「空気」に異議あり!

世の中の「空気」のいくつかを相対化していきます。初めての方は、左下の「カテゴリー」の「注意事項」をご覧ください。

「それでもボクはやってない」~出来のいい洗脳映画

2008-02-29 | 権利と空気
日本の映画賞を総ナメにした「それでもボクはやってない」が
明日、地上波で初放送されます。
筆者はこの映画を既に見ていますので、
一足先に感想と意見を述べさせていただきたいと思います。
ネタバレはほとんど書いておりませんので、ご安心を。

まず感想ですが、
筆者は男ですので、この映画の加瀬亮演じる主人公に完全に感情移入しました。
終盤、主人公の友人が怒って裁判所を出て行くシーンがありますが、
そこも同じように怒りたいくらい共感しました。

周防監督が長年の準備期間を経て作った映画だけあり、
映画としては完成度が高いと言えますが、
「私がそう感じたという事実」こそ、この映画の危険性を物語っています。

この映画も一つの表現物ですから、公正中立である必要はありませんが、
この映画がこれだけ高い評価を得ていて、実際映画の出来が良いだけに、
映画を見終わった人達の感想を見ると周防監督にかなり感化されている人が
多いので、その危険性を指摘したいと思います。


<周防監督の主張に賛成できる点>

本題は一度置いておきまして、最初に周防監督に結果的に賛成できる点から。
賛成できると言っても、周防監督とは全く視点が違いますが。

1、痴漢事件に関して、冤罪が発生しやすい空気
2、警察、検察の捜査・取調べのずさんさ

1については、ある裁判官の話によると、
痴漢事件は無罪を指摘しにくい空気があるそうです。
やはり女性団体の圧力から、メディアがこのような件に関する
「女尊男卑」の空気を作っているからでしょう。

2については、私は民主党などが求める「取り調べのビデオ公開」に賛同します。
この映画のようなずさんな取調べによって冤罪が作られる危険性はあります。

もう1つ、周防監督と違う観点からの指摘ですが、
ビデオ非公開は、被害者の人権にも害を及ぼすということです。
本村さんが被害に遭った殺人事件もそうですが、
非公開のままですと、取調べの妥当性を証明する手段がありません。

刑事裁判において、弁護側はどんなケースでも
「被告人は取り調べで人権侵害を受け、無理矢理書かされた」
とワンパターンの主張を繰返すことができ、裁判は遅延され、
被害者の人権が侵害されるのです。

ただし、「取り調べのビデオ公開」には1つ留意点があります。
それは後ほど述べたいと思います。


<周防監督の主張への批判>

この映画の問題点は、大きく言って3点あります。

3、痴漢冤罪事件の問題点を、他の検証なしに
 「刑事裁判全般の問題」として広げていること
4、人権派弁護士を善人に、被害者寄りの裁判官を悪人に、
  被害者保護を訴える人をバカとして描いていること。
5、日本の刑事裁判の「有罪率」99.9%ばかり強調し、諸外国よりも
 「量刑」が軽い、また刑事起訴のハードルの違いを隠蔽していること。


3についてですが、最初にも述べましたが、痴漢事件に限って言えば、
何でも有罪にしようという流れがあり、
それに批判的な筆者は周防監督と近い立場になります。

しかしこの映画のように可愛そうな痴漢冤罪被疑者の目線から、
日本の裁判制度全てを通じて、検察と警察を悪者に仕立てることは、
犯罪被害者の人権保護という観点から危険と言わざるを得ません。

さらに巧妙なことに、4のように、被疑者の人権を重視する
所謂「人権派弁護士」を、映画では非常におだやかな人格者として描いています。
役所浩司演じるベテラン弁護士がそれです。人権派弁護士という存在が、
犯罪被害者にとっては悪魔のような存在に見えるという視点を、
全く無視しています。客観的に見ても、
安田弁護士の態度と役所浩司では正反対と言わざるを得ません。

一方、被害者の人権を重視する人達を全て悪役かバカに描いています。
ここが「洗脳映画」たる所以です。

まずはベテラン人権派弁護士(役所)の後輩の女性弁護士(瀬戸)は最初、
「被害者の人権を守ることが使命」とムキになって先輩に反論します。
そして事件を通じて先輩人権派弁護士の意見に徐々に感化され、
今度は逆に被疑者保護の方に感情的になっていきます。
いかにも未熟者に描かれていますし、瀬戸朝香のムキになる表情が
元・被害者保護弁護士に信頼性がないと言わんばかりです。

また、途中から被疑者の揚げ足をとる裁判官(小日向文世)が登場します。
これが冷酷で嫌な男に描かれており、ここにも恣意性を感じます。
例えば、被害者保護のために情の厚い裁判官に描くことも可能だったはずです。
(それでも冤罪の被疑者にとっては悪に見えるはずで、
その方が問題提起としては優れていたはずです)。

それから、被害者の尋問の際に仕切りを置くことを、
「最近の被害者保護の声によってやっているが、これでどこが公開裁判なんだ!」
という傍聴席からの批判の声が聞こえます。
ここでも「被害者保護の声」を「悪者」として描いているのです。

最後の5は、周防氏の一番上手な洗脳テクニックと言えます。
自分に都合のいい数字だけ持ち出し、日本の刑事裁判における
被害者無視の実態を隠蔽しているのです。以下の2点を隠蔽しています。

a、日本の刑法は「量刑」が非常に軽く、被害者が「やられ損」な実態があること
b、日本の検察の「起訴のハードル」の高さ(有罪になりそうなものしか起訴しない)

aですが、いくら有罪になっても量刑が少ないのですから、
被害者の「やられ損」感覚は強烈であり、被害者の人権を無視しています。
またbですが、例えばアメリカでは証拠さえ揃えばとりあえず起訴し、
裁判で決めようという方針があります。
日本では有罪にできるものしか起訴できないんだから、
有罪率が高いのは当たり前です。

このように、有罪率だけを単純に比較するなど、短絡的にもほどがありますが、
周防監督は反論を見事に隠蔽し、そのことが伝わらないよう工夫しています。
この点からも、「非常に危険な洗脳映画」と言わざるを得ません。

また映画の最初が、
「10人の真犯人を逃そうとも、1人の冤罪を作ってはならない」
という趣旨の言葉から始まります。
これは実際に法曹界で言われている格言の1つですが、一般の感覚からして、
10人の真犯人を逃すことに平気な顔をしているのは、
被害者の人権を軽視していると感じるでしょう。
そうした反論にも一切触れられていないのがこの映画です。

つまり、「国家権力に立ち向かう司法」という「特殊な視点」による格言を、
さも「全ての真理」であるかのように、観客を洗脳しようとしているのです。


さて、最初に述べました「取り調べのビデオ公開」の1つ留意点ですが、
公開に関して、警察と検察が反対しているそうなのです。
その理由が、「それでは有罪にもって行くことは不可能だから」とのことです。

そのような理由があるままでの、単純なビデオの公開には反対です。
それでは犯罪被害者の人権を無視することになるからです。

どうして、外国ではビデオを公開しても犯罪者を有罪にできるのに、
日本では公開すると有罪にできなくなってしまうのか。
おそらく刑事訴訟法などのどこかに欠陥があるのでしょうけど、
この問題を解決することが、まず先ではないかと思います。

それを解決した後に、取り調べをビデオ公開にすべき、
というのが筆者の立場です。

13 コメント

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特定の連中を優遇し、都合の悪いものをスルーする奴ら (かず)
2008-03-01 00:15:56
僕は映画を全く見ないので、詳しいことは分からないのですが…、僕が疑問に思う、司法制度の問題について、述べたいと思います。(余りに稚拙な文章です…)

>1、痴漢事件に関して、冤罪が発生しやすい空気

僕もこの点は凄く同意します。
痴漢事件の場合、一般人にも逮捕権があるので、他の事件よりも冤罪が発生する確率が高いと思います。
また、痴漢ならば簡単に事件をでっち上げることが出来てしまうので…。
因みにですが、女性が男性に対して強制的に猥褻な行為を行う痴女事件?の場合、男性は警察に対して被害
を訴えにくい空気があると思います。

>2、警察、検察の捜査・取調べのずさんさ

これも凄く同意します。
取り扱っている案件が多い為なのか?、検挙数を上げる為なのか?、強引に自供を迫ったり、偽の供述調書を作成するケースは往々にしてあると思います。

>2については、私は民主党などが求める「取り調べのビデオ公開」に賛同します。

僕も取調室にビデオを設置して取り調べの様子を録画することには賛成なのですが、録画したビデオ全てを法廷で放映すると、凄く時間が掛かってしまうと思います。
2009年から導入される裁判員制度は、裁判を迅速化させる為に導入される制度なのですが、取り調べを録画したビデオ全てを法廷で流すとなると、裁判の遅延の原因になる可能性があります。
(僕は、重大事件(殺人等)のみを取り扱ったり、裁判が終了するまで裁判員がずっと拘束されたり、死刑回避案件(罪刑均衡に反する判断)が増えたりする可能性があるので、裁判員制度には反対なのですが…)
因みに、検察では、被告を取り調べている様子を録画することになったそうですが、裁判の遅延を防ぐという名目で、検察官が「重要だ」と選んだ場面だけ、法廷で流すということになったそうです。(これでは冤罪の危険性があると思うのですが…)

>5、日本の刑事裁判の「有罪率」99%ばかり強調し、

世界各国の司法制度を比較したことが無いので分からないのですが、日本の場合、検察官が起訴するかどうかを決める権限があるので、裁判官が審議する以前に、検察官自身が有罪か無罪かを決めている感じがするんですよね…。
それに、検察が不起訴と決めた案件に対して、本当に不起訴相当なのかどうかを審議する検察審査会制度は、検察審査員が「この事件は起訴すべき」と判断を下しても、何ら法的拘束力が無い為、検察が起訴しないケースが多いのも問題だと思います。
話はズレますが…、裁判官は社会経験が無い人が多く、朝日新聞の購読者も多いからか、異常に偏った判決を下したり、判決文に蛇足をつけたりする人が多いです…。

>「量刑」が軽い、また刑事起訴のハードルの違いを隠蔽していること。

全くそう思います。
マスコミは意図的に?、他国より日本の量刑が軽いことを隠している感じがします。

>さらに巧妙なことに、4のように、被疑者の人権を重視する所謂「人権派弁護士」を、映画では非常におだやかな人格者として描いています。

映画やドラマによくある勧善懲悪的な構成ですね。
もしかするとこの映画には、日本弁護士連合会が製作に協力していたりして…。


またまた話がズレますが、「刑法39条」(心神耗弱者は罪は減刑。心神喪失者の罪は問わない)という法律の問題点を指摘するマスコミが余りにも少な過ぎると思います。
犯罪者というものは「これをやったら犯罪になってしまうか否か」という正しい判断が下せないからこそ罪を犯しているので、全ての犯罪者に「刑法39条」が適用されても何ら可笑しくないと思うのですが…。
それに、検察官が殺人鬼を起訴する前に、精神科医を検察に呼んで、その殺人鬼に対し簡単な精神鑑定を行うケースがあるのですが、その鑑定で「こいつは心神耗弱状態だ」「こいつは心神喪失状態だ」と判断された場合、検察官が起訴しないケースも往々にして存在しています。

刑法39条に関して、こんなケースもありました↓
【茨木】『悪魔に命令された』と車で通りがかりの5人を撥ねて死傷させた男に無罪判決
『朝日新聞:車で5人殺傷の被告に無罪 大阪地裁「心神喪失状態」
大阪府茨木市で04年11月に乗用車で男女5人を次々とはねて殺傷したとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた元新聞販売所従業員、屋島正則被告(25)の判決が28日、大阪地裁であった。西田真基裁判長は「被告は『悪魔の声』と称する幻聴に命令されて犯行に及んでおり、統合失調症による心神喪失状態だった」と述べ、無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。屋島被告は05年5月の初公判で「悪魔に命令された」と供述し、弁護側は無罪を主張していた。
 屋島被告は通行人を道連れにして自殺しようと考え、04年11月18日午前6時20分ごろ、同市中穂積3丁目などで男女5人を乗用車で次々とはねたうえに引きずるなどし、自転車の会社員村田忠治郎さん(当時61)と米林和夫さん(同56)を殺害、男女3人を負傷させたとして起訴された。 』

↑因みにこの屋島という殺人鬼は辺英鉄という在日韓国人なんですが、朝日新聞では何故か通名報道です。

それに、この辺英鉄に無罪判決を下した西田真基という裁判官は、従業員を解雇した印刷会社に「差別だ」と脅しに乗り込み、現金を脅し取った解放同盟寝屋川支部の幹部ら4名に対し、「会社側に理不尽な対応があり、社会通念上相当範囲内の権利行使だった」として、無罪判決を下しています。
http://kuyou.exblog.jp/1964916/ より)

裁判官も、弁護士も、検察官も、マスコミも宜しくない連中ばかりですね…。
Unknown (太一)
2008-03-01 23:44:17
>日本の場合、検察官が起訴するかどうかを決める権限があるので、
>裁判官が審議する以前に、検察官自身が有罪か無罪かを決めている
>感じがするんですよね…。

このご意見は、ハーグさんのブログでも何度かお見受けいたしましたが、
一つ疑問なのですが、その言い方ですと、
人権派弁護士を擁護しているように勘違いされやすいと思いますが、
いかがでしょうか。

私は検察が有罪無罪を決めているというよりは、
日本にありがちな、「みんなこのくらいが妥当だろう」
という予想を、検察も弁護士も裁判官も早くつけすぎて、
「法廷で議論する」という意気込みに欠けているように感じます。
元々日本人は議論が苦手な国民で、空気を読むことばかりに長けている
フシがありますので。

それよりも、私はやはり、
「有罪になる事件しか起訴しないことが有罪率を高めている」
点を指摘したいですね。
そうしないと、周防監督のレトリックに疑問を呈することができませんので。


>「刑法39条」(心神耗弱者は罪は減刑。

これも「被告人の人権」の観点から、色々な議論があるのでしょう。
しかし、被害者の人権を完全に無視した条文であることは確かで、
そこをマスコミはもっと報道すべきだと思います。


>因みにこの屋島という殺人鬼は辺英鉄という在日韓国人なんですが、
>朝日新聞では何故か通名報道です。
>西田真基という裁判官は、従業員を解雇した印刷会社に
>「差別だ」と脅しに乗り込み、

本来公正中立か、少なくてもそう努力すべきものが、
このようにバイアス丸出しでは話になりませんよね。

同じバイアスでも「反国家」さえ唱えれば全て許される現在の風潮が危険だと思います。
法曹界・マスコミ界を包む闇 (かず)
2008-03-02 02:10:01
>人権派弁護士を擁護しているように勘違いされやすいと思いますが、いかがでしょうか。

話すにしても書くにしても、他人に自分の意思をきちんと伝えるのが苦手なもので…。
上手く表現は出来ないのですが、僕は弁護士だけでなく、法曹界全体が変な方向に向いているのではないかと、何となく思っています。
一番問題なのは弁護士連中なのですが、裁判官も、検察も、警察もおかしな所があります。
数年前、テレ朝系で放送されている鳥越俊太郎氏司会の「ザ・スクープ」という番組で、警察官が捜査褒章費を経費から落とし、その捜査褒章費を不正に懐に入れたり、飲食費に使っている現状を告発した愛媛県警の警察官が、正当な理由も無しに鉄道警察隊の資料係?に左遷されたという出来事を特集していました。
また、そういう様な不正をしないと、警察官として生きていけないという現状を、警察OBや、警察小説をよく書いておられる小説家の黒川博行氏が語っています。
大半の警察官は真っ当に職務を遂行されていると思うのですが、こういう不正行為をしないと生き残っていけないという現状があるということを考えると、ちょっと悩んでしまいます…。
この様な不正行為も、もしかすると冤罪を発生させる要因となっている可能性がある様に感じます…。

まあ、そもそもこのネタを取り上げたのがテロ朝ですし、左系のジャーナリストや日弁連が好む、警察攻撃に乗っかっているのかも知れませんが…。

>>「刑法39条」
これも「被告人の人権」の観点から、色々な議論があるのでしょう。
しかし、被害者の人権を完全に無視した条文であることは確かで、そこをマスコミはもっと報道すべきだと思います。

僕自身、数年前まで刑法39条という法律があること自体知らなかったのですが、とある討論番組で精神鑑定制度の弊害を取り上げているのを見て、刑法39条という法律に興味を持ちました。
そこで早速、刑法39条の問題点を取り上げた、日垣隆さん著「そして殺人者は野に放たれる」(新潮社)を購入し読んだのですが、被害者感情、罪刑法定主義、罪刑均衡を完全に無視した、刑法39条の乱用ぶりや、悪魔に魂を売る様な弁護士・日弁連、検察官・裁判官の思考停止加減、そして人命を5つも6つも奪い、被害者や遺族の一生を台無しにしておきながら、刑法39条を使い、刑罰から逃れ、罪からも逃れようとする殺人鬼達に腸が煮えくり返るほど怒りを感じました。
内容に感化され過ぎかも知れないのですが…。

人権屋からの抗議を恐れてか、はたまた似非ヒューマニズムに毒されているからか、この悲惨な現状についてマスコミは一切取り上げません。
そういう現状が影響してか、刑法39条の問題点に触れた著書も、「そして殺人者は野に放たれる」(2003年12月発行)が最初だったそうです。


>「それでもボクはやってない」

この映画がフジテレビ系で放送された様で、早速2ちゃんねるで「鬱々とした気持ち」という様な書き込みがありました。
下衆の勘繰りなのかも知れませんが、フジテレビでは昨年「島根の弁護士」(主演:仲間由紀恵)や、「出るトコでましょ!」(主演:堀北真紀)等、弁護士を主人公にしたり、司法をテーマにした漫画をドラマ化した作品が相次いで放送されたのですが、これって日弁連の意向が働いているのでしょうかね…?
それともフジテレビが日弁連に擦り寄っていっているのか…。
それでも僕は・・・は観ました (和食健康)
2008-03-02 19:30:37
私は周防監督の洗脳計画に、まんまとハマッテいた人間ですね。
余り深く考えず、実際に起こった痴漢冤罪事件を映画化した作品、とした位置づけで、このような感じで痴漢冤罪被疑者が出来上がるのか、と感心して観ていました。

初めから冤罪の濡れ衣を着せられている被疑者だというのが分かっていましたから、どうやって痴漢をしていないということを立証するのか、拘置所での過ごし方や警察や検察の捜査取調べの実態、判決が下されるまでの裁判中の流れなどに注目して観ていたのです。

しかし、安易に娯楽作品としてでなく、被害者保護や被害者の人権、被疑者の人権、裁判官の人間性などを頭に入れて観ていけば、違った感覚を受けたに違いないと思いました。

それにしても日本の司法は被疑者にとって優遇された法律だと思います。
日本のほとんどの刑は○年以下と決まっており、米国では○年以上、この部分でも相当の差があるかと。


>それを解決した後に、取り調べをビデオ公開にすべき

私は全面的に公開ではなく、条件付公開でいいのではないかと思います。







Unknown (太一)
2008-03-02 20:26:35
>かずさん
>一番問題なのは弁護士連中なのですが、
>裁判官も、検察も、警察もおかしな所があります。

それはその通りだと思います。

社会保険庁も、この前の漁船事件の自衛隊も、
対応が遅いのはみんな「談合体質」に蝕まれているからだと思います。

>そういう様な不正をしないと、警察官として生きていけないという現状
>この様な不正行為も、もしかすると冤罪を発生させる要因となっている

日本ではこういう問題が多いですよね。

ここで警察だけを批判しても無意味で、
やはりシステム全体を改善しなければならず、
そのためには、一般国民の中にもはびこる談合体質を打破する必要があると思います。
Unknown (太一)
2008-03-02 20:26:58
>和食健康さん
>私は周防監督の洗脳計画に、まんまとハマッテいた

いえ、必ずしもそうではないと思われます。
つまりこの映画を見て、
「警察・検察・裁判官ってこんなに悪いんだ」
「可愛そうなのはいつも被告人の方。被害者はむしろ保護されすぎだ」

と思った人は、周防監督に洗脳されたと言えると思いますが。

でも、題材に痴漢事件を取り上げた周防監督は上手いと思います。
これで、男の多い保守からの反論をかなり防ぐことができたと思います。

鳥越などもよく日本の裁判の問題点を指摘するのですが、
鳥越の場合は凶悪殺人事件などを例にすることが多く、
それでは多くの人の賛同を得ることはできませんからね。

>私は全面的に公開ではなく、条件付公開でいいのではないかと思います。

ここは色々な意見があるようですが、
最終的に、被害者を保護できるような制度であって欲しいですよね。

Unknown (和食健康)
2008-03-02 23:56:57
>ここは色々な意見があるようですが、
>最終的に、被害者を保護できるような制度であって欲しいですよね。

全くその通りです。

今のメディアの対応では、あの記憶に新しい、香川県に住む祖母と2人の女児が殺された事件は、被害者の父親をその風貌と言葉使いだけで、さも犯人であるかのような報道のあり方には疑問を感じざるおえません。
サリンの被害者河野さんも同様に。

被疑者が保護されて、被害者がメディアに晒される、これは異常ですよ。

死刑を決める判定の基準にしてもあいまいそのもの。
コンクリート詰め女子高生殺害事件にしても、支那や朝鮮人の兵士が日本人にしたような、残虐な行為を当時少年4人が女子高生一人に集団で行い殺害したのに、被疑者達は5~10年とリーダー格20年で服役。
出所したあとも、サブリーダー格の男がまた犯罪を起こし刑務所行き。

刑事事件犯罪者に対して、いくら少年だったとはいえ、なんて寛容な国なんでしょう。

すみません。スレちがいな事を書いてしまいました。
Unknown (ハーグ竹島)
2008-03-04 22:10:42
そこでオススメなのが、つい数日前に発売された
「マンガ『人権』弁護士」(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%80%8C%E4%BA%BA%E6%A8%A9%E3%80%8D%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB-%E8%8B%B1%E5%92%8CMOOK-%E5%8F%B8%E6%B3%95%E5%85%AC%E8%AB%96%E4%BC%9A/dp/4899866550)。
いわゆる人権派と呼ばれる弁護士の裏にあるもの、
裁判戦術、論理の矛盾などが分かり易く書かれています。
Unknown (太一)
2008-03-04 22:26:14
>和食健康さん
>被疑者が保護されて、被害者がメディアに晒される、これは異常ですよ。

本当にそう思います。

要はメディアは
・被疑者を晒せば人権団体の抗議を受ける
・被害者を晒しても特定団体から抗議を受けない
という理由から、そのような理不尽な対応をしているのでしょう。

そういう対応をするメディアに対しても、
また、被害者への人権侵害は一切無視する人権団体に対しても、
どちらに対しても腹が立ちます。

>スレちがいな事を書いてしまいました

いえいえ、スレちがいではないですし、
仮にスレ違いの書き込みをされても大丈夫ですよ。
Unknown (太一)
2008-03-04 22:26:44
>ハーグ竹島さん

ご紹介ありがとうございます。
ずいぶん最近の発売なんですね。

こういう本は、人権派弁護士が「真実を捻じ曲げている」だけでなく、
「被害者の人権を侵害している」ことを指摘して欲しいですね。

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