武術の稽古をしていく中で最近感じるようになった感覚が『先天・後天』だ。
この場合の先天とは、始める前から知っていた事。
後天とは、稽古を続ける内に気付いたり身に付いていく事だ。
中国武術に携わってかれこれ長い。すでに人生の半分を越すほどになってしまった。
その中でいろんな事を知り身に付ける事の出来た物もいくつかあるが、もしそれら全てを武術を始めた頃に既に知っていたなら…
そんな事を考える事もあった。
しかしそれがある種の現実になったような感覚が現在自分の中にある。
それは『初歩に対する欲求』だ。
本当に初歩的な練習法をする時間が増えてきた。
しかもそれには、今まで得てきた理論が全て含まれているのである。
先天と後天がメビウスの輪の様に延々とつながったような感覚。それが私の武術の稽古で感じる感覚だ。