当事者の記録に勝る物なし「絶歌」

「絶歌」

神戸連続児童殺傷事件
元少年A
太田出版
2015年6月刊

	絶歌
	クリエーター情報なし
	太田出版

この本は　読まない予定でいたのですが
書店でチラ見したら　思ったよりオモロそーだったので　読むことにしました

アマゾン評はどれもこれもボロクソですし
悪い評判しか聞きません
でも売れているみたいですね
皆さん悪く言いますが
ホンマのとこどーやったんか　知りたかったんでしょう

当事者でもある著者の人は　そんなにバカではなく
そこそこ文章を書く技術があるみたいで
形容詞とか修辞が色々頑張られているのが
少々鼻につきウザいですが
そーゆーことをさっ引いても
当事者の書いた記録とゆーだけで値打ちがあると思います

評論家や分析者や関係者は所詮外野なので
当事者の記録はもう少し尊重されてもエエような気がします

一番慕っていたお婆ちゃんの仏壇の前で電マでオナニーして
初射精とかオナニー三昧とかの件が今んとこ一番の山場です

めんどくさい記述も多いですが
やっぱし当事者の記録に勝るものなし　だと思います

当然でありますが　全体的なトーンは薄暗くって物悲しい　悲痛なぐらいなドツボ感

自分はもうほとんど忘れ去って思い出せない思春期のぐちゅぐちゅした感情と感覚と未熟な知性と
チンコビンビンな性欲等をこと細かに記述してあり　よー覚えてんなーと感心いたします
彼が影響を受けたと思える書物やビデオや
当時のテレビ番組や音楽の記述と例え話と修辞
これがなかなかこなれていなくって気持ち悪くてカッチョ悪いがそれはそれで生々しい　

猫殺しの詳細記述はあるが、あえて伏せてる人体損壊記　
世間体を気にしての出版社の意向か本人の倫理観の自主規制かわかりませんが
それも仕方ないのかなと　
佐川一政よりはキチガイ度が少ない人物なのでしょう


神戸連続児童殺傷事件　1997年（平成9年）