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真実の攻防 沖縄戦「集団自決」から62年 第2部 <1>
「歪められた歴史」正す闘い
激論交わす原告側弁護士
7月27日、沖縄戦集団自決裁判の傍聴券を求めるため大阪地裁前に詰めかけた人たち |
その中に、いつものように原告側の弁護団長、松本藤一氏の姿があった。松本氏はこれまでも傍聴券の抽選の列に加わってきた。取材当初、記者(鴨野)は、なぜ松本氏が並ぶのか理由が分からなかった。やがて、原告支援者の会話を耳にした。その支援者は友人に、「松本弁護士は、一人でも多く支持者に傍聴してもらいたいから、ああやって並んでいるんですよ」と説明していたのである。
七月二十七日は、松本氏に加えて若手弁護士や原告の梅澤裕氏(90)と夫人、原告の赤松秀一氏(74)とその親族、また証人に立つために埼玉県から来た皆本義博氏(85)、沖縄県から来た知念朝睦氏(84)までが、この列に加わった。皆本氏は緊張をほぐすかのように、「傍聴券に外れたら、そのまま帰ろうかな」と軽く冗談を言ってみせた。
列には被告、岩波書店の編集副部長でこの裁判を担当する岡本厚氏の姿もあれば、沖縄からも、かなりの支持者が来ていた。
弁護団長自ら傍聴券獲得の列に並ぶという光景一つ取ってみても、原告側がこの裁判に懸ける意気込みが理解できよう。
戦後、沖縄の左翼勢力は「日本軍が住民を守らなかったのが沖縄戦の教訓」と宣伝し、反政府、反基地闘争を展開し、そこに県民も巻き込んできた。その典型的事件を「集団自決の隊長命令」の存在とし、大江健三郎氏をはじめ多くの作家、学者、ジャーナリストが当事者に取材することもなく書きなぐってきた経緯がある。
これに対して、当事者である座間味島の守備隊長だった梅澤裕氏と渡嘉敷島の守備隊長、赤松嘉次(よしつぐ)氏(昭和五十五年死去)の弟、秀一氏が大阪地裁に、岩波書店と大江健三郎氏を相手に、謝罪を求める裁判を起こしたのである。
裁判は、貶(おとし)められた個人の名誉を回復するとともに、出版物や教科書に広く流布されている「歪(ゆが)められた歴史」を正すための闘いでもある。それ故、「こうした裁判こそ弁護士冥利(みょうり)に尽きる」とばかりに、原告弁護士の意気込みには熱いものがある。支援者の一人は、被告の準備書面に対してどう反論を加えるか、という会議に同席した時の様子を、こう語った。
「そりゃ激しいですよ。だって、担当の弁護士が反論のために書き上げた準備書面に対して、他の弁護士は被告側弁護士の立場に立って、その論旨の弱点、欠陥、矛盾点がないかを徹底的に探して反撃するのです。もう、それは強烈で、見ているこちらが怖いほど。そうした議論を戦わせて、いかなる角度から攻められても耐えられ、しかも相手の最も弱いところを突く準備書面を書いていくわけです。だから、四百字で数十枚からしばしば百枚以上になる膨大なものですが、時間の許す限り、何度も何度も書き直していくのです」
こうした弁護士同士の激論は七月二十七日昼の休み時間でも展開したという。では、被告弁護士の方はどうであろうか。原告弁護士の一人は「先方の準備書面を読む限り、そうした議論の深まりを感じない」と語った。
記者もまた、この日の証人尋問を聞いていて、被告サイドがそれほど入念で厳密な打ち合わせをしていないのではないか、と思う場面を目撃した。
それは被告側の若手弁護士が、「皆本さんたちのように昭和十九年九月から渡嘉敷島に駐留してきた軍隊の人たちの家族はもちろん島にはいませんでしたよね」という全く的外れの質問をした場面だ。この若い弁護士は、戦争をハイキングとでも勘違いしているのか、それともゲームセンターでしか“戦争”を見ていないのか。
本州や九州から家族連れで沖縄に来た兵士など一人もいない。だから、温厚な皆本氏も「われわれの軍隊は家族を連れて、それで戦場に行くようなバカなことはなかったです」「旧軍のことをもう少しご研鑽(けんさん)していただきたい」と諭したのであった。
(編集委員・鴨野 守、写真も)
【付記】上記記事は「世界日報」の次の引用です。
「歪められた歴史」正す闘い/激論交わす原告側弁護士 07.10.23 無料公開中
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記事のレベルは別として、「世界日報」も「タイムス」や「新報」と同じ新聞紙です。
電子版ですが、読むなら購読料金を払って下さいということです。
検証人さんが仰る通りです。
引用は「世界日報」という新聞の電子版で有料になっているようです。
たまたま、当該記事が無料公開中だったので引用紹介したまでです。
活動資金云々ではなく「新聞購読料金」です。
◆検証人さん
代わりにお答えありがとうございます。
記事冒頭のクリックで「世界日報」の引用は明らかだと思い「世界日報」の名は記名しませんでしたが、
事情を知らない人に取っては不親切でした。
反省します。
付記で「引用」を明記しておきました。
「歪められた歴史」正す闘い/激論交わす原告側弁護士 07.10.23 無料公開中
「宴の後」というのは一時休憩だと考えます。
真の意味の「宴の後」は教科書会社の「記述変更申請」そして場合によっては「審議会」の再開の後、11月の末ごろでしょうね。
その前に11月9日に大江健三郎が大阪地裁で証人尋問に出廷します。
これがこの裁判のハイライトです。
注目しましょう。