喜劇「人類館」(作・知念正真、演出・上江洲朝男)が16日正午から、動画投稿サイトYouTubeで配信される。明治時代に「琉球人」が見せ物として展示された「人類館事件」に基づく戯曲を、県内の若い世代の役者で再演。装い新たによみがえらせた。13、14の両日に西原町のさわふじ未来ホールで収録が行われた。主催はAKNプロジェクト。(学芸部・天久仁)

 「人類館」は1903(明治36)年に大阪で開かれた内国勧業博覧会の会場前で「琉球人」が見せ物にされた事件を題材にした作品。作者の知念正真(1941~2013)の演出で1976年、演劇集団「創造」が初演した。

 戯曲は戦前の皇民化教育や標準語励行などを取り上げながら、「陳列された男」「陳列された女」「調教師ふうな男」の3人のやりとりを通して「沖縄差別」の構造を笑いと風刺で浮かび上がらせる。

 同プロジェクトを立ち上げた知念あかねは知念正真の娘に当たる。戯曲を若い世代に多く鑑賞してもらい「肩の力を抜いて、見た後に喜劇か悲劇かを判断してほしい」との願いを込め、タイトルに「喜劇」を付けた。作品は2014年以来、7年ぶりの再演。若手役者を起用し、上演機会を増やすことも同プロジェクトの目的の一つ。

 今回「陳列された男」は津波信一、「陳列された女」は上門みき、棚原奏、「調教師ふうな男」は末吉功治、島袋寛之の配役。いずれの役者も「人類館」を演じるのは初めて。それぞれ2グループに分かれて収録された。

 差別される側が「人類館事件」や沖縄戦、「方言札」やアメリカ世など沖縄を取り巻く歴史を経て、差別の歴史を繰り返すという、不条理な「ブラックユーモア」が戯曲の全編を貫く。各役者とも物語を流れる「もやもや感」を手探りしながら名作に取り組んだ。

 津波をはじめ、舞台経験豊富な役者陣の体を張った挑戦が、作品に新しい風を吹かせている。2面性を持つ「陳列された男」の津波、ストーリーテラー的な「調教師ふうな男」の末吉と島袋、沖縄の悲劇を代弁する「陳列された女」の上門と棚原、それぞれの個性を生かした役作りも見どころの一つだ。

 コロナ禍のため有観客での公演はかなわなかったが、収束後の再演にも期待したい。

 2020年度沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業。

 視聴は無料。詳細はQRコード参照。

(写図説明)喜劇「人類館」の1場面。「天皇陛下万歳」と叫ぶ調教師ふうな男(中央・島袋寛之)を取り巻く陳列された男(右・津波信一)、陳列された女(棚原奏)=西原町・さわふじ未来ホール

(写図説明)舞台は沖縄戦やアメリカ世など各時代の沖縄を行き来する。(左から)津波信一、末吉功治、上門みき

戯曲「人類館」

この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

 

人類館事件とは、1903年に大阪・天王寺で開かれた政府主催の第5回内国勧業博覧会で、民間業者が展示した「学術人類館」において、アイヌ・台湾高砂族(生蕃)・沖縄県(琉球人)・朝鮮(大韓帝国)・清国・インド・ジャワ・バルガリー(ベンガル)・トルコ・アフリカなど合計32名の人々が、民族衣装姿で一定の区域内に住みながら日常生活を見せる展示を行ったところ、当時の琉球新報が自分たちの展示は「差別である」と抗議し、問題となった事件である。                   ★

ここで注目すべきは、博覧会を主催したのは政府であるが「人類館」を展示したのは儲けを企んだ民間業者であることだ。(沖縄海洋博の際も政府主催の展示の他に会場外で民間業者が「見世物小屋的意図」で展示物を設置し大赤字になった例がある)

さらにもう一つの大嘘は、当時の琉球新報が「差別」と主張したのは、逆の意味の「差別発言」であった。

当時の『琉球新報』(4月11日)では「我を生蕃アイヌ視したるものなり」という理由から、激しい抗議キャンペーンが展開されたのである。特に、沖縄県出身の言論人太田朝敷が

学術の美名を藉りて以て、利を貪らんとするの所為と云ふの外なきなり。我輩は日本帝国に斯る冷酷なる貪欲の国民あるを恥つるなり。彼等が他府県に於ける異様な風俗を展陳せずして、特に台湾の生蕃、北海のアイヌ等と共に本県人を撰みたるは、是れ我を生蕃アイヌ視したるものなり。我に対するの侮辱、豈これより大なるものあらんや(ウィキペディア)

このように悲憤慷慨して、沖縄県全体に非難の声が広がり、県出身者の展覧を止めさせた。

当時の沖縄の代表的知識人であり、琉球新報社長も勤めた太田朝敷の論説が、このように差別的要素を含んでいたのだ

 

そして、最も大きな嘘は、当時大阪見物など一般の県民にはできない時代だが、辻遊郭の遊女に出演料として大金を提示し、一数時間民族衣装でお茶でも飲んでおれば、残りの時間は大阪見物すればよいと勧誘していた。

従がって「人類館」で軍服を着た日本人が琉球人を鞭打つ姿などデタラメである。

このデタラメな構図は復帰後沖縄県民の知念正真氏によって創作された戯曲「人類館」の中で創作された大嘘である。

つづく

 

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