★YUKAの気ままな有閑日記★

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【本】マドンナ・ヴェルデ

2010-08-18 18:32:18 | 本【小説・日本】

        『マドンナ・ヴェルデ』         海堂 尊         新潮社
【comment】
本作は、海堂さんの『ジーン・ワルツ』『医学のたまご』の関連作品だ。
どちらかというと『ジーン・ワルツ』との2部作といった感じだろうか。

『ジーン・ワルツ』は、産婦人科医・曽根崎理恵を主役に、医療崩壊、医療事故、少子化問題、人工授精、代理母出産、、、などの問題提起をしながら、理恵が関わる代理母出産について描いており、一方本作は、時系列をほぼ同じくして、理恵の子どもを代理母出産することになった理恵の母・みどりを主役に、みどりの視点で描かれている。
単独で読んでも面白いとは思うが、出来れば『ジーン・ワルツ』と併読した方が良いと思う。

  -story-
「ママは余計なこと考えないで、無事に赤ちゃんを産んでくれればいいの―」みどりは、一人娘で産科医の曾根崎理恵から驚くべき話を告げられる。子宮を失う理恵のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。五十五歳で、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは、実の孫。奇妙な状況を受け入れたみどりの胸に、やがて疑念が芽生えはじめる。「今の社会のルールでは代理母が本当の母親で、それはこのあたし」。


面白かったので、またまた海堂さんに一気読みさせられた(笑)

実は、『ジーン・ワルツ』や少し前に読んだ『イノセントゲリラの祝祭』では、あまりにもテーマ性が強くて、居住いを正しながら堅苦しい思いをしたり、少々辟易してしまったのだが(汗)、コチラはとても読みやすかった。
それは、主役が一人の平凡な中年女性・みどりであったことや、そのみどりの心情をわりと丁寧に描いていたことで、いかにも小説らしかったせいかもしれない。

物語は、みどりがある日突然訪ねてきた一人娘の理恵からとんでもないお願いをされるところから始まるが―理恵は、実の母のみどりに、「子宮を失う自分の代わりに自分と夫・伸一郎の子どもをお腹に宿して欲しい」と頼むのだ―そこから双子の赤ちゃん“かおる”と“しのぶ”が生まれるまでの間をみどりの過去の回想を交えながら描いている。
登場人物についても馴染みがあり、展開も大体分かっているのに、筆致の巧みさ、同じことを他面からの切り口で見せる上手さがあって、実に興味深く読ませて頂いた。

で、、、私は、先だっての『ジーン・ワルツ』では理恵の人物像がイマイチ掴めず、“不思議な女性”という曖昧な表現でお茶を濁しておいたが、今回本作を読んで、彼女についてハッキリと言っちゃえる。“変な女性”だと確信したと(笑)
みどりが理恵を“何かがスッポリ抜け落ちている”と言っていたが、私も激しく同感だった。
この女、、、マジで変だ。
まぁ~みどりも少々変わっていたしなぁ~繰り返される回想の中で、何故理恵がああいう人間になったのかが掴めると思ったのだが、、、そこはイマイチ分からなかったが。
とにかく、私としては、“クール・ウィッチ”という渾名で呼ばれる理恵を好きじゃないかも。感情というものにどこか欠落した部分があるんだもの。

だが、シリーズでのもう一人の変人、伸一郎は、、、気に入ってしまった(笑)
男性に対して評価が甘いという噂もあるが(笑)、この人は可愛い人だと思った。
『医学のたまご』で、息子のかおるにメールする際、いつも朝食の献立を連絡してきたが、そのルーツが分かって可笑しかった。
理恵と伸一郎は似た者同士だけれど、論理のブチかまし方が、理恵の方は上から目線で傲慢、伸一郎は平等で公正な気がしたなぁ~

さて、何故双子は別々に暮らすようになったのかが描かれている本作では、“医者としての使命”と“母としての愛”がキーになっている。
なかなか面白い着地点だったと思うが、ラストはちょっと安直だったのではなかろうか。
筆者は、そこのところで明確な答えを出せていないのかも、、、とか、女性の心理描写にそんなに突っ込めないのかな、、、とか、ご都合よく纏めにかかったのかな、、、とか勘ぐってしまった(笑)

ところで、私が読了後に興味を抱いたのは、理恵がしのぶを育てながらマリアクリニックを運営する後日談だ。
腕のないタク君を育てることに決めたユミさんとの関わりや母親になることで、人間的な成長を見せてくれるのでは?―と期待するのだ。
是非シリーズで描いて欲しい題材だ。      (4点)


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