気がつけば思い出Ⅱ

日々の忙しさの中でフッと気がついた時はもう
そのまま流れていってしまう思い出!
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短夜をお題にした母の句~二句

2020年06月16日 | 伊代の俳句

季語は夏。

夏の夜は短い。その短さは、はかなさと重ねて惜しむ気持ちとして詠われることが多い。

母の句には母(私の祖母)を詠った句が多い。

そのなかに短夜(短か夜)をお題にした句が二句あった。

夏至は1年で1番昼の時間が長い日で、すなわちそれは夜が最も短い日。(今年は6月21日)

そんな時期に詠われる 短か夜・短夜(みじかよ)。

短か夜や母の命を刻むごと

合同句集「座唱-宇咲冬男監修」S.58.10 掲載。

まだ祖母が生きていた頃の句で介護をしていた母の心境だと思う。

短夜の明けずに欲しき母の夢

合同句集「座唱-宇咲冬男監修」S.63.10 掲載。

祖母が亡くなって寂しい想いをしていた頃の句だと思う。

この二句、私には、読み解かずともわかるような気がする。

母を失くしたばかりの私の心境とも重なっているのだ。

本当に夢のなかの母は、昔のままで、そのままず~っと続きを見ていたい。

でも短い夜はすぐ明けてしまう!!

目覚めると「ああ!!もう母は居ない」という現実になってしまうのだから。

 

祖母は自分の最期を病院でなく自宅という選択をした。

その介護のため母は祖母の最期の何カ月かを一緒に過ごしている。

そんな日々を過ごした後での喪失感は大きいものだったと思う。

 

明けずに欲しい夜


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