名護市辺野古の新基地建設を巡り、石井啓一国土交通相が翁長雄志知事を訴えた「辺野古違法確認訴訟」で最高裁は12日までに、上告審判決を今月20日午後3時に言い渡すことを決めた。辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しを違法とし、知事が敗訴した福岡高裁那覇支部の判決の見直しに必要な弁論を開かないため、県側敗訴が確定する見通し。知事は今後、埋め立て承認取り消しを撤回する手続きに入る。

最高裁判所

米軍普天間飛行場の移設先として新基地が建設される予定のキャンプ・シュワブ=12日午後、名護市辺野古(本社チャーターヘリから)

 

 国は早期に埋め立て工事を再開する考え。ただ、国が工事を進めるために必要な設計概要や岩礁破砕の許可申請に対し、県は不許可とすることを検討。埋め立て承認の撤回も視野に入れている。新基地建設を巡る国と県の争いは新たな段階に突入する。

 新基地建設を巡っては、翁長知事が昨年10月に埋め立て承認を取り消し、翌月に国が県を相手とする代執行訴訟を高裁那覇支部に起こした。県側も国に対して抗告訴訟を起こすなどして対抗。3月の和解後で、代執行訴訟などの取り下げと工事の停止が決まった。

 和解後に国と県は「円満解決」に向けて協議したが、「辺野古唯一」を掲げる国と「新基地建設阻止」を訴える県の溝は埋まらず、7月に国が違法確認訴訟を高裁那覇支部に提起した。

 同支部の多見谷寿郎裁判長は9月に「仲井真弘多前知事の判断に瑕疵(かし)はなく、翁長知事の取り消しは裁量を逸脱しているとした」と判決。知事は「憲法や地方自治法の解釈を誤った判決で、到底受け入れられない」と批判していた。

 

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