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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

市営バスタイプ バス停

2018-07-19 00:42:57 | 秋田市営バス
7月17日午後早く、秋田市中心部でとある作業が行われていた。
その結果、
「大町通り」バス停
秋田ニューシティ跡地・イーホテルショッピングモール・日本銀行秋田支店の前にある、ダルマ型バス停の表示板が更新されたのだ。
上下両方向とも、台座と支柱はそのままで、頭の表示板のみを交換。下り側に別に置かれた、循環バス用ポールはそのまま。
2人の作業員がトラックで来て交換していた。取り付けるネジ穴の位置が支柱ごとに異なるのか、表示板にはその場でドリルで穴を開けていた。新しい表示板は、どこかの使い回しではなく新品で、金属製だろうか(一時期はプラスチック製のものもあった)。
(再掲)以前の表示板は角型
従来の表示板は、2002年にダイエー秋田店撤退に伴い、「ダイエー前」から「秋田ニューシティ前」にバス停名が変更された時に設置されたものだった。その後、秋田ニューシティ解体にともない2011年4月には「大町通り」に変更された(ニューシティ閉館は2010年4月)が、その時は交換せず「ダイエー前」の上に文字を重ね張りして対応していた。
(再掲)「秋田ニューシティ前」時代
ここを通る路線は、元は秋田市営バス(秋田市交通局)のみだったのが、2002年3月で市営バスが撤退・全便中央交通となった。ダイエー閉店は2002年8月なので、中央交通が設置(交換)した表示板ということになるようだ。
上の再掲写真とほぼ同じ位置。向かいの建物が消えた

17日まで使われていた角型の表示板は、ローマ字表記なし・重ね張りだし、きれいというわけではないが、別段著しく老朽化したとか破損したといった状態ではなく、他のバス停と比べてもまだまだ使えそうだったのに、交換された。
このように秋田中央交通では、まだ使えそうなダルマ型バス停の表示板部分だけを、突然更新することがある。昨2017年頃からはその動きが活発になり、新国道(10月頃?)や手形陸橋~三吉神社付近では、沿線の連続するバス停がほぼ一斉に交換された。(大町通りは単発の更新の模様)【22日補足】自衛隊入口では、新国道下り側が角型から交換。その他、電柱がバス停代わりの新国道上り側、寺内経由が通る自衛隊通り側は交換されず。

その一方で、郊外部なんかには、バス停名が薄れた手書き文字でサビサビの古いものや、風で倒れたのか車がぶつかったのか、板が折れたり傾いたりしたものが、ずっとそのままということもある。
信号機や道路標識もそうであるように、広範囲に散らばる全バス停の履歴や状態を把握するのは困難であるのだろうけど。


さて、ここで秋田市のダルマ型バス停の歴史を改めて振り返っておく。※ずっと前にも記事にしています
秋田市には2006年春まで「秋田市営バス(事業者名としては秋田市交通局。ここでは市営バスと表記します)」が存在し、市内の路線バスは市営バスと中央交通の2事業者が運行していた。方面によっては、両者が競合していた。
そのバス停は、基本的には、各事業者がそれぞれ設置していて、競合区間である中心部や新国道、牛島旧道ではデザインの違う2本のポールが立っていた。
2000年前後(もしくはさらに少し前?)になると、競合区間のバス停を1つにまとめて共有化する動きが出て、新たなデザインの表示板が設置された。
こうしたいきさつで、2000年代初めには、市営バス単独、中央交通単独、2者共用の3タイプのダルマ型バス停が存在した。※ダルマ型以外も存在したが、ここでは割愛。
市営バス単独は、円形で横に3色(上から黄緑・黄・赤)に分けられたもの。中央交通単独は、逆U字形で白地にオレンジや紺色が使われ「バスで行こう」のキャッチコピー入り。共用タイプは、上辺がカーブした四角形で、上から赤・黄緑・黄色。

2000年代に入ると、段階的に市営バスの路線が中央交通へ移管され、それまで市営バス単独だったバス停が、中央交通化(もしくは一時的に共用)された。【19日補足】バス停一式が市から中央交通へ「譲渡された(おそらく無償)」形になるのだろう。
この時は、新たなポール設置や表示板交換はあまり行われず、市営バス時代の表示板に事業者名を記した青いシールを貼って対応。
したがって、市営バス単独の円形のバス停は、上段の黄緑の部分が青に変わっただけで、引き続き使われた。【21日補足・なぜか社名部分が青でなく、市営バスと同色の表示板も、ごく一部に存在するが例外的。機会があれば取り上げます。】

しかも、移管が落ち着いた頃になると、市営バス時代に設置され古くなった表示板が交換されるものも現れたが、それも社名が青い円形。
さらに、秋田市外も含めて、新規に設置される中央交通のバス停にさえ、同社オリジナル「バスで行こう」タイプではなく、社名が青い円形のものが設置されている。
つまり、市営バスがあった当時よりも、(社名表記と色は違ったものの)市営バスタイプのバス停の設置範囲と本数は増えており、秋田市交通局の産物が増殖している形。
【19日補足】ただし、市営バス時代から継続する黄色と赤部分の色合いは、市営バス時代よりも、くすんだ色調に変わった。耐候性を持たせたりや反射素材を使うようになったことが関係していると考えられる。それにフォントも異なっていて、市営バス時代とまったく同一のバス停というわけでもない。

市営バスから中央交通の移管時には、譲渡される車両であっても、その車体塗装は市営バス時代のものを使わず、必ず変更するという取り決めがされていたそうだが、バス停についてはなかったのだろう。
それに「バスで行こう」タイプよりも、若干構造が簡素なので、安くつくのかもしれない。表示板を留めるネジも少ない。


大町通りに話を戻して。ここは、ダイエー前当時は市営バス単独の円形だったのが、移管後のニューシティ前に変わった時に、共用タイプの四角に交換されたことになるが、それは例外的というか少し珍しい事例。
そして、昨年まとまって更新された、手形陸橋通りや新国道は、共用タイプが多かった。
ということは、中央交通としては、四角い共用タイプを“駆逐”したがっているようにも思える。
(再掲)横金線で共用として使われていた当時
上記の通りもっと状態の悪い円形表示板もあれば、「バスで行こう」タイプもまだあるのに、それらを差し置いて。

個人的には、四角いほうがスタイリッシュだし、スペースにも余裕があって見やすくて好きなのだけど、中央交通さんはお気に召さないのだろうか…
といっても、共用タイプの表示板も、まだそれなりに残っている。


ここで、大町通りに先立って同様に表示板が更新されたものを2つ。いずれも昨年末頃の確認で、共用タイプではない市営バス時代に設置されていた単独タイプからの更新。
(再掲)ハローワーク秋田前
新屋線「ハローワーク秋田前」下り側。
更新後
英字は以前は「HELLOWORK」だったのが「HAROWAKU」になった。どっちみち、ネイテイブの人には通じなさそうだけど…

長崎屋バスターミナルと山王十字路の間にひっそりとある、新港線用「旭北前」。
長崎屋経由大川反車庫行き/発の路線は、ここは通るものの、このバス停は無視。あくまで新港線専用。っていうか、バスターミナルも近いし、移管後の現段階では別に廃止してもいいのでは?
(再掲)【20日補足】上段の中央交通の下に「市営バス」の文字が透けていて、重ね張りしたことが分かる
ここは支柱がかなり錆びていて、
台座・支柱とも交換(おそらく両方向とも。写真は新屋方面側)
なお、脇道にある、川尻割山線上り側(下りは別の道なので旭北前はなし)の旭北前は、移管後に交換されたものがそのままで、今回は更新されず。
更新後
この新しい表示板、文字がだいぶ太いのが特徴的。文字数が多いとゴチャゴチャする気もするけれど、見やすい。
もう1点特徴的なのが、「旭北前」で分かるように、文字がセンタリングされていること。
市営バス時代も、これまでの中央交通設置分でも、文字数が少ないバス停名は、均等割り付け・両端揃えされて、その分文字間隔が広くなっていた。
今回のものは、文字数が少なくても文字間隔は変わらない。手形の「野崎」なんかもそうで、真ん中にこちょっと固まって見え、これまでの感覚では、違和感。

この表示板では、少なくとも黄色いバス停名の部分は、反射材になっているようだ。
また、上段の青の下辺と、下段の赤の上辺付近には、直線の段差がついている。先(下)に黄色があって、後からその上に青と赤を貼って製作したようだ。

さて、以前から気になっていたのが、表示板の書体の種類(フォント)。
市営バス末期から、カッティングシートによる切り文字でバス停名を表示するようになった。
いずれも丸ゴシック体系統だが、中央交通が設置したものは市営バス時代とは違うフォントであり、かつ文字の太さからして複数種が存在する。
以前から、どのフォントなのか気になっていて、やっと調べがついたのですが、別記事にて

【21日追記】大町通り交換より後、18日から21日の間のどこかで、泉八橋環状線など本数が少ない千秋トンネル通りの「すわ町(神田線用とは別)」の両側、「鷹匠橋」の下り(泉回り側)の3か所も、切り文字角型(2者共用ではなかった場所だが、市営バス時代から角型?)から、円形に交換されていた。ただし、鷹匠橋の上り側は、角型ながらパソコン作成の透明シール表示なのがそのまま。角型が減っているのは間違いないものの、交換基準が謎。【24日補足】鷹匠橋の上り側は、支柱がサビサビ。あまりに状態が悪いと判断して、近いうちに支柱も(もしくは台座ごと)交換するつもりなのかも。
コメント (6)
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