隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

学ぶ 62課 『黒田記念館で「湖畔」を鑑賞』

2021年01月29日 | 学ぶ

隊長が行った展示会・講演・セミナー・発表会や考えた事、など「学ぶ」の第62回は、『黒田記念館で湖畔を鑑賞』をお送りします。

 

 


1月13日 (水) に、東京都台東区上野公園にある「黒田記念館」で、代表作の『湖畔』を鑑賞しました。


昨年末の「上野の森美術館」から「寛永寺 根本中堂」までの散策途中、「黒田記念館」別館内にある 「上島珈琲店黒田記念館店」で休憩 した際に、1月13日~24日まで、同館の特別室にて、『湖畔』の公開があることを知りました。


そこで、13日に 「根本中堂」の御朱印を拝受  した後に、同館を訪れました。


根本中堂から向かうと「国際こども図書館」、

 

 


の隣にあるのが、「黒田記念館」です。到着したのが、9時20分頃。開館時間の9時半まであと10分。予想に反して、列が出来ていなくて、一番乗りでした。

 

 


日本近代洋画の父ともいわれる黒田清輝は、大正13年(1924)に没する際、遺産の一部を美術の奨励事業に役立てるよう遺言しました。これをうけて、昭和3年(1928)に竣工したのが「黒田記念館」です。館内には、遺族の方々から寄贈された遺作を展示して画家を顕彰するために「黒田記念室」が設けられています。

 

 


開館時間になり、扉から入ると重厚なエントランスが。(入館無料)

 

 


「特別室」と「黒田記念室」がある2Fへの階段を上がります。

 

 


階段を上がった左側にあるのが「特別室」。廊下から既に、裸体画の「智・感・情」が見えます。尚、館内の作品は、フラッシュを使用しなければ、全て撮影可能です。

 

 


左から「智(Wisdom)」、「感(Impression)」、「情(Sentiment)」。この作品は、明治30年(1897)の第2回白馬会展に「湖畔」などとともに出品されました。等身大の日本女性が三体、裸体で描かれ、その大きさ(180.6 x 99.8 cm)からも、また、金地背景にあたかも実際にあるかと見まごうばかりに描写されているという、視覚的印象の強さからも注目された作品です。

 

 


裸体が圧倒的な迫力で迫ってくる作品です。確かに、当時の日本ですから、ヌード作品、それもこの様な大きさの作品が物議を醸したことは、想像に値します。


特別室に入って左側に展示されている『湖畔』。

 

 

箱根の芦ノ湖と彼岸の山を背景にして涼をとるこの麗人の像は、現在では『湖畔』の題名でひろく知られていますが、明治30年(1897)の第2回白馬会展では「避暑」の題で出品され、1900年のパリ万国博に「智・感・情」などとともに出品されたものです。モデルは、照子夫人で、明治30年夏に、夫人を伴って箱根に避暑のため滞在、そのときに描かれたものです。


教科書に掲載されていたり、記念切手にもなった、この作品を直接、目にすることが出来た感動で、数分間、作品の前から動くことが出来ませんでした。


特別室の右手には、これも教科書に取り上げられることの多い「読書」が展示されています。明治24年(1891)のこの作品は、フランス滞在中に描かれサロンに入賞した初期の代表作です。

 

 


その隣に展示されている「舞妓」。本作は、明治26年(1893)欧州から帰国した黒田が京都に遊び,古都の町並みと舞妓の可憐な姿に新鮮な感動をもって接した際に描かれました。

 

 


特別室に展示されているのは、以上、6作品です。尚、特別室の公開は、年3回、新年、春、秋に各2週間です。次回は、本年3月23日(火)~ 4月4日(日)まで。


廊下を隔てた反対側が、「黒田記念室」です。

 

 


入口脇には、高村光太郎による昭和7年 (1932)作の「故子爵黒田清輝胸像」が置かれています。

 

 


扉の上部には、画家・中村不折(ふせつ)の揮毫とされる「黒田子爵記念室」の文字が刻まれていました。

 

 


現在、記念室内には、黒田の29点の作品と手紙等が展示されています。

 

 

 

 


中には、フランス留学中に制作され、「読書」と並ぶ力作である「マンドリンを持てる女」も展示されていましたが、隊長が眼を奪われた2点の内1点は、「昔語り図画稿(構図)図画稿(構図)」です。

 

 


「昔語り」の着想を得たのは、明治26年(1893)の京都旅行の折、東山の清閑寺で寺僧が語った平家物語中の小督(こごう)悲恋の物語を聞いたことによるとのこと。画面は6名の人物で構成され、一人一人の入念なデッサンや、油彩による周作を経て、完成作品となりました。しかし、残念ながら完成作は戦災で焼失し、現存していません。


もう一点は、「昔語り下絵(男と舞妓)」です。

 

 

男と横向きの舞妓を組み合わせたこの下絵に惹かれたのは、男女の関係性が色濃く現れているからです。綺麗な着物の舞妓に対して、男はみすぼらしいなりで、足もとを見ると足袋も履いていません。“道ならぬ恋” の二人の悲劇の結末まで見て取れる様な作品です。


これら‌記念室の29点の展示は、2月28日(日)迄です。

 


「黒田記念館」の住所は、東京都台東区上野公園13-9 。休館日は、月曜日。開館時間:9:30~17:00。問合せ先の電話番号 は、03-5777-8600です。

 

 


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1~50課  省略

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