沖縄紙の卑劣な言論封殺によって真実を封じ込まれたパンドラの箱が遂にこじ開けられた。
沖縄でも比較的マイナーな総合文芸誌『うらそえ文藝』誌上で、集団自決の真相を最も詳しく知る二人の識者が重い口を開いたのだ。
「集団自決」研究者の間で、今、総合文芸誌『うらそえ文藝』が注目の的である。
文筆で生活の糧を得る者が沖縄に在住しながら沖縄ニ紙の論調に逆らっては生きてはいけないと何度も書いてきた。
沖縄紙に登場する「識者」は沖縄戦に関していえば、一斉に横並び論調で新聞論調に揉み手をして「沖縄タイムス史観」を大合唱する。
「軍命なくして集団自決は有り得ない」と。
このような卑屈な生き様を、文筆家としての良心が許さない識者も沖縄にはいる。
だが、残念ながら異論を書く代わり沈黙を守るのが沖縄では公然たるルールであった。
沖縄戦の中でも特に議論の分かれる慶良間島の「集団自決」に関しては、地元研究者の中でも先駆的に現地聞き取り調査をしていた代表的二人の識者が、やはり問題の核心部分については長い沈黙を守っていた。
この二人の識者が遂に長い沈黙を破って今まで語ることのなかった真実を語ったのだ。
しかも発表の場所は、沖縄言論界の支配者である沖縄タイムスでもなければ琉球新報でもない。
『うらそえ文藝』という沖縄でも比較的マイナーな雑誌においてである。
文学愛好家の同人誌のような『うらそえ文藝』は、年に一度の出版だが、
編集長の星雅彦氏が30数年前の曽野綾子氏の現地取材の前に既に現地取材をしており、それを雑誌『潮』(1971年)に発表していることは周知のことである。
そして昨年の5月発刊の同誌で近く「集団自決特集」を組むと予告していたが、一年間の間をおいて満を持して今回特集を組んだわけだ。
その経緯は次のエントリーで書いた。
同書で星氏は「集団自決の断層」と題する論考のほかに、上原正稔氏との対談も行っている。
さらに同書で「人間の尊厳を取り戻すときー誰も語れない“集団自殺”の真実」と題する上原正稔氏の論考は、圧巻である。
上原氏は、一昨年、琉球新報に連載中の沖縄戦戦記を前日になって突然中止させられた経験を持つドキュメンタリー作家である。
琉球新報の上原氏に対する言論封殺に関しては、次のリンクに詳述。
そして琉球新報は四ヶ月の言論封殺の後、読者には何の説明もなく恥知らずにも連載を再開した。⇒再開された上原正稔氏の特集 パンドラの箱は開くか?
◇
「うらそえ文藝」は昨日(11日)発売され、早速購入してただ今読み終わったところ。
特集 集団自決
対談 上原正稔VS星雅彦
人間の尊厳を取り戻す時
―誰も語れない”集団自殺”の真実― 上原正稔
(写真は2008年号)
集団自決の真実を最も知る二人の識者の発言は大変興味のあるところだが、詳しい内容については「うらそえ文藝」を購入して読んで欲しい。
読者の関心が集中すると思われる「軍命の有無」については、お二人は「隊長命令も軍命も無かった」と明確に否定している。
「軍命の有無」に関するお二人の結論と、それに対して予想される新聞など沖縄左翼の攻撃については、対談の次のくだりで想像して欲しい。
(徹底的沖縄紙の批判をした後)
星:今度の裁判から幾つかの教訓みたいなものが出てきていると思う。しかし、まだ活かされてないようです。そしてキャンペーンのゆきすぎは、止めてほしいね。
上原:・・・(略)・・・今の対談の内容も本来は新聞に発表すべきものですけどそれがそれが許されない。 しかしそのかわり『うらそえ文藝』で発表してくれるということになったんだけど、『うらそえ文藝』は歴史的に重要な役割りを果たすことになるわけです。
星:・・・・そのために恨みつらみを私はみんなから受けて非難されるかもしれない。
上原:・・・・、こういう連中を恐れないことですよ。
星:私はある程度覚悟しています。 それに今の沖縄の状況については、これでよいのかという疑問を抱いているのでやらざるを得ない気持ちです。
高裁裁判長が評価した『鉄の暴雨風』も二人の識者は徹底的に批判している。
興味深いのは上原氏が自分の構想を乗っ取られたと激しく批判する「1フィート運動」の会長の福地曠昭氏が『沖縄 誰も書かれたくなかった戦後史』(佐野眞一著)に関する文を寄稿していること。
福地氏は「1フィート運動」乗っ取りの元凶である太田元知事の乗っ取り劇の片棒を担いだと言うことは「ハーバービューの決闘」で詳述した。
更に,上原氏が言論封殺を被ったとして激しく糾弾する琉球新報社の会長であり大株主でもある宮里昭也氏が『沖縄戦 誰も書かれたくなかった戦後史』の書評を同誌に寄稿していること興味深い。
外にも、沖縄の言論界では帝王とも言える沖縄二紙を徹底的に批判しているが、
お二人とも文筆で生業とする沖縄の識者として、今後の活動は大丈夫だろうかと、老婆心が疼くような勇気ある発言が満載である。
随時、当日記でも取り上げて論評したいと思うが、とにかく『うらそえ文藝』(2009年)は、慶良間島の「集団自決」に関心のある人なら右も左も関係なく下記の2冊と並んで必読の書である。
沖縄の歴史に残るかもしれない本です。
リンク先に電話すれば売ってくれます。 1200円です。
是非読んでください。
ひょっとしたらプレミヤがつくかも知れませんね(笑)。
ついに出たか。と感激しています。
それも、沖縄から。お二人の言葉は非常に重いですね。照屋さん、宮平さんもそうですが、沖縄の左翼団体の、あまりに醜い嘘に我慢ならずに証言しています。それだけに物凄く説得力があります。星さんの「今の沖縄の状況については、これでよいのかという疑問を抱いているのでやらざるを得ない気持ちです。」が沖縄の全てを表しています。
実際、左翼の同調圧力にウンザリしている県民も多くいます。応援する県民も多いと思いますよ。
私も心から応援します。もちろん本も読んでみたいです。
>実際、左翼の同調圧力にウンザリしている県民も多くいます。応援する県民も多いと思いますよ。
その通りだと思います。
これまでは良識派の識者たちも沖縄ニ紙に雌伏して沈黙していましたが、「正論」を発表する場所がなかったのです。
それがネットの普及により、状況が変わってきたので星さんも「正論」を吐く覚悟を決めたのでしょう。
「うらそえ文藝」には「ある神話の背景を」を徹底的に批判している左翼詩人・石川為丸氏も集団自決とは別の題材で寄稿しており、マイナー雑誌である「うらそえ文藝」が沖縄の識者の注目のマトになることは間違いありません。
是非読んでください。