沖縄県東村などにある米軍北部訓練場の一部返還の条件として日米が合意したヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設計画で、県警は22日早朝、移設予定地への進入口の近くに反対派が築いたバリケードの撤去を始めた。反対派の市民ら約200人が集まり、機動隊ともみ合い騒然となった。▼15面=怒号響く

 沖縄防衛局ログイン前の続きは「ヘリパッド移設工事を再開した」と発表した。

 県警がバリケードの撤去を始めたのは、ヘリパッドの建設予定地に通じる東村高江の県道沿いの進入口付近。機動隊員が午前5時半ごろ、道路に座り込んだり寝たりして工事再開に抗議していた市民らを抱え、離れた場所に連れて行った。

 午前中、反対派がバリケードとして止めていた車両数台を機動隊が移動させた。防衛局はバリケード撤去作業の開始をもって工事を再開したとしている。沖縄防衛局は今月11日、反対派のバリケードやテントがある進入口から約2キロ離れた北部訓練場の正門内に、建設資材などの搬入を開始するなど、再開に向けた準備を進めていた。

 政府は工事への協力を県に要請。翁長雄志(おながたけし)知事は6月、反対派に車両を移動させるよう文書で指導した一方、防衛局が県に連絡せずに資材搬入を始めたことには「不意打ち的だ」と不快感を示していた。

 日米両政府は1996年、北部訓練場の半分余りを返還することで合意。返還区域にあるヘリパッドを高江周辺の6カ所に移すことが条件とされ、政府は2007年にヘリパッド工事に着工、14年までに2カ所が完成した。現在は米軍のヘリや輸送機オスプレイが訓練で使用している。残る4カ所については、平和団体などが進入口近くを封鎖して反対運動を続け、着工されていない。

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 中谷元防衛相は22日、ヘリパッド移設工事を再開したことを明かした上で、「移設工事を着実に進め、一日も早い(北部訓練場の一部)返還に向けて全力で取り組んでいく」と述べた。防衛省で記者団に語った。工事再開の理由については、野鳥営巣時期などを踏まえたとし、「工事ができる期間が限られている」と説明した。

 

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 <米軍北部訓練場とヘリパッド移設計画> 国頭(くにがみ)村と東(ひがし)村にまたがる国内最大の米軍専用施設(一部は日米共同利用や一時利用施設)で、面積は約7800ヘクタール。1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で約4千ヘクタールの返還が盛り込まれたが、返還区域のヘリパッド7カ所を残る区域に移設することが条件とされた。その後、6カ所に減らして東村の高江地区周辺に造る案となり、国は2007年に着工した。