広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

遅くて太いイチョウ

2014-11-13 20:47:32 | 動物・植物
秋田市は強風が吹いて初雪を観測。秋田市街地の紅葉もおおむね終わり。
秋田地方気象台の生物季節観測によれば、イチョウの黄葉は11月3日、落葉は6日。イロハモミジの紅葉は7日、落葉はまだとなっている。
「紅葉(黄葉)」の定義は「葉の色の大部分が紅(黄)色系統の色に変わり、緑色系統の色がほとんど認められなくなった最初の日」
「落葉」は「葉の約80%以上が落葉した最初の日」
春の魁新報によれば、イチョウの標本木は日吉八幡神社にあるとのこと。モミジは気象台構内だろう。

今まで何度か触れているように、ケヤキとかソメイヨシノとか、近くにある同じ種の木であっても、葉が出たり花が咲いたり紅葉したりする時期に差が見られる。
日当たりなどの環境、剪定等のストレス、生まれ持った個体差(ただしソメイヨシノなどはクローンなので基本的には個体差はないはず)によると思われる。
中でも、イチョウの黄葉→落葉は、かなり幅がある。

10月31日の保戸野みその通り
今年はみその通りのイチョウが見事だった。数年前に剪定されて、ボリュームのある樹形に整っている。
気象台が黄葉を観測する前だったけれど、どう見ても100%黄色くなっている木がほとんど。
ただし、
ここは違う
まだ「黄葉」とは言えない状態の木も若干。
写真の木は並木の端で、南~西方向に建物がない(道路と墓地)ため日当たりが良好。そういう条件によるものだろうか。

同じ日の保戸野原の町通り
こちらはみその通りよりは緑が多い感じもしたが、それでも黄葉しているとみなせそう。

みその通りも原の町通りも、1980年代中頃に秋田市が建設した道路。現在は原の町通りは県に移管されて県道233号線となったようだ。
そうした経緯で管理者が異なった今では、市と県で剪定方法が違うらしく、両者で樹形が違っている。原の町通りのほうが少し小ぶりに感じる。
※原の町通りは来年で開通30年。みその通りはその3年くらい前にはできていたはず。
もっと古くからあるイチョウ並木では、メスの木が混ざっていて秋にはぎんなんが落ちて臭いを漂わせていることがあるが、両通りはすべてオスの木。苗木の育成や選別の技術が向上した時期だったのだろう。(葉っぱの形で雌雄が区別できるというのは迷信【16日追記】ぎんなんの殻の形状が二面体か三面体かで、それが発芽後に雌雄どちらかになるか識別できるという話もあるそうだが、それも怪しいらしい)
【2018年4月4日追記】原の町通りは、「秋田環状線」の一部として1985年12月2日開通。ただ、街路樹の植栽など道路としての形は、同年春頃にはもうできていたような記憶がある。

原の町通りでも、黄葉が遅い木があった。
手前と奥の木は黄色くなっているが、間のあちら側2本・こちら側2本は緑のまま
しかも、それ以外にも他の木との差が見られた。
分かるでしょうか
黄葉が遅い木は、幹が太くて枝に葉が多い。さらに、
幹の下のほうに葉が付いたり、新たな細い幹(徒長枝・シュートと呼んでいいのか)が出たり
木の元気がいいのだ。

この4本だけ、別に植えられたかのようにも思えるが、そうではないはず。
原因として考えられるのは、宅地化から残されたかのようにぽつんと西側にある畑の存在。近隣の民家1軒の敷地と同程度の広さ。
日当たりの良さに加えて、畑で施している肥料が雨水に溶けて道路に流出し、その前にある2本の街路樹のイチョウの養分になり、さらに道路の下を通って向かい側にも流れて、向かいの2本のイチョウをも“育てて”しまったのではないだろうか。(下の写真の赤矢印のような流れ)
黄葉前でも、葉が繁茂しているのが分かる

11月8日にはやっと黄葉の盛り。向こうの細い木は既に裸
※黄葉のその後はこちら
【2018年6月11日追記】その後、この畑は2017年で耕作をやめて、2018年春には舗装されて駐車場になってしまった。今後のイチョウはどうなるか?


(再掲)竿燈大通りのケヤキも端の1本は立派

「置かれた場所で咲きなさい」なんて言った人がいるけれど、動けない植物は、まさにその場で生きていくしかないのです。

エノキの黄葉の時期の違いについて

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (住民)
2014-11-15 14:29:10
山王大通りのけやき並木は立派ですね。道端が広く中央分離帯にけやきがあるなんて、都会的に見えます。近くの産業会館跡地は4画1軸構想の1つですが、けやきを植えて噴水を作りけやき公園にするとか、公共施設など作って失敗するよりも良いのではないでしょうか。(勝手な意見です)
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なかなか (mugi-shochu)
2014-11-16 16:53:09
畑の肥料のおかげで木の成長がよく黄葉が遅いのでは・・・
との独自の分析、案外当たっているのでは?と思わされます。


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コメントありがとうございます (taic02)
2014-11-17 00:10:46
>住民さん
立派だし、紅葉した時の色が違ってきれいですね。色は偶然でしょうけど。ここは空間が広く、のびのびとしている感じもします。新しい県立美術館前にもケヤキがありますが、既にきゅうくつそうで、将来どうなるか心配です。
秋田市の木がケヤキだし、那波家の水汲み場のケヤキもあるし、ケヤキで囲まれた街区もいいかもしれません。

>mugi-shochuさん
ご賛同ありがとうございます。
他の場所では、説明がつかない黄葉時期の差もありますが、ここは微妙な高低差とか、見えない地下の土質などもあって、4本だけが恩恵を受けているように思えてなりません。
ただ、30年ずっと見ているのに、今年初めて気づいたのが我ながら遅いと思っています。
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