付きまとう孤立化懸念 作業部会で拉致進展狙う
【北京13日共同】政府は13日、今回の6カ国協議で日朝関係正常化に関する作業部会が設置される見通しになったのを受け、米国などにも協力を求め日本人拉致事件の進展に向けた糸口を探る方針だ。ただ、作業部会が開かれても北朝鮮側が譲歩する保証はない。北朝鮮の核放棄に向けた見返り支援が本格化すれば、拉致問題の進展を支援の条件とする日本への風当たりが強まる懸念も付きまとう。
12日夕には日朝首席代表の会談が昨年4月以来10カ月ぶりに開かれたが、北朝鮮は日本人拉致事件について「解決済み」との従来の主張を繰り返したもようで、進展はみられなかった。
6カ国協議では、北朝鮮の核放棄に向けたエネルギー支援が最大の焦点となり、米朝を軸に議長国・中国や支援に前向きな韓国が活発に2国間や多国間の協議を展開。日本は存在感を示せず、米国などからの「情報収集」(協議筋)に追われた。(東京新聞 2007年02月13日 20時30分)
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どうしても日本を「孤立化」に追いやって、エネルギー支援の大口分担国にしようと言う意図が透けて見える共同配信記事だ。
「日本は存在感を示せず」と言うが、エネルギー支援を拒否したことは存在感を示したことではないのか。
それとも太っ腹を見せて、「エネルギー支援は全て日本に任せろ」と言うのが存在感を示したことになるのか。
そうではあるまい。 それを世に「付和雷同」というのだ。
◆「間接支援」
むしろ日本が、エネルギー支援、米支援等を拒否する事により有効な「支援カード」を手にしたと捉えるべきだ。
それより日本には「少女売春」を「援助交際」と言い換えるように言葉の言い換えで事の本質を見誤る伝統がある。
「間接支援」とか「間接協力」と言う曖昧な言葉で直接支援に引きずり込まれのを警戒すべきだ。
「間接支援」 については米国議会で 「北朝鮮やイランの核兵器など大量破壊兵器の開発に対して、中国が間接的に支援してきた」と指摘された事があった。
今回の「間接支援」は「例えば本当に50万トン要るのか、どこに要るのか等々の調査を国連がやるが、人が足りない部分は日本がやれる部分があると思う」(麻生外務大臣)、と言うことらしい。
エネルギー不足や、食料不足の調査だけでなく「拉致被害者」の調査にも間接支援は出来る。
この場合も軽々に「直接支援カード」は切らない事だ。
◆間接支援ですかhttp://d-i-d.iza.ne.jp/blog/entry/49723/
【追記】12:11
「協力はするが支援はしない」。(安倍首相)ってか。
安倍首相「北朝鮮支援と拉致進展なしは矛盾しない」
北朝鮮の核実験
安倍首相は13日午前の衆院予算委員会で、6か国協議に関連し、日本としての北朝鮮に対する支援について、「拉致問題があるので、エネルギー支援とか、そういう援助を行うことはできない。しかし、(6か国協議の)枠組みの中で、(核放棄に向け)北朝鮮を各国が促すことについては、日本も協力していこうということだ。日本の立場は他の国々も十分理解している」と述べ、間接的協力にとどめる考えを強調した。
首相は、12日の日朝2国間会談で、拉致問題に進展はなかったことを明らかにした上で、6か国協議での枠組みへの協力は「全く矛盾はしていない」と強調した。
6か国協議の見通しについては、「北朝鮮が早期の(核)放棄について、一定の考え方を共有する状況に至ってきた。そういう意味で、一定の前進があった」と述べた。菅直人氏(民主)の質問に答えた。
(2007年2月13日11時39分 読売新聞)