広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

大内のおはぎとあられ

2021-03-23 23:56:36 | 各地お土産・食べ物
由利本荘市、旧・大内町エリア、JR羽越本線・羽後岩谷駅隣接の「道の駅おおうち」の、「総合交流ターミナル ぽぽろっこ」の中にある「大内地域農産物直売所 ひまわり会」。
※要は鉄道駅とほぼ同じ場所にある道の駅の産直です。
JAなどでなく地元の人たちが組織する「ひまわり会」が運営しているようだ。店の名前は「ひまわり」としているサイト等もあるが、現地では「~会」まで表示。

農産物ばかりでなく、以前取り上げた(かしわ大福ひなもち)ように、個性的なお菓子類が楽しい。
ちょうど1年前は、おはぎ・ぼたもち類はめぼしいものがなかったが、ひなもちが珍しかった。今年も月刊チラシによれば売っていたようだが、訪れた時はなかった。108円の大きい大福が目立っていた。

多くの産直がそうであるように、売り場の「枠」を会員に割り当て、各自が農産物を持ちこんで並べて販売する方式。
ただ、ここのお菓子の場合、そういう枠に置かれるものと、レジ周りなどの棚や台に置かれるものがあった。どうも会員個人が作ったものは枠に置き、個人でなくひまわり会の「加工グループ」といった集団で作ったものが棚へ置かれる感じ。いずれにしても、店内をくまなく見て回ると、楽しい発見があるかもしれない。

今回、棚の加工グループ製造でこんなものがあった。昼過ぎで残り2個。
これ
シールには「おはぎ」とあるのに、発泡スチロールのトレイに、一面の滑らかなこしあんしか見えない。「もち米(国産)」は使っている。内容量「350g」で、「何個」入りなのか分からない。
このおはぎは何だ?
中にとても小さいおはぎが埋まっている?
秋田県内では土地によって、彼岸に小さいしんこ餅にあんこ(やきなこ)をまぶした「だんし/だんす」なるものを供えたり食べたりするが、ひょっとしてそれを「おはぎ」と呼んでいる?
店の人に聞けばいいのだけど聞かずに、買ってきた。

ラップをかけただけの包装に、わりばし1膳を表示のシールで留めている。ラップをはがすと、
テラテラのあんこで「重そう」

さて、あんこの中はどうなっているか。フォークを突き刺すと、硬めのものに当たったが、持ち上がらないので、めくってすくい上げるようにすると…
こうなっていた!!
容器一面にもち米を敷き詰めて、その上にあんこを載せた構造。

こんなおはぎ・ぼたもちが存在したとは! 斬新。(前にどこかで見聞きしたような気はしなくはないような…)
2014~2015年頃にブームになった、握らないおにぎり「おにぎらず」ってのがあったけれど、それのおはぎ版か?!

あんこは厚さ5ミリ程度、米(餅)が1センチくらいか。
あんこは、どぎつい甘さはないし、塩味は薄め。素朴ではあるものの、現代寄りってところ。
米は、いわゆる半殺しにされている(半殺しは秋田独特の表現とする人がたまにいるが、全国的に通用する。知らない人が増えているというだけだと思う)。みっちりとしていい食感で、餅の味がおいしい。
これで普通のおはぎを作ってもおいしいだろうし、この形状だと、あんこが接していない餅の部分の味を直接感じることもできて、悪くない。
何個食べたという計算ができず、ついつい食べ進みたくなるが、かなりの量。箸1膳だからといって、1度に1人では食べないほうがいいでしょう。
【24日追記】今春はアニメ「サザエさん」で彼岸ネタはなかった。 おはぎを38個食べたという、磯野家の祖先・磯野藻屑源素太皆なら、このおはぎは何パックいける?

どうしてこういう斬新なおはぎを作ったのか。
おにぎらずの影響か、それにレシピサイトなどにも「握らない/丸めないおはぎ」なんてのがある。丸める手間や衛生面の問題でこうしたのか。
あるいはそうではなく、大内では伝統的にこれがおはぎの形態だったのかも。
上の彼岸だんしのリンクに追記したように、大内の深沢という集落でもだんしの風習があったようだ【24日言葉足らずだったので補足・そのだんしと外観は似ていそうなので、実はこれが“大内のだんし”なのか、あるいはそのだんしをベースに“おはぎ化”したのが、これなのかも?】。あと、八郎潟町の「あんごま餅」と構造は同じだから、つながりがあったりして。

【2022年1月8日追記】2022年1月3日放送のTBS「マツコの知らない世界 大新年会SP」で、全国各地のおはぎが15種類、写真で簡単に紹介された。
その中に、「道の駅おおうち ひまわり会 おはぎ 6個324円」があった!
今回の写真とほぼ同一の見た目だが、あんこ表面に6つに区切る筋が入っていた。
なお、番組ホームページではなぜか、ひまわり会の部分が写真も含めて「おはぎ(つぶあん)219円(2個入り)」に変わっている。何らかの理由で差し替えたのか、手違いか。
2024年6月の状況


やはり大内は餅が楽しい。
餅の派生として、こんな商品もあった。これは個人作なので、枠のほうに陳列。
モチあられ 100g 125円


1口大の、油で揚げたスナック菓子のように見える。【24日追記・カップうどんの乾燥した油揚げにも見える。】
「あられ」というのは、餅を乾かして、あぶったり焼いたりしたもの。あられの大きいのが「おかき」だそう。焼かずに揚げたものは、揚げあられ/揚げおかき。
だから「モチあられ」は、一般的にはややおかしい命名かも。

原材料には、「餅米(秋田県産)」と油のほか、砂糖、卵、バターなども入っているが、「餅を乾燥させて揚げたもの」でおおむね正しそう。
強い塩気や醤油などの味付けはされておらず、純粋な揚げた餅の味がするあられ。
食感はよくあるあられよりは硬い(見た目ほど硬くもない)。ガリガリザクザクした食感。温度など揚げかたでこうなるらしい。
昔、うちのばあさんが、余った切り餅で似たようなのを作っており、それを思い出させる懐かしい味だった。
同じ見た目で、もっと大きくカットした、せんべいと呼べそうなサイズのものを数人が出していたが、この小さいのはこの方だけだった。つまんで食べやすい。素朴なスナック菓子と言えるかも。

県内別の地域の餅について後日

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