劇場鑑賞済みのこの作品。DVDも買っちゃった~

【story】
コロンビアで運命的な出逢いをしたジョン(ブラッド・ピット)とジェ―ン(アンジェリーナ・ジョリー)は、電撃結婚してMr.&Mrs.スミスになった。だが、二人には重大な秘密があり、お互いにそれを隠しながら結婚生活を送っていた。
実は二人の正体は、敵対する組織に所属する超一流の暗殺者だったのだ―

【comment】
これじゃぁ~愛し合っちゃうでしょ、この二人 
今や子どもまで授かったブラピ&アンジー。
家でDVDを観ていると、結婚披露宴で見せられる『結婚する二人の馴れ初めビデオ』を観ているような気分になってしまう。

この映画は、ブラピ&アンジーだから成り立ったんだと思う。
二人とも華麗でカッコイイったらありゃしない
単純なストーリーだけど、ユーモアあり、アクションありのセンスの良い作りだし、二人の息もピッタリだ 

映画の冒頭からコメディチック。
秘密を抱え、嘘を重ねた結婚が上手くいくわけもなく、倦怠期真っ最中のジョン&ジェーンは、セラピーなんかを受けてる。
会話の端々に気持ちのスレ違う夫婦の雰囲気が
よく表現されていて可笑しい。
そして、どちらかと言うと亭主関白のジョンとプライドの高いジェーン。
よくぞ5~6年も結婚生活が続いたものだと思ってしまう。
二人は暗殺者としてもタイプが違うし・・・
ジョンは、直感を頼りにする泥臭い殺し屋で、ジェーンは、ハイテクを駆使した組織の暗殺エージェント。この好対照な設定も好きかなぁ~

二人がお互いの正体を知る事になる過程も面白い。
微妙な駆け引きが、観ているこちらにスリルを与えてくれる。
ワインボトルのシーンなんかはお気に入りだ。
タイムリミット48時間で、相手を消そうとするバトルが始まると、もう目が離せなくなる。
そこまでやるか~って思うほど派手に撃ち合って、豪邸なんかは無残な状態になっていく― 
思わず、「勿体無い壊す前にその家くれ~~」と言いたくなるほど木っ端微塵状態に・・・
でも夫婦はわかりませんねぇ~
その後の二人の展開は、「もう勝手にやって下さい」
という感じだけど、私はこのストーリーが好きかな。観終わった後、スッキリしちゃう。

これはお気に入りの映画 疲れずに気楽に観れるし、なんたって目が楽しい。
ブラピは坊主でもカッコイイし(ちと猿顔はご愛嬌)。。。
アンジーの編みタイツ姿には、惚れ惚れしてしまう。。。

   
  ブラピ&アンジーの実生活を想像させる
いわゆる究極の夫婦喧嘩ムービー 
                                    (4点)

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ラッキーナンバー7

2007-01-17 08:48:37 | 映画【ら行】

ジョシュ・ハートネットが主役かぁ~ 
この前観に行った『ブラックダリア』は面白くなかったなぁ~と思いつつも、ジョシュは好きだし、ブルース・ウィルス、モーガン・フリーマン、ベン・キングズレー、ルーシー・リュー等の豪華競演でもあるし、前知識を入れずに観に行くことにした。

【story】
仕事をクビになり、アパートからも追い出された不運続きの青年スレヴン(ジョシュ・ハートネット)は、友人を頼ってニューヨークへやって来る。ところが、その友人と間違えられてギャングに借金の返済を迫られてしまう。そして返済が出来なければ、敵対するギャングの息子を殺すようにと強要される―

【comment】
この映画好きー  
かなり面白かった

最初に、ブルース演じる殺し屋グッドキャットが、20年前の事件を語るところから始まる。
残酷な事件―少しのボタンの掛け違いで、善良な人間に起こってしまった悲劇。
それから、不運続きの青年スレヴンが、あれよあれよという間に敵対する二つの組織のボスから、理不尽な命令をされる羽目に陥るところへ話が進んでいく―
そこで、だいたいオチが読めてしまうと思うんだけど、、、役者が皆魅力的だし映像も凝っているから、ついつい惹きこまれてしまう。

ジョシュの映画を全部観たわけではないが、いま一つ出演作に恵まれていないのではないかしら?と思っていた。でもこの映画のジョシュはスゴク良かったぁ~
始めはちょっと情け無い感じで、頼りない青年に見えたのだけど、ギャングの前にいても何故か肝が座っている。その理由が明らかになってからの、彼の鋭い目線にヤラレテしまった・・・
カ・カッコイイ~

ブルースの《殺し屋》も嵌っていた。彼は殺し屋がよく似合う(笑)
あの無表情な冷たい目は、かなり恐ろしい。でも、彼の昔の映像の髪型は・・・・
他にどうにもならなかったのかしら?ちょっと見てはいけない物を見たような気分になってしまったのは何故だろう(笑)

そして、敵対するギャングのボス二人も味があって良かった。
昔一緒の組織だったからといって、わざわざ真向かいのビルに居を構えているあたりも可笑しい。
モーガン・フリーマンもベン・キングズレーも、あまり悪人には見えないけれど、渋くて素敵だった。

一つ気になったのは、ジョシュとルーシーとのロマンスかなぁ~
ルーシーは可愛かったとは思うけど、この映画に必要だったのかなぁ~ 
どうも彼女の存在が、少し安直だったように感じた。
もしかしたら、男だらけのクライム・サスペンスに仕上げた方が面白かったのではないかしら・・・と思ってしまった。

映画の最後の方で、ネタばらしのシーンがあるけれど「こじつけだろう~~」みたいな嫌な気持ち(←『ブラックダリア』で体験)にならず、スッキリとしていると思う。
ただルーシーがねぇ~いいのかね、これで(←シツコクこだわる

豪華競演サスペンス なかなかオススメの映画です~

   
   ジョシュのバスタオルを巻いた裸が観られます   (3.5点)

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【本】ナイトフォール

2007-01-15 22:22:22 | 本【小説・海外】

     『ナイトフォール』 上下巻   ネルソン・デミル   講談社文庫

ネルソン・デミルは面白い。なかでもIRAを題材にした『ニューヨーク大聖堂』やリビア・テロリストを題材にした『王者のゲーム』は最高に好きだ
膨大なる取材と、綿密なる調査、緻密に練り上げた構成とウィットの効いた文章。
登場人物も魅力的に描かれていて・・・扱う題材には興味を掻き立てられる。
〈世界の警察アメリカ〉の内外のひずみにスポットを当てた作品を書いたりするのだ。

【story】
1996年7月17日、NY州ロングアイランド沖で、航空機TWA800便が爆発墜落した。
事故原因は機器の故障として調査は終了したが、テロ・軍の陰謀など異説は鎮まらず、連邦総合テロリスト対策特別機動隊(ATTF)捜査官ジョン・コーリーが、妻のFBI捜査官ケイト・メイフィールドと共に真相究明に立ち上がる。
海面から出現し飛行機に向かったという謎の光りとは何か?!

【comment】
これは実際に起こった事故を題材にした小説である。
1996年7月17日、TWA800便が墜落し、乗員・乗客230名全てが犠牲になった。
事故原因の調査は難航したが、最終報告は、機器の故障とされている。
だが、地対空ミサイルが飛行機に向かっていったという多くの目撃情報があった為、陰謀説が根強く残ったということだ。

小説の目次を見ると、「第一部 1996年7月16日」「第二部 5年後」「第三部 9月」となっており、心臓がドキドキした―まさかデミルは、この飛行機事故を「911」に繋げるつもりではないでしょうね・・FBIとかCIAに捕まっちゃうよ~(←映画の観過ぎ
小説の所々に「世界貿易センター」が出てくる・・・やっぱり、やるのねデミル
じゃ~思い切ってやっちゃって頂戴  と思いながら読み進めた。

この小説は『王者のゲーム』の続編の色が濃い。
登場人物もかなり被っているから、先に『王者~』をお読みになることをオススメしたい。
その方が数倍楽しめるだろう。

私はこの小説の主人公「ジョン・コーリー」が大好きだ
『プラムアイランド』『王者のゲーム』に続いて3作目の登場だ。
年令51才位。相手構わずジョークを飛ばし、ユーモアのセンスに満ちている。
組織にとらわれない斜に構えた無鉄砲さがあるが、大変優秀な捜査官なのだ。

彼の一人称で語られるこの小説を楽しみながら読む事ができた。
だが、題材が題材なだけに仕方ないのかもしれないが、少々テンポが悪い。
膨大な取材を余すことなく小説に詰め込みたい気持ちは分かるが、どうしても中だるみは否めない。
また最後の展開は、どうだろう・・・
次回作へ繋げたようだが、そうすると単品でのこの小説の価値が落ちてしまうだろう。

それにしても、たまらなく続きが気になってしまう。
その後、この飛行機事故ともう一つの惨事をデミルはどう描くつもりなのか・・・

ネルソン・デミルはアメリカではトップ作家の一人だ。
彼の鋭い視点と切り口に、多くのファンが魅了されている。
私も日本のファンの一人として、これからの彼の作品を熱望している。

    ~陰謀は理論ではない。陰謀は犯罪だ。~
(本文より)

      果たして陰謀なのか・・・    (3点)

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モンスターハウス

2007-01-14 09:20:27 | 映画【ま行】

ロバート・ゼメキス&スティーブン・スピルバーグが贈るミステリー・アドベンチャー
家が何でも食べちゃうなんてっっ・・・ 面白そうじゃない
ということで、子どもを誘って劇場へ―  吹替版で鑑賞です。

【story】
12才の少年DJは、向かいのネバークラッカーの家をずっと怪しんでいた。ネバークラッカーは、家に人が近付く事を極端に嫌い、敷地に入った物を何でも取り上げてしまうのだ。そんなある日、ネバークラッカーが倒れ病院へと運ばれる。だが、誰もいないはずの家で不審な動きが・・・・DJは、親友チャウダーと、ひょんな事から知り合ったジェニーと共に、ネバークラッカーのモンスターハウスの真相を探ろうとする―


【comment】
『アニメは日本が世界一だぁ~』と、子どもにまで教えている私。
正直、この「絵」に慣れるまで少し時間が掛かりました・・・
どうやら『最新鋭モーションキャプチャー』という技術を駆使しているらしく、「絵」の人間が変にリアルなんですよぉ~
無知な私は『モーションキャプチャー』って何さ?と思ったので調べてみました。
**実際の人の動きを撮影し、その映像をキャラクターにあてはめ加工する事により、CG映像を創り上げていく技術で、人の細かな表情や自然な動きをリアルに3D-CG化する事が出来るというもの**
そうですか・・・でも、
リアル過ぎるでしょう~

「絵」にはちょっと馴染むのが大変だった私。But
ストーリーは面白かった
だって、実際に家が人や犬を飲み込んじゃうんですよっ
一体どういう事なのか・・・身を乗り出して観てしまいました。
純情な家の息子なんて、優しい母(私)の腕にしがみ付いてきましたよ
家が《モンスター》なのか、それとも《霊》の仕業なのか・・・みたいな子どもだったら怖~くなってしまうような話の持って行き方が上手かったと思う。
家が不気味に変形していく様子も面白かったなぁ~

登場人物の子ども達も、お決まりの設定で安心出来るし。
ちょっぴり気の弱い普通の少年DJ。親友の太めでちょっと鈍いチャウダー。
本来二人には無縁の、可愛くて優等生のジェニー。 はい、お決まりお決まり・・・
そして怖くて怪し~い向かいに住む老人。 これも、お決まりお決まり・・・
思春期を迎える3人の子ども達が、老人の家・モンスターハウスに立ち向かう。
だけど、大人は力になってくれない・・・ う~ん、お決まりお決まり。

最後の、子どもハウスはスゴイよ~
家の中での奮闘シーンは、ユニバーサル・スタジオで何とかアトラクションに作って欲しいと投書したいほど興奮してしまった。
それにしてもDJのご近所さんは、スゴ~イ事態が起きていても、人っ子一人出てこない。
何でだろう・・・東京砂漠か?(←古っ・爆)


吹替えは、老人が泉谷しげる。ジェニーが石原さとみ。主役のDJが高山みなみ。
だけど、泉谷さんにも石原さんにも気が付かずに観ていました(汗)
全く違和感なく動画に馴染んでいたと思います。
お子様連れで行っても、大人も充分楽しめる映画だと思います
ただ、子供向けの映画にしては、家があんな風になってしまった理由が、ちょっと子どもには分かりにくかったかなぁ~と感じました。

   
   大人も楽しめるアニメ映画。小さい子は怖がるかも・・・  (3点)

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リトル・ミス・サンシャイン

2007-01-12 20:56:50 | 映画【ら行】

評判がいいので、今年最初の劇場鑑賞をこの作品に決めた―

【story】
アリゾナ州郊外に住むフーヴァー家―
家長のリチャード(グレック・キニア)は、「勝ち組・負け組」信奉者で、自分で考案した「9ステップ成功論」の持説を振りかざす。息子ドウェーン(ポール・ダノ)は、ニーチェに心酔し沈黙を守り続ける、空軍パイロット志望の15才の青年。娘オリーブ(アビゲイル・ブレスリン)は、ミスコン優勝を夢見る9才の女の子。グランパ(アラン・アーキン)は、老人ホームを追放された問題児おじいちゃん。母親シェリル(トニ・コレット)は、家族をまとめようと孤軍奮闘中。そこへ、○○未遂したシェリルの兄フランク(スティーヴ・カレル)も加わって、オリーブの「リトル・ミス・サンシャイン」コンテスト出場のため、一家揃ってオンボロバスでカリフォル二アを目指す―
        
   ―夢と希望を乗せて、黄色いバスは行く―
     監督 : ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス

【comment】
「勝ち組・負け組」って嫌な言葉
人それぞれ価値判断の基準は違うから、一概にそんな事は決められないと思うもの。
リチャードが家族に、「負け組になりたいのか?勝ち組になれ!」と檄を飛ばしている姿は、何だかとても滑稽だった。
グランパがオリーブに話したように、「真の負け組は、勝たない者の事じゃない。真の負け組とは、負ける事を怖れて挑戦すらしない者だ―」という方が納得できる。
このグランパは、問題児のわりにはいい事を言う(笑)

この家族は、【story】でも紹介したが一癖も二癖もある者ばかり―
①「負け組」否定の成功論提唱者のパパ・リチャード
②家族をまとめようと奮闘するママ・シェリル
③ニーチェに心酔する沈黙の兄・ドウェーン
④ミスコン優勝を目指すポッチャリした妹・オリーブ
⑤ワガママな問題児のおじいちゃん・グランパ
⑥ゲイでジサツ未遂のプルースト研究者の叔父・フランク
こんな6人だから、オンボロバスで旅をしたって楽しいはずがない。
そして、たった2日間の旅なのに、色んな事が起きてしまう。
6人それぞれに試練があるのだ―

グランパがあんな事になってしまったのも驚いたけど、ドウェーンも可哀想だった。
9ヶ月も沈黙を貫く程とっても意志が強い子だから、その沈黙を破らせた苦しみには涙が出てしまった・・・
そうそうこのドウェーン役のポール・ダノ。映画を観ながら「どこかで観たぞ」と考えたんだけど、アンジーの『テイキングライブス』に出ていたと思う。
出演時間は短かかったけれど、独特の表情が印象に残った役者さんだ。
他の役者さんも見覚えのある方ばかり。
それぞれが役にハマッテいて、観ているこちらまでもどかしくなったり泣き笑いしたりしてしまった。


『リトル・ミス・サンシャイン』―この家族のサンシャインはやっぱりオリーブちゃんなのでしょう。
ひたむきで素直な心優しい女の子
彼女のミスコン出場の旅がきっかけで、家族の気持ちがどんどん一つになっていく―
きっとこの後、家族の何かが変わっていくんだと思うな

  

 映画の後ふと思った。「あの家族が経済的に困ったら『佐賀のがばいばあちゃん』の
   本でも送ってあげようかな・・・」と。
               心暖まるロードムービー  (3点)

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恋愛適齢期

2007-01-11 19:31:11 | 映画【ら行】

これは大好きな映画の一つ
以前WOWOWで観て虜になりDVDを手元に置いている。

【story】
ハリー(ジャック・ニコルソン)は63才。音楽業界で10も会社を経営する富豪で、30才以上も年下の若い女性とばかりと付き合うプレイボーイ。彼は、恋人のマリン(アマンダ・ピート)と週末を過ごす為、マリンの母親の別荘を訪れる。そこでマリンの母親で著名な劇作家エリカ(ダイアン・キートン)と鉢合わせする。気まずい雰囲気の中、心臓発作を起こしたハリーは病院に運び込まれ、医師ジュリアン(キアヌ・リーブス)に助けられる―
     監督 : ナンシー・メイヤーズ  『ホリデイ』

【comment】
初めて本当の愛を知った不器用な二人の可笑しくも胸をくすぐるラブ・コメディー

なんたってジャック・ニコルソンとダイアン・キートンが最高~

ジャック演じるハリーは、お金さえ持っていれば、世の男性が羨むようなお気楽な男女交際を楽しんでいる―
監督のナンシー・メイヤーズが、DVD特典で「ジャックの演技が素なのは、彼が名優だからよ」と言ってたけど、全くそう思う。プレイボーイのハリーが、とってもお茶目で可愛く見えるのは、ジャックの表情一つ一つが魅力的だからだ
愛を知らない63才が、エリカとの出会いに戸惑い、不安発作まで起こしちゃうところが可笑しい。

一方、ダイアン演じるエリカは56才。
劇作家として成功したものの、結婚生活は5年前に破綻。もともと人との間に壁を作り強く生きてきた彼女は、やはりハリーを通して初めて愛の痛みを知ってしまう―
このダイアンの演技も素晴らしい。泣きながらPCを叩くシーンには泣き笑いした。
ダイアンのアップを観ると、かなり皺が目立っている。こういう風に、自然に年令を重ねた顔って美しいなぁ~と思ってしまった。彼女の笑顔はとびっきりキュートだし
そうそう、この映画でダイアンは、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞を受賞している。 納得の受賞だ。

そしてキアヌ演じる36才の医師は、なんとエリカに恋しちゃう
「ありえないでしょう」と思うけど、羨まし~い気持ちの方が多いかも
だって、男性が何十才か年下の女性と恋愛ってのはよくあるけど、逆はねぇ~
まぁ、羨むのは止めにして、この映画のキアヌは素敵控えめで紳士だ。

3人の恋愛模様がコメディタッチで進んでいくお洒落で素敵なストーリー。
途中何度も笑っちゃうシーンがあって面白い。
ハリーのオシリやバイアグラ、
ベッドでの血圧計には大笑いしてしまった

最初は最悪の印象を持った二人が、経験した事の無い感情―《本当の愛》を知り、人生の喜びを知っていく―  
何度でも観たくなるオススメ映画です~

   
 名優ジャックとダイアンの大人の恋の物語   (5点)

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【本】佐賀のがばいばあちゃん

2007-01-10 09:03:40 | 本【その他】
       『佐賀のがばいばあちゃん』    島田洋七    徳間文庫

映画化やテレビドラマ化されたようだが観ていない。
本屋さんでパラパラとめくってみたら読みやすそうだったので購入―

【内容】
昭和33年、広島から佐賀の田舎に預けられた8才の昭広。そこでは厳しい戦後を
7人の子どもを抱えて行き抜いた『がばい(すごい)祖母』との貧乏生活が待って
いた―  しかし家にはいつも笑いが溢れ・・・・・(表紙より抜粋)

【comment】
ホロリとあったかいエッセーだった

これは島田洋七さん(本名・徳永明宏)の実体験を描いたものだ。
島田洋七さんの家族は、広島に住んでいた。
ところが昭和二十年八月六日、広島に原爆が落とされたことにより家族の生活は一変する。
被爆した父親が亡くなってしまったのだ―
居酒屋をやりながら残された島田さんと兄を育てていた母親は、島田さんの為に、彼を八才の時に佐賀の祖母の所に預ける決意をする。
それから、祖母と昭広(島田さん)の貧乏生活が始まるのだ―

この本を笑ったり涙したりしながら読んだ。
なんて逞しい人達だろう・・・・・
プロローグで、島田さんが「幸せは、お金が決めるものじゃない。自分自身の心のあり方で決るんだ」と書いていたように、貧乏ながらも明るく過ごすエピソードがいくつも書かれている。―
なかでも、『運動会』でのエピソードが一番好きだ
「人に気付かれないのが本当の優しさ、本当の親切」という事に胸が打たれた。

ここで内容をあれこれと紹介するよりも、是非読んでみて欲しい。
平易な文章で読みやすく、すぐに読めてしまうだろう。
激動の昭和を明るく逞しく生きてきた人達を垣間見る事が出来る。
決して何かを押し付けているわけではない、あったかい数々のエピソード―

ちょっと立ち止まり、我が身を振り返ってみようかな・・・という気持ちになった。


        「幸せは心のあり方で決まる」   (3点)
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X-MEN ファイナル ディシジョン

2007-01-09 08:25:15 | 映画【英・数字】

劇場鑑賞済みで~す またまたDVDを予約注文していました

【story】
ミュータントと人間の間に転機が訪れた。ミュータントを人間に変える新薬「キュア」が開発されたのだ。
一方人間を憎むマグニートー(イアン・マッケラン)率いるブラザーフットは、人間への全面戦争を目論む。X-MENウルバリン(ヒュー・ジャックマン)やストーム(ハル・ベリー)等は、戦争を阻止しようとするが、マグニートの仲間に死んだはずのジーン(ファムケ・ヤンセン)がいた―!

【comment】
X-MENの1と2は、イマイチ乗り切れなくって、あまり好きな作品じゃなかった。
ヒュー・ジャックマンもハル・ベリーも活かし切れていないような気がしたし。

でもこの『ファイナル ディシジョン』は面白かったぁ~
だからDVDは絶対欲しかったのだぁ~

今回は最後とあって、色んなミュータントが出る出る出る・・・
「NARUTO」みたいな影分身する者、「009」みたいに加速する者、ハリネズミだっているし、T1000みたいに壁抜けちゃう者もいる。うかうかしてると面白いキャラを見逃しちゃういそう~
美しい翼を持った者もいて、目がキラりんと輝いちゃった 「と・飛びたいっ
ガンダルフいや違ったマグニートーもスゴイのだぁ~ 
金属を操れるから、デカイ橋を壊して持ち上げちゃう
手を振るだけで、車だってフッ飛ばしてペチャンコにするっ

ただのCG頼りのド迫力映画ではなくって、そこに『愛』が絡んでくる所が泣かせるし。
そう『愛』・・・・
前作で仲間の犠牲になったジーンが生きていた。
だけど、今までのジーンではなく、ジーンの中でコントロールされ押し込められていたとてつもない破壊力を持ったフェニックスが顔を出してしまった・・・
ジーンを愛するスコットとプロフェッサー、ウルバリンは涙無くしては語れない決断へと向かうことになる―(号泣)

1作目から3作目までかなり期間があったけど、3を観るとちゃんとストーリーが繋がってたんだなぁと感心した。(原作アニメがあるから当たり前か)
でも期間が長かったためか、今回のウルバリン、顔が少し老けたような・・・
ジーンのファムケは綺麗だった。普段あまりそう思わないのだが(ゴメンナサイ)
フェニックスの時の顔が迫力あって良かったなぁ~

ところでっ エンドロールの最後には「へっ?」のシーンがあります・・・
続編はないでしょうけど・・・皆老けちゃうし

さてさてDVDの特典映像ですが、ヒュー・ジャックマンが華麗にスタントをこなす映像がありました。彼ってハンサムですよね。ちょっと好み

これでX-MENも終わるのかあ。ちょっと寂しいけど、まもなく『ファンタスティック』があるからいいか・・・・・(ダメっ?)
 
         
     アクションも『愛』も・・・盛だくさん   (4点)

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